コンニャク屋漂流記 (文春文庫 ほ 11-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (2014年3月7日発売)
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感想 : 18
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図書館で。
これ、身内の人は面白いんだろうけど…と言う感じ。正直登場人物は多いし、どういう関係だったかこんがらがってしまって。後、身内自慢がすぎる気がする(笑)。
ロドリゴの辺りはまるでその場に居たように伯母さんは語ってますが、後の章を読むとこの著書の先祖が和歌山から来たのはロドリゴ来訪後っぽい?気がするんですが。ま、その後地元の人と交わってるからご先祖に違いはないのかもしれないけど…ちょっと違和感。

大分前ですが、初めてお会いする親戚に会った時のおばさんの話によく似てるわ~と思いながら読みました。「あーた、うちとこは島一番の畑を持っていたの」とか、「うちのお父さんはそれは男前でジャミセンの名人だった」だの、「〇×のおじさん」だの、あだ名で全部通じちゃう感じとかが。

おじいさんは自分のために記述を残したのではないかな、と思います。友人の父親で、リタイアした後、家族や祖先の由来や来し方を調べたいとか調べたいとか調べだした人、2人ぐらい知ってるし(もしかしたらもっと居るかも)。ある程度の年齢になると、自分の人生を振り返って記録に残したいって思いが強くなるのかなぁ。
ただ、身内に文筆家がいるとこうやって綺麗にまとめてもらえるのかなぁなんてちょっと思いました。

読んでいて、うちだって母方の祖父も中々面白い来歴を持っている方だし(島からアメリカに留学してホテル業を学び、帰国後政治活動を始め、東京から100㎞以内に入ってならぬと追放され温泉地に居を構えたとか)、父方の祖父も時の天皇陛下のレインコートの裁断を(目の前で?)されたとか言ってたし…なんて思いました。
昔は人間が少なかったからか、色々と面白い活躍をされている人が居たんだろうなぁと。そして語られぬだけで、人それぞれ色々な歴史があるんだろうなぁと思いました。

そして、実質的に管理もしないし手入れをしている訳でもないのに工場を残したいとか親に言い張る件を読んで、この著者は親に甘やかされているなぁ…とちょっとびっくりしました。後自分は漁師の末裔だと言い張るところとか。生きるために漁をしたり、コンニャクを売ったり、髪結いをしたり、東京に出て工場を起こしたり…とその生きるための身の切り替えの早さがコンニャク屋だと思うので、漁師に固執するのは祖母っぽい考えのような気がするんですが。そして悪口の代名詞みたいになってる祖母が可哀想だなぁ、理解者が居なくて…とちょっと思いました。(そして賭け事が出来なかったのは祖母譲りの保守性だと思う。だって、父のいう事あまり聞いてないし(笑))

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2019年11月22日
読了日 : 2019年11月22日
本棚登録日 : 2019年11月22日

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