どこかでベートーヴェン (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社 (2016年5月25日発売)
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本棚登録 : 1303
感想 : 200
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中山七里さんの小説を読むのは
デビュー作「さよならドビュッシー」と
「総理にされた男」に続いて、3作目です。

今回は「さよならドビュッシー」に登場した
ピアニスト・岬洋介の高校生時代のお話。

ピアノ演奏の描写もすごいですが、
土砂崩れの描写も臨場感あふれ、
ハラハラしました。

また、岬洋介の才能を目の当たりにした
同級生たちの複雑な心情が、とてもリアル。

岬と、ワトソン役でもある同級生の鷹村は
おとなびた部分もありますが、
他の同級生たちは年相応な反応をみせるので
高校時代のお話、という部分にも
違和感は少なく読めます。

タイトル「どこかでベートーヴェン」が、
最後の最後まで効いていて、
思わずうなってしまいました。

ミステリとしても青春小説としても
味わえる1冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2020年2月9日
読了日 : 2020年2月8日
本棚登録日 : 2020年2月7日

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