<世紀末画廊>
ジャン・ロランとジェイムズアンソール/ユイスマンスとフェリシアン・ロップス/アンリ・ド・レニエとモーリス・ドニ/オクターヴ・ミルボーとアリ・ルナン/ロデンバックとクノッフ/シュオブとD・G・ロセッティ/レオン・ブロウとギュスターヴ・モロー/メーテルランクとアルフォンス・オスベール/レミ・ド・グールモンとオディロン・ルドン/ロベール・ド・モンテスキュウとエドガール・マクサンス/ジョルジュ・ダリアンとロートレック/ジャリとフィリジェ/ユーグ・ルベルとベックリン
<イマジナリア>
アロイス・ツェトル/さざえ堂/マニエリスト抱一/カルロ・クリヴェッリ/ベルナール・フォーコン/河鍋暁斉/愛の魔術/シモーネ・マルティーニ/五輪塔と現代オブジェ/塔と庭のある町
<血と薔薇>
ポール・デルヴォー/クロヴィス・トレイユ/ピエール・モリニエ
<シュルレアリスム、狂熱の追求>
私のシュルレアリスム/シュルレアリスムと屍体解剖/アンドレ・ブルトン/魔的なものの復活/ベルメールの人形哲学/写真家ベルメール/モリニエ/幻想美術とは何か
<空想絵画館>
江戸の動物画/空想の詩画集/ベスト18 日本絵画・彫刻・西洋絵画/幻想美術の流れ/スウィフト、サド、ゴヤ/ゴヤ あるいは肉体の牢獄/ギュスターヴ・モローの偏執

2014年8月19日

読書状況 読み終わった [2008年8月]
カテゴリ  ○澁澤龍彦
タグ

空間恐怖と魔術:スワンベルクとブロオネル/女の王国:デルヴォーとベルメエル/イメージの解剖学:再びベルメエル/卵・仮面・スフィンクス:レオノール・フィニーの世界/夢見る少女:バルテュスの場合/渾沌から生成へ:タンギーの世界/マグリットの冷たい夢/神の香具師ゾンネンシュターン/サルバドール・ダリの両極性/光り輝くルネサンスの幻影:ダリ展を見て/『百頭の女』と『スナーク狩』:マックス・エルンスト/ピカビアと機械崇拝/存在し得ない空間:エッシャー

ボマルツォの「聖なる森」/崩壊の画家モンス・デシデリオ/だまし絵・ひずみ絵:ホルバインその他/メタモルフォシス:アルチンボルドを中心に/一角獣と貴婦人の物語/北欧の詩と夢:ベックリンとクリンガー/密封された神話の宇宙:ギュスターヴ・モロオ展を見て/幻想の城:ルドヴィヒ二世と郵便屋シュヴァル/人形愛:あるいはデカルト・コンプレックス/玩具考/仮面のファンタジア

2014年7月28日

読書状況 読み終わった
カテゴリ  ○澁澤龍彦
タグ

レオノール・フィニー、魔女から女祭司まで/マックル・ワルター・スワンベルク、女に憑かれて/ゾンネンシュターン、色鉛筆の預言者/ポール・デルヴォー、夢のなかの裸体/ハンス・ベルメール、肉体の迷宮/バルテュス、危険な伝統主義者/ ルネ・マグリットの世界/キリコ、反近代主義の亡霊/マックス・エルンスト論/ベルメールの人形哲学/ファンム・アンファンの楽園/パウル・クレー展を見て/ビザンディンの薄明あるいはギュスターヴ・モローの偏執/ルドンの黒/ゴヤあるいは肉体の牢獄/ロメーン・ブルックス、アンドロギュヌスに憑かれた世紀末/遠近法・静物画・鏡、トロンプ・ルイユについて

