満員電車の中で男が殺害された。
コルク球に何本も針を刺し、
先に毒を塗った奇妙な凶器が使われた。
警察の必死の捜査にも関わらず
犯人の手掛かりは掴めない。
そこで元シェイクスピア俳優の名探偵
ドルリー・レーンに白羽の矢が立った。
個性的過ぎる名探偵のキャラに
慣れるのは時間が掛かったが、
徐々に装飾過多のこの名探偵に
魅了されていった。
物語も事件の設定も非常に複雑。
当時のNYの雰囲気も良く描かれ、
古典ミステリとは思えない
その完成度に感嘆した。
登場人物が非常に多く、
犯人を容易に推察させない所が
この作品で特に良かった点。
後半になって登場する人物や
事件の背後の物語などは、
普段なら鼻に付く所だが
レーンが解き明かした真相は
感服する程よく練られた物語で
彼の推理も非の打ち所がない。
幾つか読んだ古典の中でも
とびきりの傑作。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
●ミステリ
- 感想投稿日 : 2017年3月13日
- 読了日 : 2017年3月13日
- 本棚登録日 : 2017年3月11日
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