ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363928

感想・レビュー・書評

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  • 実に素晴らしい。元気の出る本だ。希望の持てる本だ。以前は文学作品としか思っていなかったが、文学作品とは毛色が違う、真の哲学書だ。

  • ニーチェの化身であるツァラトゥストラが自身の思想を語る口調で説く本だった。聖書の文体をあえて真似しているが、内容はキリスト教からの脱却が含まれていて皮肉的だった。最後の解説にもあった通り、テーマは永遠回帰と超人だ。超人とは価値創造を行うものであり、究極は善と悪を自分の中で定めることができる人物である。勇気を持って自分の心と対話し意志してこそであり、他人の軸で決められた宗教や社会通念的なものであったり、自然の中をただ見つめて決めるものではない。精神は身体の道具でしかないため、永遠であることはできない。

  • 3.57/2451
    『晩年のニーチェ(1844―1900)がその根本思想を体系的に展開した第一歩というべき著作.有名な「神は死んだ」という言葉で表わされたニヒリズムの確認からはじめて,さらにニーチェは,神による価値づけ・目的づけを剥ぎとられた在るがままの人間存在はその意味を何によって見出すべきかと問い,それに答えようとする.』(「岩波書店」サイトより▽)
    https://www.iwanami.co.jp/book/b246790.html

    原書名:『Also sprach Zarathustra』(英語版『Thus Spoke Zarathustra』)
    著者:フリードリヒ・ニーチェ (Friedrich Nietzsche)
    訳者:氷上 英廣
    出版社 ‏: ‎岩波書店
    文庫 ‏: ‎275ページ(上巻)

    メモ:
    松岡正剛の千夜千冊 1023夜

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  • そのうち読みたいと思ってた本にやっと手を出した!
    全てをしっかり理解しながら読んだわけではないんやけども、意外と文字は全部読んで読破。
    丸呑みできた感じかな?
    基本的に私も人間最後は自分ひとりという考えやから、共感できる箇所もあった。

  • 正直、上巻は読んでいて何を読まされているのか終始煙に巻かれたような印象。その煙の中からツァラトゥストラの思想を読み取るのはなかなか困難だった。アフォリズム集といえばそうだし、哲学書と言えばそうだし、これが一体何なのか問われれば答えられない。ただ、下巻を読むとこれは多少クリアになった。

    また、本書を読んでいる時とゴッホの絵を見てる時の感覚は近いように思う。
    ニーチェが第一部〜第3部を10日程度で書き切ったことと、ゴッホが晩年に驚異的なペースで絵を描いたことに共通した狂気的なものを感じるからかな?

  • 難しい

  • 上巻を読むのに2ヶ月かかってしまった。(前からわかっていたことだが、)このような本を理解するには、時間をかけて読んでは個々の印象が薄れてしまうから、寧ろ短時間に集中して読み、それを繰り返さなければならないと思った。…そういう訳であまり内容は理解できていないのだが、それでも少しでも理解してみたいと思わせてくれる本ではあった。何度でも読み返したい。詳しい感想は、(書けそうなら)下巻を読破してから。

  • ニーチェ 「 ツァラトゥストラ はこう言った 」上巻は キリスト教世界の価値観を批判し、超人という新しい価値観を創造。

    時間概念も少し入ってきて永遠回帰につながる感じ。面白い。岩波文庫なのに 注釈が なくても読める。比喩の意味に迷う時もあるが、何となく 意味は理解できる

    女性や戦争については 現代感覚とズレはある



    蛇=永遠回帰の知恵の象徴
    鷲=知恵を身につけた超人の象徴
    太陽=超人〜人間は他人の幸福を妬むが 太陽は妬みを克服

    「人間は克服されなければならない或物である」

    ツァラトゥストラ「人間は 動物から超人へ わたる一本の網」
    *この網は 超人へいたる希望の橋
    *そこそこの幸福、理性、道徳に自分を軽蔑すること
    *末人=軽蔑すべき おしまいの人間〜教養に満足している人間
    *ツァラトゥストラ=永遠回帰を教える人

    人間の精神の変化〜駱駝→獅子→幼な子
    *駱駝=高みを目指す修行者〜駱駝は楽→駱駝は自己を無にして他者の命令に従う
    *獅子=他人に従う自分を嫌がり、命令する竜(キリスト教の神)に飛びかかる→獅子の否定力は 自由を切り拓く
    *幼な子=創造には 幼な子のような 無垢の肯定力が必要→獅子が幼な子に変身して初めて 人は自分の意志を意志する

    人は戦いの備えがあって初めて 平和が可能になる

    永遠回帰=運命を味方にする
    *人間を過去の復讐心から解放するため
    *自分の不幸を他人のせいにしないため
    *いつか誰かが救ってくれる他人任せにならないため

    永遠回帰のステップ
    1.私はこれまでの人生を何度も繰り返し生きる(永遠回帰)と考える→この現実からの逃げ道は どこにもないことになる
    2.永遠回帰を 喜んで欲する→永遠回帰を消化し 超人になる

    永遠回帰=無神論的宗教
    *世界は同一の状態を永遠に反復している
    *世界は始まりも終わりもなく、目的も意味もない。ただ存在しているだけ

  • 物語形式のような感じだった

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著者プロフィール

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)
1844年10月15日 - 1900年8月25日
ドイツの哲学者、古典文献学者。近代がはらむ問題を一新に受け止め、古代以来の哲学との対決に挑み、実存主義の先駆者、生の哲学の哲学者として知られる。その思想は20世紀に続く様々な思想に衝撃と影響を与えた。
代表作に『悲劇の誕生』『道徳の系譜』『ツァラトゥストラはこう言った』『善悪の彼岸』など。

ニーチェの作品

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