2014年6月30日

読書状況 読み終わった
カテゴリ  ○澁澤龍彦
タグ

「シモネッタ・ヴェスプッチの肖像」ピエロ・ディ・コシモ/「若い女の肖像」ペトルス・クリストゥス/「二人の娼婦」ヴィットーレ・カルパッチオ/「マグダラのマリア」カルロ・クリヴェルリ/「アンテアの肖像」パルミジャニーノ/ 「奏楽天使に囲まれた聖母子」コスメ・トゥーラ/「ヴェネツィアの少女」アルブレヒト・デューラー/「ユディット」ルーカス・クラナッハ/「婦人像」ヤコボ・カルッチ・ポントルモ/「アレゴリー」ジョバンニ・ベルリーニ/ 「受胎告知」シモーネ・マルティーニ/「大天使」ピエトロ・カヴァルリーニ/「三美神」ハンス・バルドゥンク・グリーン/「五感あるいは夏」セバスティアン・ストッスコップフ/「春」サンドロ・ボッティチェルリ/ 「死せる恋人」グリネワルト/「悦楽の園」ヒエロニムス・ボッス/「虚栄」ハンス・メムリンク/「鏡の前のウェヌス」ディエゴ・ベラスケス/「スザンナと老人たち」グイド・レーニ/ 「地獄堕ち」ルカ・シニョレルリ/「魔女キルケー」ドッソ・ドッシ/「珊瑚採り」ヤコボ・ツッキ/「魔女の夜宴」フランシスコ・ゴヤ/ 「女友達」グスタフ・クリムト/「泉を守る女」レオノール・フィニー/「花嫁の衣装」マックス・エルンスト/「美しきロジーヌ」アントワヌ・ヴィールツ」/「黄金の怪談」バーン・ジョーンズ/ 「シャルロット・コルデー」フェリックス・ラビッス/「火の番をする女」ロメロ・デ・トレス/「奇妙な仮面」ジェイムス・アンソール/「キューレボルンがウンディーネを漁師のところへ連れてくる」ハインリヒ・フュスリ/ 「一つ眼巨人」オディロン・ルドン/「みずからの純潔性に姦淫された若い処女」サルバドール・ダリ/「トルコ風呂」アングル

2014年6月30日

読書状況 読み終わった
カテゴリ  ○澁澤龍彦
タグ

(※文春文庫版と同じ)
バルテュス:スカ-フを持つ裸婦/クラナッハ:ウェヌスとアモル/ブロンツィーノ:愛と時のアレゴリー/フェリックス・ヴァロットン:女と海/ベラスケス:鏡を見るウェヌス/百武兼行:裸婦/ワットー:パリスの審判/ヘルムート・ニュートン:裸婦/眠るヘルマフロディトス/デルヴォー:民衆の声/四谷シモン:少女の人形/アングル:トルコ風呂

2014年8月19日

読書状況 読み終わった [2007年5月]
カテゴリ  ○澁澤龍彦
タグ

もう展覧会も終わったしブームも一段落して今更ではあるけれど、やっぱりちょっと興味はあるので怖い絵シリーズに手を出してみる。ひとことに「怖い」と言ってもその範囲はかなり広く怖さの種類はさまざま。見るからに怖いゴヤのサトゥルヌスのような作品もあれば、一見華麗だったり可憐だったりする絵の裏にある歴史的背景を知るとゾワっとくるものも多い。個人的には怖さを楽しむというよりは雑学&豆知識として知らなかったことを知るのが楽しかった。

例えばドガの有名なバレリーナの絵、今でこそ高尚な芸術のように扱われているバレエの発祥を遡ると、日本における江戸時代の歌舞伎と同じようなことが行われていたとは驚きでした。受胎告知なんかも言われてみれば確かに、身に覚えのない結婚前の女性が「妊娠してますよ!」っていきなり言われたら例えお告げしてきたのが大天使様でもまずは恐怖しかないというのも納得。ルドン『キュクロプス』は個人的にはひとつめちゃん可愛いとか思ってしまうのだけど、元祖ストーカーというのには納得。

アルテミジア・ジュンティレスキ『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』は、絵そのものより女性画家であったアルテミジアにまつわるフェミ問題が興味深かった。あとムンク『思春期』、この絵から下世話な想像をする人の意見にはちょっとイラっとするものの、バルテュスの少女絵のみならず、ウォーターハウスのニンフの絵までフェミ団体からの抗議で撤去されるご時世、正直女性側から見ても絵画のヌードをいちいちセクハラだと騒ぎだしたらきりがないし、そもそも美しいものを美しいと讃えることまで否定するのはどうかと思う。

