あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 520)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145205

感想・レビュー・書評

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  • ヒトラー政権下のドイツにいる主人公ドイツ人少年とユダヤ人友人の話。アンネの日記が有名だけど、この本で結構ズシンと来た。(magarhy)

  • 2005

  • ホロコースト時代のユダヤ人大虐殺の歴史は一応知ってはおりますがドイツ人の立場からその時代を書いた本は初めて読んだような気がします。
    社会が極論へと傾いていく中、自分の信じる正義をどれだけ守ることが出来るのか。よくないと思ってはいてもその時代は仕方が無かったのだ、と反対意見を出さなかった人は加担したのも同じではないのか。

    昔はだしのゲンを読んだ時、主張を持っていた人がいかに弾圧されたか、中国・朝鮮の人に想像を絶するような非人道的な行いをしたのかが描かれておりびっくりしたことがありました。自分が不勉強なこともありますが日本が加害者に書かれた作品ってそれ以外あまり読んだことがありません。でも自分たちが加害者であったと言う歴史を認めないことには又同じことを繰り返す危険があると諸外国に思われても仕方が無いのではないか。
    そんなことを思いながら読みました。

  • 付録の年表と照らしてみるとぞっとする。

  • 戦争ものも読まないとはいけないと思いつつ、
    読むと作品の重さに引きずられて落ちてしまうので
    あんまり読まないようにしてるんだけど
    この本は児童文学に詳しい河合隼雄の推薦の児童文学書であり、
    また良質な児童文学ばかりを出版している
    岩波少年文庫のものだったので、読んでみた。

    物語はヒトラー政権下のドイツで
    ユダヤ人少年フリードリヒの悲劇を
    友達であるドイツ少年の目から描かれた作品。

    感想は、これが児童文学書かと思うほど
    苦しく、悲しい内容で読んでいて
    投げ出したくなるほどだった。

    この本にはさまざまな問題が提起されたいる。
    時代が、国が、一定の方向に進み始めたとき
    人はどう対応すればいいのだろうか?
    でも、その方向に反対したら
    投獄されたり、家族が処罰されるのなら
    どうすればいいのだろうか?
    自分の良心はどこにいけばいいのだろうか?
    正義とはなにか?

    訳者のあとがきに、この作品は恐らく
    筆者であるリヒター自身の体験に基づいて書かれたことであろうと
    いうことを読んで、いっそうこの物語の内容の重さが
    伝わってきた作品だった。

    この作品は三部作の一作目らしい。
    苦しいけど、恐らくあと2冊も近いうちに読むだろう。
    苦しいけど、読まずにはいられない名作である。

  • 他人に対してこんなにも残酷になれるのかと驚愕。世論を鵜呑みにしてしまう人たちが怖い

  • 人は流されて、こんな行動をとる可能性が有る。娘にも知ってもらいたい。

  • 1度は読んでおかなければ、読みたい、と思いながら、読んだのがこんなに遅くなってしまった。1933-1945のナチス・ドイツのユダヤ人迫害の時期に生きたフリードリヒ一家とぼくの家族の物語。ある日、仲の良いかけがえのない友達がユダヤ人というだけでひどい差別や暴力を受けたら・・・。しかし彼らを手助けすることで、自分や自分の家族も危険にさらされるとしたら・・・。差別とは、人間の暴力性とは、家族を守るには、などあらゆる問いがなげかけられる1冊。続編の『ぼくたちもそこにいた』も
    ぜひ読みたいと思う。これほどのひどい出来事が、それほど昔でない65~77年前に起こっていたということにもあらためて驚く。

  • 図書館の本

    内容(「MARC」データベースより)
    ヒトラー政権下のドイツ。人々はしだいに反ユダヤの嵐にまきこまれてゆく…。その時代に生き、そして命をおとしたひとりのユダヤ人少年フリードリヒの悲劇の日々を、ドイツ少年の目から描く。

    とても冷静な目で見て書かれているドキュメンタリーに即した物語だと思う。
    ドイツ人の男の子とユダヤ人の男の子の友情と家族、そして吹き荒れるユダヤ人迫害の運気。
    どちらにもよりすぎず、そしてきっちりユダヤ教の習慣まで書いてあってとてもいい物語でした。
    3部作の1部目。とても悲しい最後でした。
    この状況下でいけないことはいけないこと、と良心に従い発言し行動する勇気はたぶん私にはないと思う。
    出来るなら、良心に従い抵抗できる強さと勇気のある人間になれたらいいなと改めて思った。

    Damals War es Friedrich by Hans Peter Rocjter

  • 中学校の国語の教科書に一部「ベンチ」のシーンのみ載っていたので、
    全て読んでみたいと思い読んでみた作品。

    フリードリヒ少年が日本でもどこでもいそうな普通の子だからこそ、ラストには涙しました。
    こんな普通の子があの時代理不尽な戦争、思想のよって多く犠牲になったのかと思うとたまらなく悲しい。

    岩波少年文庫なので字は大きいし読みやすくなっている。
    同じユダヤ人迫害の作品・アンネの日記よりはより理解しやすく、親しみやすい作品かもしれない。
    多くの若い世代に読んで欲しいな、と思った作品。

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