- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003320211
感想・レビュー・書評
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心に響く言葉あります。
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ぼんやりと感じていた道徳が、明確になってよかった。
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これからの国際社会を生きていく上で、中国・朝鮮半島と日本の共通の古典である論語を読むことをお勧めしたい。教科書に断片的に出ている文章を読むだけでは、この書の本当の良さが少しもわからない。古臭い道徳を語っているのではなく、人間が生きていくうえでごく当たり前のことを語っているように思える。儒教は上下関係に厳しい面もあるが、「後生畏るべし」という言葉には意外な思いがしたものである。
(数学科 ペンネーム「鮒一鉢二鉢」先生おすすめ) -
訳の表現が分かりやすい。
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奥が深く、何度読んでも新しい学びがあるので凄い
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難しい哲理が書いてあると思ったが、平易な言葉で、人の取るべき行動や姿勢が語られていて、あっけないほど。
日本語翻訳がなければ、100ページにも満たない文章。
後世に非常な影響を与えた儒教のおおもとが、これだけとはね。
ちょっと信じがたいほどです。 -
仁・義・礼・智・信を教義に掲げた儒教の開祖孔子の教えを、孔子の死後弟子達がまとめた本。
孔子と弟子の問答を主としており、複数人から書かれたものであるが、孔子の人物像がひとつに浮かび上がる。
儒教は仁義を尽くし、よく勉強し、驕ることなく生きなさいという教え。
外から見ると利己的思想への批判、清貧の尊さが主軸にあるようにみえるが、『論語』を通すと孔子が実行を重要視していたことが明らかとなる。
根底にあるのは強い自責・自戒への意識。
「自分を認めてくれる人がいないことを気にかけず、認められるだけのことをしようと務めることだ」という言葉が度々に登場する。
歳上から心配されず、友人から信頼され、歳下からは慕われる人物像こそが仁のある人だとし、そこを目指して繰り返し自己を省みる。
「背中で示しなさい、ともすれば人は付いてくる」というスタンスが基調。
中盤で朝廷での孔子の姿が描かれているが、弟子は口を揃えて「主に礼を尽くしているが、反面して雰囲気は穏やかだ」と礼讃する。
これは自らの思想と自己(言動)が一致した人間が纏える雰囲気なのだろう。
また書物による勉学も重要視した。
「過ぎたるは及ばざるが如し」の言葉にあるように「中庸」であることが大事だとし、実行における「中庸」を見極めるためには勉学が必要と説く。
勇敢でも智が無いものは、乱暴になるといったように。
『論語』を通して映る孔子像がこんなにも明確なのは、弟子達のあらゆる角度からの問に対し、言葉を濁さずキッパリと応える姿にあるように感じる。
有名な「四十にして惑わず」という言葉から見えるように、この頃にどのような問いにも、自らの信念から回答できる確信を得たのだろうと思われる。
逆に「四十になっても憎まれるのでは、まあおしまいだろうね」という厳しい言葉も残している。
しかし、たまに挟むこの様な厳しい言葉にも、弟子、人民への仁愛が滲み出ていて、憎まれることなく広く慕われていただろうことが容易に想像できる。
中高の漢文でほんの一部触れたことがなかったけども、全体を通すことでそのフレーズの意味合いも変わって見えるのが面白かった。
現代語訳だけならばサラサラと読めるし、オススメの本です。 -
『古代中国大古典四書の1つ』
▶︎要約
孔子と弟子のやり取りが描かれている。
弟子の問いに対し、孔子が答えるという流れだが、
その答えがとにかく奥が深い。
人としてどうあるべきか、生きる上でどうするべきか、
1つの答えがこの本には詰まっている。
▶︎ポイント
・仁=他人を思いやる心
・礼=仁を行動に移つこと
・義=人としての道を貫く
・智=経験や知識
▶︎学び
・表面的である人は威厳がない
・間違ってしまったときは正直に反省
・人が自分を知ってくれないことを気にかけず、
人を知らないことを気にかけること
・知っているというのは好むにかなわない。好むというのは楽しむにかなわない
・人に教えるには相手の能力を考えなければならない
・読書と実践と誠実と信義
・良い友は正直、誠実、物知りな人。
悪い友は体裁ぶった人、上辺だけの人、口だけの人
・君子に対して、まだ言うべきでないのに言ったり、言うべきなのに隠したり、顔つきを見ないで話すのは過ち
・怒りは後から面倒、疑わしいことは問う、利得を前にしたとき道義を思う、聞くときには細かく聞く、見るときにははっきり見る -
古代中国の大古典「四書」のひとつで、孔子とその弟子だちの言行を集録したものになります。
原文、読み下し文、訳文で記載された構成になっており、読みやすいです。
原文を読みたい方には最適だと思います。
私は訳文のみを読みました。
論語は体系的にまとめられたものだと思っていましたが、孔子やその弟子の言行をメモして集めたもので内容がバラバラに集められているのには少し驚きました。
でも、紀元前の話ですから、それが伝聞されているだけも素晴らしいことですね。
孔子が弟子を批判したり、褒めたりしている内容も多く、人間らしさが感じられたのも新鮮でした。
論語といえば、