※収録作品
ラ・トゥール『いかさま師』/ドガ『エトワール、または舞台の踊り子』/ティントレット『受胎告知』/ダヴィッド『マリー・アントワネット最後の肖像』/ブロンツィーノ『愛の寓意』/ブリューゲル『絞首台上のかささぎ』/クノップフ『見捨てられた街』/ボッティッチェリ『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』/ホガース『グラハム家の子どもたち』/ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』/ベーコン『ベラスケス<教皇インノケンティウス十世像>による習作』/アルテミジア・ジュンティレスキ『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』/ムンク『思春期』/ライト・オブ・ダービー『空気ポンプの実験』/ホルバイン『ヘンリー八世像』/ジョルジョーネ『老婆の肖像』/ルドン『キュクロプス』/コレッジョ『ガニュメデスの誘拐』/レ-ピン『イワン雷帝とその息子』/ゴッホ『自画像』/ジェリコー『メデューズ号の筏』/グリューネヴァルト『イーゼンハイムの祭壇画』

2018年2月19日

読書状況 読み終わった [2018年2月17日]
カテゴリ  >な行
タグ

王や女王の肖像画等の裏側には、歴史を知る面白さがあるけれど、ジェラール『レカミエ夫人の肖像』は女性のファッションやメイクの変遷について言及されているのが興味深かった。フランス革命後、ギリシャ風の露出度高め&スケスケファッションに、死人風だの結核風だのの不健康メイクが流行った時代があったらしい。去年くらいに日本でも「二日酔いメイク」だかなんだか言って目の下のあたりをチークで真っ赤にしてる若いお嬢さんがたくさんいて、おばちゃん的には「何ごと!?」と思ったものでしたが、いつの時代にも突拍子もないものが流行するものなんですね。オシャレのために薄着しすぎて風邪ひいて死んじゃうとかもう…現代の生脚ミニスカ女子高生となんら変わらない女性のファッションへの飽くなきこだわりは確かに怖い(苦笑)

ファッションのみならず体型や顔立ちにもやはりその時代、その国ならではの流行があり、ルーベンスの描くムチムチ女性は彼の好みというわけではなくあの時代はあれが理想の体型だったとのこと。ルーベンスの時代に生まれていれば私も超絶ナイスバデーと称えられたかもしれない(笑)

詩人としてのほうがおそらく有名なウィリアム・ブレイクは、自身の詩集に添えられた牧歌的な挿絵くらいしか見たことがなかったのだけど、ここに収録されている『巨大なレッド・ドラゴンと日をまとう女』は今から200年以上前に描かれたと思えないくらい、なんというか、タッチが現代のアニメーターなんかの雰囲気に近くて驚く。天野喜孝をもっとマッチョにしたような感じとでもいうか…。未読だけれどトマス・ハリスの『レッド ・ドラゴン』に出てくるのはこの絵のことなのですね。

エッシャーは芸術というより「だまし絵」的な扱いを受けることが多いけれど、もっと哲学的というかいっそSF的だとすら思う。ビアズリーは私の中では別格。あとラファエル前派が好きなのでドレイパーやハントはやっぱり良い。

レンブラント『テュルプ博士の解剖学実習』やホガース『精神病院にて』は、皆川博子の『開かせていただき光栄です』のシリーズを思い出した。精神病院ベドラム、小説の中でもすごく怖かったなあ。

※収録作品
ドラローシュ『レディ・ジェーン・グレイの処刑』/ミレー『晩鐘』/カレーニョ・デ・ミランダ『カルロス二世』/ベラスケス『ラス・メニーナス』/エッシャー『相対性』/ジェラール『レカミエ夫人の肖像』/ブリューゲル『ベツレヘムの嬰児虐殺』/ヴェロッキオ『キリストの洗礼』/ビアズリー『サロメ』/ボッティチェリ『ホロフェルネスの遺体発見』/ブレイク『巨大なレッド・ドラゴンと日をまとう女』/フォンテーヌブロー派『ガブリエル・デストレとその妹』/ルーベンス『パリスの審判』/ドレイパー『オデュッセウスとセイレーン』/カルパッチョ『聖ゲオルギウスと竜』/レンブラント『テュルプ博士の解剖学実習』/ホガース『精神病院にて』/ファン・エイク『アルノルフィニ夫妻の肖像』/ハント『シャロットの乙女』/ベックリン『死の島』/メーヘレン『エマオの晩餐』/ピカソ『泣く女』

