背負い水 (文春文庫 お 18-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (1994年8月1日発売)
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感想 : 9
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1991年上半期芥川賞受賞作。著者の荻野アンナは慶應義塾大学文学部教授で、フランス文学専攻。たしかラブレーの研究家だった。ただし、作家としての彼女の作品はラブレーには似ていない(たぶん。実はラブレーをよく知らないのだ)。30歳前後の、売れないイラストレーターの「わたし」の一人称で語られる、ある種の恋物語。同棲相手のジュリーとの関係も「ネラネラした」まま。そうした浮遊感の中に独特のリアリティが感じられるが、到達点は誰にも示すことができない。そこがこの作品の新しさといえばいえるだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆日本文学
感想投稿日 : 2013年9月28日
読了日 : 2013年9月19日
本棚登録日 : 2013年9月28日

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