子曰く 「吾れ十有五にして学を志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳従う。七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。」
しか知りませんでした。
今回、読んでみて有用な言葉を他にも見つけることができました。
やはり、長く読まれているものは有用です。
みなさんも自分なりの良い言葉を見つけられると思います。
ただ、個人的にはピンとこないというか、どうでも良さそうなものも集録されているので、玉石混合的なのは、面白さでもあり、短所でもあるかなと。。。
なので、評価的には平均にしました。 -
”これまでの人生で何度も耳にした「論語」という書名。これほど有名なのに、生まれて四十年以上も読もうとすらしなかったのは何故だろう…。今回、人間塾の仲間との学びがきっかけとなり、ようやく目を通すことができた。
春秋時代の中国で「仁」を目指して孔子が実践してきた「人としての生き方」に、2,500年後の日本に住む自分が影響を受けている。時空を越えた「つながり」を感じて、また一層ありがたさが増す。
<実践しよう>
※昨日参加できなかった人間塾の課題テーマ1「私たちが幸せに生きる為に日頃から暗記しておきたい句を3つ。順位をつけて選出し、その理由を!」をやってみよう。で、暗記、暗唱すること。
★「子の曰わく、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」(p.117-118)
#知好楽。いまやっていることを楽しめ、本気になれ。そんな風に取り組んでいる人には、誰も太刀打ちできないのだから。
★「子は温にして?(はげ)し。威にして猛ならず。恭々しくして安し」(p.150)
(先生はおだやかでいてきびしく、おごそかであってしかも烈しくはなく、恭謙でいてしかも安らかであられる。)
#対極にある要素をあわせ持つことで、飛び抜けた特長になるのかも。Hart-warming だけでなく Hard&Cool にも。
★「子路、政を問う。子の曰わく、これに先んじ、これを労す。益を請う。曰わく、倦むことなかれ。」(p,247)
(…「率先すること、ねぎらうことだ。」 いま少しとお願いすると、「怠ることのないように。」と言われた)
#率先、労い、怠らず。特に後ろ2つができていないため、意識すべし。
番外:
★「葉公、政を問う。子の曰わく、近き者説(よろこ)び遠き者来たる。」(p.259)
(…近くの人々は悦び、遠くの人々は[それを聞いて慕って]やってくるように)
#自身の関わるチーム、コミュニティでそんな運営をしたいから。
★「子の曰わく、吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順がう。七十にして心の欲する所に従って、矩を踰(こ)えず。(p.35)
#定番の句。各世代と語りあうために。自身の成長を測るために。
<読書メモ>
・有子がいった、「礼のはたらきとしては調和が貴いのである。(略)小事も大事もそれ(調和)に依りながらうまくいかないこともある。調和を知って調和していても、礼でそこに折りめをつけるのでなければ、やはりうまくいかないものだ。」
*礼…冠・婚・葬・祭その他の儀式のさだめ。社会的な身分に応じた差別をするとともに、それによって社会的な調和をめざすのである。(p.29)
#へー。あえて「差別」することで「調和」を目指すとな。
★「子の曰わく、吾れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順がう。七十にして心の欲する所に従って、矩を踰(こ)えず。(p.35)
#有名な句。暗記しましょ。
★「子貢、君子を問う。子の曰わく、先ず其の言を行い、而して後にこれに従う。」(p.41)
(まずその言おうとすることを実行してから、あとでものをうことだ)
#はい。心して。口だけの人、やるやる詐欺は卒業を。
・「…曾子の曰わく、夫子の道は忠恕のみ。」
(曾子はいった、「先生の道は忠恕のまごころだけです。」(p.78)
★「子の曰わく、君子は言に訥にして、行に敏ならんと欲す。」(p.81)
・「子路が曰く、願わくは子の志しを聞かん。子の曰わく、老者はこれを安んじ、朋友はこれを信じ、少者はこれを懐けん。」(p.102)
#論語物語でのエピソード。
★「冉求が曰わく、子の道を説ばざるには非ず、力足らざればなり。子の曰わく、力足らざる者は中道にして廃す。今女は画れり。」(p.113)
#「とことん苦しめ。倒れるまでやってみろ。やる前から諦めるな」は、厳しいものであると同時に、本物の優しさが秘められているようにも感じます。
★「子の曰わく、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。」(p.117-118)
#楽しいこと、好きなことを探すのではなく、「今ここ」で携わっている対象を、好きになり、楽しみを見出す(=一体となって打ち込んで湧き上がってくる楽しみを感じる)。知好楽。先日ある方の言動を受けて、そういう姿勢の大切さを肌で感じた。
・「子の曰わく、仁遠からんや。我れ仁を欲すれば、ここに仁至る。」(p.145)
★「子は温にして?(はげ)し。威にして猛ならず。恭々しくして安し」(p.150)
(先生はおだやかでいてきびしく、おごそかであってしかも烈しくはなく、恭謙でいてしかも安らかであられる。)
#対極にある要素をあわせ持つことで、飛び抜けた特長になるのかも。
・「曾子の曰わく、士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。仁以て己が任と為す。亦た、重からずや。死して後已む、亦た遠からずや。」(p.156)
(士人はおおらかで強くなければならない。任務は重くて道は遠い。仁をおのれの任務とする、なんと重いじゃないか。死ぬまでやめない、なんと遠いじゃないか)
#おおらかで強く!
