逸脱 捜査一課・澤村慶司 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2012年9月25日発売)
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本棚登録 : 800
感想 : 52
3

天才的感覚派というのか
作中では人より目がいいと表現されているが、過去にトラウマを持つ主人公の澤村

ストーリーの起点の事件である連続殺人事件が10年前の事件と繋がっているのではないか、
10年前の事件の詳細を知っているのは、犯人と警察…
ここから犯人が絞り込まれ一気に浮上した鬼塚

澤村と鬼塚
非常に似た思考を持つ2人だが、自己評価は異なった
それぞれが一度の失敗をきっかけに
こんなにも道を違えてしまうのか

その失敗に対し、彼らを取り巻く環境は大きく異なり
澤村は自分を責め続け、
鬼塚は周りを卑下した

正義から生まれた『悪』だろう

鬼塚の話を真剣に聞く相手がいたら、
共に闘ってくれる仲間がいたら、
正義のまま、悪の根源を断つことが出来ただろう

登場人物それぞれがすごく人間らしい
手を差し伸べるか、遠ざけるか
行動できるか、出来ないか
人間の強さ・弱さを濃く描かれた作品だった


作品の構成
本筋の澤村目線と犯人の心情が書かれており
犯人が明白となるまでの進度が表現されており
その臨場感も面白い

登場人物たちの最後がどうなったのか分からず、少しもやっとした

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年9月22日
読了日 : 2022年9月22日
本棚登録日 : 2022年9月19日

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