「下に見る人」に続いて、2冊目の酒井順子さんの本。
いやーな気持ちにさせられる本・何とも言えない嫌悪感と、その嫌悪感さえ一種の心地よさのようなものを感じさせられる。それは、人の悪いうわさ話につい耳をそばだててしまう気持ちに似ている。
「未婚・子ナシ・三十代以上の女性」を「負け組」と定義して、鋭く分析をしていく。
・・・たとえどれほど美人で頭がよくてセンスが良くてお金持ちで仕事ができても、こう言われたら言い返すことができないであろうそのフレーズとは「あなたは、女として幸せではない」というもの。・・・
自分自身は、独身である人に対してそのような
このような感情を抱いていないつもりでいた。だからこそ、このような考え方にただならぬ嫌悪感に苛まれていると思っていた。しかし、この本を読み進めるうちに、実は自分の知らないところでこの社会の「常識」が根深く自分の中に刷り込まれていて、だからこその嫌悪感なのではないかと思い始めた。自分では気が付きたくなかった感情を言い当てられたような、パンドラの箱を開けられたようなそんな気分なのかもしれない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年2月26日
- 読了日 : 2020年2月26日
- 本棚登録日 : 2020年2月23日
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