ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363928

作品紹介・あらすじ

晩年のニーチェ(1844‐1900)がその根本思想を体系的に展開した第一歩というべき著作。有名な「神は死んだ」という言葉で表わされたニヒリズムの確認からはじめて、さらにニーチェは神による価値づけ・目的づけを剥ぎとられた在るがままの人間存在はその意味を何によって見出すべきかと問い、それに答えようとする。

感想・レビュー・書評

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  • 超訳ニーチェシリーズを読んでからのツァラトゥストラ。
    少しは理解できるかな?と思って読んでみたけど、私の理解力では追いつけなかった(笑)
    他の方々の感想を見ていて、本文を理解し、楽しんでおられる方が羨ましく、
    私もそこのレベルまでいつかいきたいなと思った(笑)
    言葉の意味を理解するのにも時間がかかり、
    何度も読み返して咀嚼していかないといけない本だなと思った。
    噛めば噛むほど味わえる、スルメみたいな本だなと思った。
    私も超訳とかではなく、そのままのこの文章を自分の中に落とし込んでいって、
    自分なりの解釈を考えることを楽しめるように、
    ツァラトゥストラと対話できるようになりたいな。
    「今のレベルでは私はこう思った」という感想も大事にしたい。
    また再びこの本を挑戦するときまでに、たくさんの本を読み、
    成長した自分がまた読んでどう思うのか?ということも楽しみだなと思った。

  • アバタロー氏
    1885年出版

    《フリードリヒニーチェ》
    1844年生まれ ドイツ哲学者
    牧師の息子、天才少年、20代でバーゼル大学の教授
    1864年ボン大学、神学の勉強と信仰をやめて母親と大喧嘩
    本著4部構成を4冊売れない
    1889年45才倒れる
    本が売れはじめる
    55才死亡

    《感想》
    神が前提の世界と絶対的真理がなくなった世界の、非常に大事な局面の本だと思う
    世間は簡単には認めなかったでしょう
    難しいので歴史背景も調べてみたい

    《内容》
    ツァラトゥストラが10年山籠もり後下山し、知恵を分け与える物語

    ・この世の中は絶対的な真理や価値はない
    神を前提と成り立っていた世界が崩れた
    人間は自分たちの手で「神はいない」と証明してしまった
    信じるものを失い何のために生きるかその意義を見出せなくなる状態をニヒリズムという
    末人でなく超人のイメージになろう
    超人たるは幼子のような精神をその身に宿すものなのだ

    末人→希望もなくただ惰性的に生きる事
    超人のイメージ→不屈の精神力、力強い意志を持ち、自らの人生を肯定しながらより高みへ向かおうとする存在
    幼子→精神は三段階でらくだ、しし、幼子だ
    幼子は自由気ままに遊ぶ精神

    〇永遠回帰 重要
    永遠回帰とは同じことが無限に繰り返される仮説のことを指す
    それが事実か事実でないか重要でない、輪廻思想とは違う
    前向きに歩んでいくための思考法
    ではいったいどうやって回帰思想を受け入れることができるようになるのか?
    それは条件でニヒリズムを克服すること
    不安恐怖失望を自らかみ殺し肯定的にとらえ直せば、永遠の肯定ループが生まれる
    この回帰思想を「およそ到達しうる限りの最高の定式」

    〇運命愛とは、自分の運命をすべて受け入れ肯定し、愛する心の態度のこと
    生きているうちにたった一度でも喜びを味わったのならその人生は生きるに値する

  • 独特の語り口で難解な論を展開していく本。読んで疲れた。途中から癖になるが、また疲れて、を繰り返していた。

    真理への追究、「神は死んだ」後の我々の生きる道に対するニーチェの考えは示されているのだと感じた。自らがいかに高みに向かうか、が問われる。

    なお、女性に対する考えは現代には合わないのだろうなと思う。

  • ニーチェの断定口調がクセになる。好き。
    哲学書と思うとテンポが良くて読みやすい。ほぼ小説。

  • 正直難しい。
    自分に当てはめて捉えると、今の自分がニヒリズムにあり、末人であり、超人を目指すべきということかな?
    具体的に何を伝えたいのか…今の私には難解だった。

  • 自ら善悪を判断(創造)し、苦しいことは幸福として受け取り、それを自ら超克せよ。→これが上巻を超要約した感じはこんなんかなーー。

    ・今我々が立っている大地に目を向けろ(「神は死んだ」)

    ・自分自身を喜ばせることをしろ、そうすれば人を悲しませたりすることはなくなる

    ・人間は平等でもなく、平等になるべきでもない→超人への愛があるから。最高の戦いをして、自己自信を超えて高みを目指さないといけない。意志がとても重要(真理への意志、力への意志)。

    ・善悪は自分自身で自分自身を繰り返し彫刻しなければならず、また善悪において創造者とならなければならない者は、まずは破壊者となってもろもろの価値を壊さなければならない。→最高の善意には、最高の悪意が必要になる。こうした最高の善意こそ創造的な善意

  • ニーチェの文体を初めて読んだ。詩的な文章になかなか翻弄されたが、中程まで読んだ頃には段々とそのリズムが心地よくなっていった。
    言っていることは正直よく分からないが、私の乏しいキリスト教の知識と当時の時代背景を考えながら、ニーチェの語る哲学に想いを馳せてみた。
    ユダヤ教の価値観が飽和して、惰性的に割礼の有無だけで信仰を判断するようになってしまった世の中でキリスト教が生まれた。ニーチェのツァラトゥストラは、その後のキリスト教の価値観が飽和した社会においてまた先祖返り的にゾロアスターの名を用いて、キリスト教の負の部分を払拭したいと考えたのではないか。などと考えながら読んだが、ニーチェ研究の書などもっと詳しく読んでみたいと思う。

    さて、頑張って下巻も読破しよう………

  • これは最後の解説を先に読むことをオススメする。訳者による名解説になっている。

  • 高校の倫理を一通り受けて、興味が出たニーチェの代表作ということで読み始めた。解釈が難しい文章で、一ヶ月かけて、ちまちま読んだが、全然頭に残っていない。所々高校の授業で出てきた思想が出てきて読みやすくなったものの、全体を通して何を言いたいのかさっぱり。。
    こういう書評は低レベルであることは心得ているが、これからこの本を読もうと思っている同志に向けて警鐘の意味を込めて書いた。
    ニーチェの入門書を読んでからまた読み直そうと思う。 

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著者プロフィール

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)
1844年10月15日 - 1900年8月25日
ドイツの哲学者、古典文献学者。近代がはらむ問題を一新に受け止め、古代以来の哲学との対決に挑み、実存主義の先駆者、生の哲学の哲学者として知られる。その思想は20世紀に続く様々な思想に衝撃と影響を与えた。
代表作に『悲劇の誕生』『道徳の系譜』『ツァラトゥストラはこう言った』『善悪の彼岸』など。

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