2018年2月21日

読書状況 読み終わった [2018年2月20日]
カテゴリ  >な行
タグ

サブタイトルがなんかあれですけど、ちくま学芸文庫なので中身はちゃんとした真面目なやつです(当たり前)とはいえ、古代ギリシャなんかは昔の日本と同じで大人の男性が美少年を愛でるのは高尚な趣味とされていたので、BLもびっくりな大胆な構図の絵とかあってビックリ。結局日本に限らず、キリスト教文化に侵略される前はどこの国でも同性愛OKだったんですよね。あえて声高に禁止を叫ばなくてはならないということは、放っておいたらそうなってしまう人の数がそれなりにいたからなわけで。もちろん同性のみでなく美少年を愛でる女性の絵もたくさんあります。クピド(キューピッド)の幼児化の過程なども興味深い。

基本的に美少年は美少年のまま死なねばならず、おっさんになるまで生きながらえてはならない暗黙の法則。この本は西洋美術だけですが、日本の美術史上はどうだったのかな。絵画の世界のことはわからないけど、少なくとも歴史上の早逝した人物(義経、森蘭丸、沖田総司など)はそれだけで美少年と思われてしまう風潮はあるように思うけれど。

2016年6月20日

読書状況 読み終わった [2016年6月18日]
カテゴリ  >あ~う

表紙にもなっているレーピン『皇女ソフィア』はタイトルからイメージする嫋やかな王女様のイメージを覆す、仁王立ちで腕組み、目を血走らせた大柄な皇女の姿、見るからに恐ろしい。朝帰りした旦那さんが玄関開けた瞬間に奥さんにこんな姿で睨みつけられたら即土下座だろうな(苦笑)

レオナルド・ダ・ヴィンチ『聖アンナと聖母子』は後世のフロイト先生の分析が相変わらずぶっ飛んでるのだけど、意外とこれは的を得ている気がして面白い。ボッティチェリ、カパネルそれぞれの『ヴィーナスの誕生』どちらもいいなあ。ボッティチェリが現代人だったら「ヴォーグ」で仕事してたかもっていうのなんか納得。オシャレですよね。ファッションセンスがいい。カパネルのほうは、絵画におけるヘア解禁問題について言及さていて興味深かった。確かに基本ツルツル。こういう絵しか見たことのなかったある男性が、結婚して初めて本物の女性の裸を見てビックリ、何もしないまま離婚したという話を、笑っていいのか悩む(苦笑)

個人的にセガンティーニ『悪しき母たち』のインパクトが強烈。このシリーズに収録されている作品はやはり有名作が多いのでほとんどの画家の名前、あるいは画家について知らなくてもその絵は知っているという感じでしたが、セガンティーニのことはよく知らなかったので、こんな画家がいたのか、と。もっと他の作品も観てみたい。

最近は日本でも1月になるとパン屋さんやケーキ屋さんで売り出すガレットデロワというお菓子がありますが、ヨルダーンス『豆の王様』の由来を知ると、もともとはあんな贅沢なお菓子の話じゃなかったんだなとわかる。ホガース『ジン横丁』なども合わせ、庶民の暮らしを描いた絵は、王侯貴族の肖像画や宗教神話モチーフの絵よりも知る機会が少ないので貴重かも。そしてゴヤの噴出する怒り。

映画『カストラート』を観たのはもう20年以上前だけれど、アミゴーニ『ファリネッリと友人たち』に描かれたファリネッリは、映画で受けたイメージよりは幸せそうだった。もちろんカストラート自体の歴史はとても怖い。伝ブリューゲル『イカロスの墜落』は2006年のベルギー王立美術館展(国立西洋美術館)で実物を観ましたが、そのときもやはり、イカロスが墜落しているのに誰も気づいておらず無関心、無視してる感じがとても怖いと思ったっけ。

