おまかせハウスの人々

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本棚登録 : 107
レビュー : 27
著者 :
yamatoriさん 菅浩江   読み終わった 

いやあ、面白いっ! これはいい!
SF設定の短編集だけれど、その実中身は人と人との関係性が書いてある。
内訳は
1.ロボットの短期里親:初めはなんのことだかわからなかったし、主人公の母親にも納得いかなかったけれど、話がつつむにつれてどんどん引き込まれていく。ラストなんて感動もの! 一気にこの短編集に好感を持った。
2.人心を読む携帯用機械:正直場を盛り上げたりするの、わたしも得意じゃないからこの主人公の気持ちはよくわかる。というか、形状だけだったら別に大したことないじゃない、と思うけれど疾しさやばれることへの恐怖ってあるよね。ちょっと笑ってしまいながらも、笑えない設定だった。面白い!
3.ダイエットや健康用の体内埋め込み型ナノレベルの機械:これまた正直何のお話、と思ったんだけれど。うーん…。なかなか深いわ切ないわ。孤独な人がペットにぬくもりを求めるように、彼女はナノレベルの機会を可愛がる。しかしそこには大きな爆弾があった。
4.食事によって引き起こされるフード病:自分が作った手料理のせいで義理の母親が死んだ、なんて言われてしまった主人公。世の中さ、結婚して太る男性諸君は妻の手料理のせいとみられるのは微笑ましいとして。これはきついぞ。身内から攻められたら、ショックで狂信的になってしまっても仕方がない。最後にちょっと仕返し気分が入るのなんて、もうステキ!
5.鬱と色の関係と鮮やかな色彩を与える薬:うわ、この話も好き! どんよりとした世界よりも美しいものを見たい、と思うもの。空だって灰色よりかは青い方がいい! 例えば塞いでるとき読んだ本は、どんなに傑作でも心から楽しめないことがある。でもそこでとてもきれいな何かを見れば、多少は気が晴れるんじゃない? 視覚と心の関係、それが一つの薬を通してくるっていく。おお怖い。でも面白い。
6.家事システムが搭載された家:表題作でもあるこのお話。おっもしろい…! 便利な世の中って誰もが求めるところ。機械が進化するにつれて、同時にその機会に対応するため、人間の方が振り回されることもある。ほら、スマートフォンだって慣れるまで多少の時間がかかるでしょう? 「おまかせハウス」は自動掃除機能等々がついた、理想的な住環境を提供する家。しかしモニターに選ばれた人々は曲者ぞろいで、主人公は憂鬱な日々を送る。それでも家族のために、いい加減な上司や曲者な住人たちに立ち向かう。
なんていうかね、皮肉ってスバラシく甘美なスパイスだわ…! もうね、笑ってしまった! いいじゃないこれ。

レビュー投稿日
2012年11月4日
読了日
2012年9月18日
本棚登録日
2012年9月18日
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