真実への盗聴

著者 :
  • 講談社 (2012年8月3日発売)
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本棚登録 : 164
感想 : 34
4

 主人公の七川小春は、普通の人の何倍もの聴力を持っている。9歳の時、遺伝子治療を受けたときからだ。

 小春は就職氷河期に新卒で入ったブラック企業を強引に退職した。再就職のため面接に行ったのはアスカルズという製薬会社。アスカルズには落ちたが、その面接官であった黒崎に呼ばれ、子会社への入社を勧められる。
 だが、その役割は子会社ASSの内情を、その聴力で探ることだった。社長を中心としてアスカルズ本社に対抗する秘密結社があるというが……。

 読み進めるうちに、アスカルズやASSの謎めいたところが興味をかきたてられていきました。年金問題や世代間の格差なども盛り込まれています。
 就職もままならなかった若者と高度経済成長で、頑張れば収入がついてきた時代の人と意識の差も大きいのでしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年12月17日
読了日 : 2016年12月17日
本棚登録日 : 2016年12月17日

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