【あらすじ】「わたし」には、余命僅かな弟がいる。21歳の彼は、生きるということ、生活の喜びをまだ理解しないまま死んでゆく。
一方の「わたし」は、生きること…食べることなどの生理的な行動のすべてを雑然と汚らしく感じている。弟が横たわる病室の清潔な空間だけが、わたしに安らぎをもたらす。(表題作)
【感想】
繊細で透明感のある1篇。
生活感を嫌う主人公の目を通して描かれる世界は、透き通り、軽やかで、乾燥していて冷たい。作者の筆致や世界観作りには目を見張るものがある。
一方で、わたしの感性とだいぶ違う主人公の考え方や行動には、なかなか感情移入が出来なかった。特に旦那さんとの関係が難しい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年12月29日
- 読了日 : 2022年12月29日
- 本棚登録日 : 2022年12月29日
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