手塚道郎・22歳は、友人の西嶋雅人がヤクザの街金に嵌められ作った借金を返す為、パソコンや機械を駆使し大胆な偽札造りに挑む−。
上下巻で結構なページ数があるけど、そのボリューム感を全く気にさせない。
登場人物は必要最低限に絞り込み、無駄を省いた展開はスピード感があり重厚な文体でもテンポ良く読める。
偽札造りがメインなので小難しい専門用語が頻繁に出てくるにも関わらず、決して飽きがこない。
キャラはそれぞれが個性的で際立っていて魅力があり、「偽札造り」に沿った会話も小難しいのに軽快でユーモアがあって楽しい。オチの「真保裕一」はご愛嬌か。読み応えは抜群、読了感は爽快。
真保裕一と言えば「ホワイトアウト」が有名だけれども、個人的には「奪取」はそれを越えていると思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2008年10月30日
- 読了日 : 2008年10月30日
- 本棚登録日 : 2008年10月30日
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