菓子屋のチョコレートに毒が混ぜられ
犠牲者が出るという事件が起こった。
事件に深く関わっていると疑われる
その田舎町の資産家の主人は、
毒混入の手口を証明するため
一つの心理的実験を家族の前で
演じて見せた。
だが、実験の中で彼は本物の毒を飲み
命を落としてしまった。
複雑な謎に名探偵フェル博士が挑む。
非常に複雑で、緻密に練られた
物語、演出、トリック。
毒入りチョコレート事件をきっかけに、
怪しい心理実験を試みるという流れは
他にどんな作家が思い付けるのだろうと
感心させられた。
だが容疑者は極少数の人間に限られ、
本書で語られる毒殺者講義の中にも
あるように、動機は単純な「欲」。
犯人が凝らした創意工夫は見事だったが
お前だったのか、
そういう事だったのか、
という驚きは殆どなかった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
●ミステリ
- 感想投稿日 : 2017年2月19日
- 読了日 : 2017年2月19日
- 本棚登録日 : 2017年2月16日
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