ポ-名作集 (中公文庫 ホ 3-2)

  • 中央公論新社 (2010年7月23日発売)
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本棚登録 : 348
感想 : 22
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■「モルグ街の殺人」…1841年。
『罪と罰』………………1866年。
『緋色の研究』…………1886年。
デュパンとホームズの間には45年もの径庭がある。

■「お前が犯人だ」……1844年。
『刑事コロンボ』………1968年。
コロンボはいつ犯人に目をつけたのか? 本作の語り部の「ぼく」は、「グッドフェロウ氏の率直さは度が過ぎていて、ぼくには不快に感じられたし、そもそもの最初から疑惑をかきたてていたのである」と言っている。

■「黄金虫」……………1843年。
『宝島』…………………1883年。
金無垢のコガネムシに導かれるように始まった宝探し。
古い羊皮紙に浮かび上がる意味不明の記号。
暗号解読のすえ明らかになった謎めいた指示。
髑髏の左右の眼のとりちがいにより一旦は計画失敗。
そしてついに、二体の骸骨に抱かれた、海賊キッドが残した秘宝の発見にいたる。
傑作!

■ところでこの丸谷訳の「黒猫」。
「縄をずっこきにして猫の首にかけ、樹の枝にぶら下げたのだ」とある。 ……で、「ずっこき」って何!?
原文――― "I slipped a noose about its neck and hung it to the limb of a tree." 。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 外国文学
感想投稿日 : 2022年6月26日
読了日 : 2022年6月26日
本棚登録日 : 2022年6月26日

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