読書について 他二篇 (岩波文庫 青 632-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363225

感想・レビュー・書評

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  • この本を読んでから読書習慣が変わった。
    この本を読む前は、多くの本を読むことが大事だと思っていた。
    なぜならば、本には作者の視点が書いてあり、読むことで自分の視点を増やせると考えていたから。
    視点を増やすことで、物事をさまざまな角度から見ることができる。
    そして考えが深くなると思っていた。

    しかし、この本はそれは違うと言っている。
    精読せよと言っている。
    しかも世界的な名著のみを読めと。

    思えばたしかに自分は読書は好きだが、娯楽の読書しかしてなかった。
    娯楽の読書とは要するに何も考えない読書だった。
    1冊読んではなるほどと納得し、とりあえず書いてある内容を実践してみるが、それはただの他人のやり方であり、ただ他人が轢いたレールの上を走ってるにすぎない。
    だから自分は視点は多いが、自分の考えは持ち合わせてない人間だったと深く反省した。

    読書とはまず行動し、行き詰まった時に初めて行うことであると、この本から学んだ。
    まずは自分で物事を考えてから、行き詰まった時に読書をしてみようと思う。

    古典を読めというのは、おそらく真理が書いてあるからだと思う。
    現代の本は、昔の考えから派生して書かれた本であり、根本原理が書いてあるわけではない。
    なぜこのような考えに至ったのか?と考えた時、古典読むことは必然的だと思う。

  • 読書好きなら読むべき。

    ・多読だけでは駄目
    ・自分で考え、体験しなさい
    ・古典の名作を読みなさい
    ・匿名の記事は卑怯である
    ・原典を読むべき

    このような主張と読み取れました。
    ほぼ納得です。

    多読は駄目と言っても、下らない本を読むなということで、現代人はもっと名著を読むべきでしょうね。

    そして、本を読むだけでなく、考えたり、実践することが大事なのでしょう。

    良書を沢山読んで、教養がある人しかこの本の意図は理解出来ない気がします。

    小説が多くなってきたので、良い戒めになりました。

    本を沢山読む人にオススメです。

  • 本書は間違いなく名著です。
    今後、未来永劫淘汰されることはないでしょう。
    本を読むことが好きな人はぜひ読むべきです。


    本書から僕が得たことは大きく分けて2つあります。
    1、読書から得た内容を、自分で反芻して熟慮しなくてはならない。
    2、良書を読むためには悪書を読んではいけない。その代わりに良書を繰り返して読むこと。


    1について
    読書とは他人の思考過程をなぞることでしかなく、その際自分の頭は動いていない。
    本当に本の内容を身につけようと思ったら、本を読みながら、もしくは読んだ後にその内容を自分でさらに考えてなくてはならない。
    その関係はまさに食べ物の栄養を体内に吸収しようとしたら、ただ食べるだけではなく、さらに消化しなくてはいけないのと同じである。(食べる=読む、消化=考える)
    本を読んだけれどもあまり頭に残っていないという人は、この熟慮が欠けているのではないか。
    自分もこれから気をつけたい。

    2について
    本書で「良書を読むための条件は、悪書を読まないことである。人生は短く、時間と力には限りがあるからである。」と書かれている。
    これはまさに真理である。
    世の中に出回っている本の大半はこの悪書に分類すると思われる。
    そうした悪書にいかに手を出さずに、時の試練に耐えた良書を読めるか、これが重要となってくる。



    これからの読書人生において、とても示唆に富む本でした。
    薄い本でしたが、内容はぎゅうぎゅうに詰まっています。
    これからもたびたび読み返したい本です。

  • 理解するのが難しい箇所がたくさんあったのでだいぶ読み飛ばしました
    ・読むなら古典
    ・自分で考えろ!

  • 以前は同じ本を何度も何度も読むような読書スタイルだったのに、近年、Kindleで読むようになってから多読になってきているので、何も考えずに読みまくることが次第に自分の思考力を奪うという指摘がグサっと刺さった。

    なんとなく、気付いていた。私は昨年200冊以上読んだが、そこまで身になっていない気がしていたし、娘は小学生になる前から多読家で1度読んだ本のほとんどは2度と読まないのだが、思考力に乏しい。一方、夫は年間2〜3冊しか読まないが、驚くほど内容をよく覚えているし深く考えている。

    思い返せば私も若い頃は、1冊読んだらその時間の3倍くらいはその本の内容について考えていた。映画を観てもドラマを観ても同様で、読み終わってから、観終わってからの考える時間が楽しみだった。同じ本を何度も読んでも、その度に考えていた。だから、読んだ本の数は本当に少なかったけど、国語の成績はずっと良かったし、思考力もあったように思う。

    大人になりいつも時間に追われている中で、自分でも気づかぬうちに、考える時間が全然なくなっていて、本は読みっぱなしで数だけが増えていくようになっていたのだということに、今さら気付いた。

    出産後、年々思考できない、意見も言えない酷い状況になっていき、このままじゃダメだ!とにかく本を読もう!と思って読んできたが、多読では思考力を取り戻せないのかもしれないと薄々気付いて今年からブクログを始めてみた。感想を書くことで少しは考える時間を取り戻せている気がするので、今後はもっと丁寧に読書して、考える時間を取っていけたらいいなぁと思う。

  • ショウペンハウエルの箴言警句は考えさせられる事が多い気がします。

  • 『古典に触れる岩波文庫10冊』の1冊目
    思想、著作と文体 読書のなかで特に「思想」が印象深かった。今年の目標が多読して知識を増やすだったのに、多読しても知識にならないから無駄ときっぱり書かれてしまった。
    昔のドイツの人の本なのに、まるで現在の日本を悲観しているようで驚いた。報酬と金のために書かれた本、匿名で責任を持たない批判、言葉を短くし曖昧で意味のない造語、昔の古典は素晴らしいのにみんな新書ばかりとかは、今も昔も嘆かれているようで。
    本を選ぶと時、読書するときの心構え的なものとして読んで損はないと思います。

  • メモ
    読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。p127

    ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失っていく。
    読まれたものは精神の中に、真に跡をとどめないのである。熟慮を重ねることによってのみ、読まれたものは、真に読者のものとなる。それとは逆に、絶えず読むだけで、読んだことを後でさらに考えてみなければ、精神の中に根をおろすこともなく、多くは失われてしまう。p128

    読書に目的意識をもつ。読み捨てにしない。自分の中で咀嚼し、知恵を生み出すこと。アウトプットして理解したこと得た知識を血肉化する。

  • 本を読む事についての考えが変わった
    文がむずしく読むのが難解だったので読み飛ばしていた悪書を読まず良書を読むことの大切さがわかる一冊だった。もっと成長してから再チャレンジしたい。本屋に行ったら古典の作品が少なく驚いた。この本に出会って本当によかった。変な新書には騙されないようにしたい。時間は有限

  • 読書法ではなく、読書および本そのもののあり方について論説されています。哲学的に難しい内容はなく、価値のない読書や書籍を痛快に批判しています。特に冒頭の「思索」の章が面白かったですです。智慧を磨くのは読書ではなく、それらをインプットとした思索である、という話は改めて自戒になりました。

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