ケルトの神話: 女神と英雄と妖精と (ちくま文庫 い 16-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (1990年3月27日発売)
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本棚登録 : 716
感想 : 41
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各国の神話再読キャンペーンを自分一人で開催中なのだけど、ついにケルトに突入。ケルトものは一時期はまっていたので結構沢山あるのだけど、これが入門編として一番概要がわかり親切かな。

民話の類は不思議と全く離れた土地でも共通していたりして面白いけど、日本でいう「浦島伝説」や「羽衣伝説」とよく似た話がアイルランドにもあるってなんかすごい。浦島的なオシーンの話は、妖精の国から元の世界に戻ってきたら、キリスト教が布教されてたっていうのが、妙に現実的。

アンデルセンの童話(白鳥の王子)の元ネタっぽい、継母に白鳥にされちゃった四人の姉弟の話も、人間に戻れた途端に老人になっちゃうのが切ないな。

一番有名な英雄ク・ホリンは、愛馬が主人思いで健気。恋愛系は女性がわがままなパターンが多くて悲恋でもあまり同情的になれなかったけど、動物が健気なのは泣ける。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  宗教・神話・伝説
感想投稿日 : 2016年8月24日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年8月3日

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コメント 2件

淳水堂さんのコメント
2016/08/26

こんにちは(^O^)

白鳥の話は「リヤ王」でしたっけ?
魔法が解けた四人の王女王子たちはすっかり老人ですぐに老衰、
死ぬ寸前に一番上の姉が「私たちを葬るときには、私の右腕に〇〇、左側に△△を寝かせてください。白鳥だったとき毎晩そうして寝ていましたから」という話を読んだ覚えがあるのですが、ケルト神話だったのか。

”リア王”と言われると白鳥のほう?荒野をさまよってピエロにからかわれるほう?となってしまう(笑)

yamaitsuさんのコメント
2016/08/29

淳水堂さん、こんにちは(*^_^*)

そうです、それです、長女の白鳥が弟たちをいつも庇っていて(泣かせる…)死ぬときも同じように葬ってくれってお願いするやつです。

この本では「リール王」という表記になってました。綴りは「Lir」かな? 発音難しそうですね、リアともリヤとも・・・

しかし白鳥の姿で900年、そこまでは魔法が有効なのに、人間に戻ったとたんに老衰で死んじゃうって・・・なんとも切ないです。

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