・「子の曰わく、吾れ未だ徳を好むこと色を好むが如くする者を見ざるなり」(p.177)
#ちょっと異質なので目にとまった。読んだ通りの意味なのか(笑)。
・「…説(よろこ)びて繹(たず)ねず、従いて改めずんば、吾れこれを如何ともする末(な)きのみ。」
(喜ぶだけでたずねず、従うだけで改めないのでは、わたしにはどうしようもないものだよ。)(p.180)
#あたたたた…
・君子の徳は風ですし、小人の徳は草です。草は風にあたれば必ずなびきます。(p.239)
#おー!
★子路、政を問う。子の曰わく、これに先んじ、これを労す。益を請う。曰わく、倦むことなかれ。(p,247)
(…「率先すること、ねぎらうことだ。」 いま少しとお願いすると、「怠ることのないように。」と言われた)
#率先、労い、怠らず。
★「葉公、政を問う。子の曰わく、近き者説(よろこ)び遠き者来たる。」(p.259)
(…近くの人々は悦び、遠くの人々は[それを聞いて慕って]やってくるように)
#政治家や経営者にかぎらず、チームやコミュニティ(含む 家族)の運営にあたっても意識したい教え
・(子路が主君に仕えることをおたずねした。先生はいわれた、「欺いてはいけない。そしてさからってでも諫めよ」)(p.286)
★(先生がいわれた。「何もしないでうまく治められた人はまあ舜だろうね。一体、何をされただろうか。おん身をつつしまれてま南を向いておられただけだ。(p.306)
#この「ま南を向く」が難しい。
・(先生がいわれた。「大勢が憎むときも必ず調べてみるし、大勢が好むときも必ず調べてみる。[盲従はしない]」(p.317)
#かくありたい!
★孔子の曰わく、生まれながらにしてこれを知る者は上なり。学びてこれを知る者は次ぎなり。困(くるし)みてこれを学ぶは又た其の次ぎなり。困みて学ばざる、民斯れを下と為す。
(孔子がいわれた。「生まれついてのもの知りは一番上だ。学んで知るのはその次ぎだ。ゆきづまって学ぶ人はまたその次ぎだ。ゆきづまっても学ぼうとしないのは、人民でも最も下等だ。」)(p.334)
・(子張が仁のことを孔子におたずねした。孔子はいわれた、「五つのことを世界中に行うことができたら、仁といえるね。」」(略)「恭(うやうや)しいことと寛(おおらか)なことと信(まこと)のあることと機敏なことと恵み深いこととだ。(後略)」) (p.346)
★子夏が曰わく、博(ひろ)く学びて篤く志し、切に問いて近く思う、仁其の中(うち)に在り。(p.380)
(…広く学んで志望を固くし、迫った質問をして身近に考えるなら、仁の徳はそこにおのずから育つものだ)
★孔子がいわれた。「天命がわからないようでは君子とはいえない。[心が落ちつかないで、利害に動かされる。]礼が分からないようでは安定してやっていけない。[動作がでたらめになる。]ことばが分からないようでは人を知ることができない。[うかうかとだまされる]」
#命、礼、言。
<きっかけ>
人間塾 2013年4月の課題図書。前月の『論語物語』から引き続き孔子の教えを学ぶ。”