でゴダードの「蒼穹のかなたへ」
「闇に浮かぶ絵」が、ものすごい評判になっていて、それで名前に記憶がありました。で、古本屋で「リオノーラの肖像」をゲットして…打ちのめされました。
圧倒的な筆力と構成力、ただのゴシックホラー小説になりそうなテーマを、しっかり社会派でしかもヒューマンにまとめるなんて、どんな人なんだと驚愕しました。
そしてわくわくして、ゲットした「蒼穹のかなたへ」
ギリシャの島で、落ちぶれた男がイギリス女性を観光案内する。その女性が、突然姿を消し、男は誘拐したと疑われる…。
ゴダードは、だめ男を描かせると上手いんだけど、この主人公は特にぴかいちです。
だらしないのに、かたくな。いい加減なのに、くじけない。人は、相反するものをそれぞれに抱えて、それのバランスを取りながら生きているのだと、へんに気づかされます。
そして、衝撃のラスト。
実はこの帯はね、って思うところがあるんだけど、帯を考えた人も、これ以外に言葉がなかったんだろうな。うん、絶対そうに違いない。そういうラストです。
ラストは、号泣もんでした。
この主人公、のちに「日輪の果て」で再登場します。
自分の知らない間にできた子供に翻弄される話。
これも、泣けます。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
翻訳作者名 カ~コ
- 感想投稿日 : 2010年4月24日
- 読了日 : 2007年2月24日
- 本棚登録日 : 2007年2月24日
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