※収録作品
レーピン『皇女ソフィア』/ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』/カパネル『ヴィーナスの誕生』/ベラスケス『フェリペ・プロスペロ王子』/ヨルダーンス『豆の王様』/レオナルド・ダ・ヴィンチ『聖アンナと聖母子』/ミケランジェロ『聖家族』/セガンティーニ『悪しき母たち』/伝レーニ『ベアトリーチェ・チェンチ』/ルーベンス『メドゥーサの首』/アンソール『仮面にかこまれた自画像』/フュースリ『夢魔』/ドラクロワ『怒れるメディア』/伝ブリューゲル『イカロスの墜落』/レッドグレイヴ『かわいそうな先生』/フーケ『ムーランの聖母子』/ベックリン『ケンタウロスの闘い』/アミゴーニ『ファリネッリと友人たち』/ホガース『ジン横丁』/ゲインズバラ『アンドリューズ夫妻』/ゴヤ『マドリッド、一八〇八年五月三日』/シーレ『死と乙女』

2018年2月22日

読書状況 読み終わった [2018年2月22日]
カテゴリ  >な行
タグ

河出文庫版よりもこっちのほうが絵が大きくて、紙質もいいし、それぞれのエッセイの前に絵が挿入されているので読み易いんだけど、河出から出てるってことはもうこっちは絶版なのかな。

バルテュス:スカ-フを持つ裸婦/クラナッハ:ウェヌスとアモル/ブロンツィーノ:愛と時のアレゴリー/フェリックス・ヴァロットン:女と海/ベラスケス:鏡を見るウェヌス/百武兼行:裸婦/ワットー:パリスの審判/ヘルムート・ニュートン:裸婦/眠るヘルマフロディトス/デルヴォー:民衆の声/四谷シモン:少女の人形/アングル:トルコ風呂

2014年8月25日

絵画についてのエッセイ(図版多数収録)なのだけど、映画からの切り口が多いのは金井美恵子らしかった。画家のチョイスについては微妙、幅広いがかなり雑多で、残念ながら自分の好みとは一部を除いてあまり被っていなかった。ご自分でもあとがきに少し書かれていたが、どうも猫とか虎とか動物系の絵がお好きなようだ。

絵の値段について、『農婦』という絵が、最初は1~2万円だと思われてたのがゴッホ作だとわかったとたんに数千万円に跳ね上がったことについて批判的だった高橋源一郎の批評文「例えばピカソさんの絵と、ビジュツ大学の学生の絵を並べられてもなかなか区別がつきませんよね、ふつう。なのに、ピカソさんの絵は何億円もの値段がつき、学生の絵は無料でも貰い手がない」に対して、

「このような文章が「ブンガクブ」学生が書いたものだとすれば新聞の投稿欄にも載らないだろう。ようするに「高橋源一郎」という名前だから新聞に載り、「値段」はいくらだか知らないが、原稿料が支払われるわけなのだから、カマトトぶるのもいい加減にしたら?」と辛辣なあたりは金井美恵子らしくて笑ってしまった。高橋源一郎に同情する。

ジョセフ・コーネルの箱庭っぽい作品は私も好きだと思った。あとアントニオ・リガプーエという全然知らない画家の動物の絵について、ちょうど去年見たベルトリッチ映画「暗殺のオペラ」(1970)のOPでタイトルバックに使われていたことなど、言われてみれば確かにそうだった、と勉強になりました。

※収録
長谷川潾二郎/モリス・ハーシュフィールド/マックス=ワルター・スワンベルク/オーギュスト・ルノワール/アンリ・ルソー/岡鹿之助/フラ・アンジェリコ/ダヴィッド、ゴヤ/マティス/シュレーダー=ゾンネンシュターン/円山応挙/ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ/ワトー/李朝民画/サーカス ポスター/エドワード・ヒックス/エドワード&ナンシー・レディン・キンホルツ/バルテュス/ジャクソン・ポロック/フランシス・ベーコン/ラウル・デュフィ/フランシスコ・デ・スルバラン ファン・デ・スルバラン ミケランジェロ・メリジ・ダ・カラヴァッジョ ヨハネス・フェルメール/高橋由一と長谷川潾二郎/ジオット/ジョセフ・コーネル/アントニオ・リガブーエ

2019年2月11日

読書状況 読み終わった [2019年2月10日]
カテゴリ  ○金井美恵子
タグ
ツイートする