ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363928

感想・レビュー・書評

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  • 型にはまれぬ事を恐れず生来の情熱や欲望を持ってもっと激しく生きられないのか

  • とりあえずプラトン、アリストテレスくらいからルソー、カントくらいまでを概説でも良いので読むと、非常に面白く読めるのではないでしょうか

  • 永劫回帰の思想は下巻からでてくる

  • 読んどいた方が良いと思う。影響は良い方向に生かされるべきだ。

  • 死体を引きずるな

  • 岩波文庫の「ツァラトウストラ」(Also sprach Zarathustra)

    他の訳書における学術的な訳に対して非常に簡単な言葉での訳が心がけられており、とくに「注」もない、というのが、この版での大きな特徴であろう。

  • 痛烈な社会、人物批判が箴言として書かれている。
    なんだか生きにくい世の中だ!と感じる者にとっては胸がすく思い。

    ただ、天に唾すれば…おのずと自分自身にも降りかかるもので、私は「悲壮な者」でしかなかった。
    「精神の苦行僧」醜い獲物しか得られず、ボロボロになった者。
    わたしは、笑いを学んでおらず、美を学んでいなかった。

    いつか腹の底から笑いたい。

  •  ニーチェの作品の中で唯一読んだものだ。哲学書というより詩のような神話のようだ。それがこの作品を難解にもさせるし、強いインパクトを与えもする。ツァラトストラは明らかに聖書を意識している。

     「神は死んだ」の台詞は有名だが、これは言われるまでもなく当たり前なことで、誰もが知ってることではないかと思う。日常での理不尽さ、戦争及び災害、飢餓、暴力を振るう側と振るわれる側、支配する者と支配される者、このような世界のどこに神がいると言えるだろう。

     遠藤周作の「沈黙」で、島原で迫害を受けるキリシタンの農民の一人が宣教師にこう言っている。「あなたの教える神がいるというなら、どうしてこの悲劇の中に現れないのか」と

     遠藤周作はこれを「沈黙」としているが、「死んでいる」としても同じだろう。何もせず沈黙を続けているだけならば、それは存在意義を失っているから。このことは神だけでなく人間も同じで、沈黙せず存在意義を持ち続けなければならないのだろう。そして、ニーチェはこれを「超人」としたのではないのだろうか?

     しかし、私はこれに異議をとなえたい。もし自分が超人でありさえすればいいなら、世界の理不尽な主客の関係の中での支配者が、「超人の中の超人」になるだけだからだ。それは今の現実と何も変わらないだろう。

     神が死んだことを理解しながら、世界の理不尽さの中では、神ではなく人間が「沈黙しなければならない」のだ。実存主義者のように言えば、世界に生を受け、その存在意義は別として存在そのものは受け入れなければならない現実がこの世界の全てなのだろう。その意味では、三島の「金閣寺」の描写は的を得ている。この小説は、絶対的な美であり憧れの存在だった金閣寺に主人公が放火して終わる。最後の描写こうだ。『一ト仕事を終えて一服している人がよくそう思うように、生きようと私は思った。』

     よく「沈黙は金なり」というが、「沈黙は金より重い」と言いたい。絶対的な美も信じる神もなく、人はそれに沈黙し受け入れ、生きるしかないからだ。

  • 彼は私みたいな奴に対して攻撃しているんだな。と思いながら読んでいた。私が善い事だと思うのは、やはり宗教や儒教、親や学校や社会が「善い」と判断されていることから殆ど外れない。
    そしてツァラトゥストラに全て否定されてしまう。
    自分を扱き下ろすわけではないが私は「市場の蠅」であり「賤民」だ。「おしまいの人間」でいいし、あらかじめ定められた正義の上に座っていれば、差し障りないと思っている。しかし、それだけでは安泰には暮らせない。「善い行い」「善い行動」と言うのはバラバラに例えば国レベル、一般社会レベル、会社方針レベル、友達レベル、家族レベルなど数えきれない「善」がありそれに翻弄される。オロオロし右往左往する。そして私はそういって「弱者」になるのである。私は「守られるべきだ」と言い、「平等であるべきだ」と復讐の炎が絶える事はない。
    ツァラトゥストラは「救済」のところで過去への復讐を断ち切る方法を示した。悪いが私にはそれが飲み込めない。
    「私がそれを欲した」と強引に飲み込むのは過去ではなく、現在でありたい「私がそれを欲する」と。

  • おすすめ度:45点

    読むことそのものが苦痛であった。単なるつぶやき、独り言にした聞こえない。
    聖書を知らないから、理解できなかったのかもしれない。
    訳注釈が皆無な点は良かった。訳注釈があったら、さらに読む苦痛が増したに違いない。

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著者プロフィール

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)
1844年10月15日 - 1900年8月25日
ドイツの哲学者、古典文献学者。近代がはらむ問題を一新に受け止め、古代以来の哲学との対決に挑み、実存主義の先駆者、生の哲学の哲学者として知られる。その思想は20世紀に続く様々な思想に衝撃と影響を与えた。
代表作に『悲劇の誕生』『道徳の系譜』『ツァラトゥストラはこう言った』『善悪の彼岸』など。

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