ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003363928

感想・レビュー・書評

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  • 徳なんて糞くらえだ。善悪は過去の価値基準だ。
    もし徳というものがあるとするならば、それはその人個人のものであって誰とも共有すべきではない。
    ツァラトゥストラの神はペシミズムとは無縁だ!彼は喜びにあふれ踊ることのできる神だけを信じる。「さあ、この重力の魔を笑殺しようではないか!」

    隣人愛とは「要するにあなたの自分自身に対するうまくいかない愛」の言い訳にすぎない。彼は隣人愛よりはむしろ、自分からより遠く隔たったものへの愛を勧める。

    「子どもと結婚」の章はもっとも衝撃的だった。
    「あなたは子供を望むことが許されている人間であろうか?」
    人気の弱さから結婚を、子供を求めてはならない。
    人間は自己を克服し超人とならねばならない。そうして、自己を克服する者同士が、さらに自分たちを超える創造者を作ること、その意志こそ「結婚」と呼ぶべきものだ。
    これほどストイックな思想が他にあるだろうか?

  • 時代を感じるような、古くさくてお話にならないことが書かれているかと思えば、十分現代に通じる言葉もある。本の整理を終えたら、改めてじっくり読みたい。

  • アバタロー氏
    1885年出版

    《フリードリヒニーチェ》
    1844年生まれ ドイツ哲学者
    牧師の息子、天才少年、20代でバーゼル大学の教授
    1864年ボン大学、神学の勉強と信仰をやめて母親と大喧嘩
    本著4部構成を4冊売れない
    1889年45才倒れる
    本が売れはじめる
    55才死亡

    《感想》
    神が前提の世界と絶対的真理がなくなった世界の、非常に大事な局面の本だと思う
    世間は簡単には認めなかったでしょう
    難しいので歴史背景も調べてみたい

    《内容》
    ツァラトゥストラが10年山籠もり後下山し、知恵を分け与える物語

    ・この世の中は絶対的な真理や価値はない
    神を前提と成り立っていた世界が崩れた
    人間は自分たちの手で「神はいない」と証明してしまった
    信じるものを失い何のために生きるかその意義を見出せなくなる状態をニヒリズムという
    末人でなく超人のイメージになろう
    超人たるは幼子のような精神をその身に宿すものなのだ

    末人→希望もなくただ惰性的に生きる事
    超人のイメージ→不屈の精神力、力強い意志を持ち、自らの人生を肯定しながらより高みへ向かおうとする存在
    幼子→精神は三段階でらくだ、しし、幼子だ
    幼子は自由気ままに遊ぶ精神

    〇永遠回帰 重要
    永遠回帰とは同じことが無限に繰り返される仮説のことを指す
    それが事実か事実でないか重要でない、輪廻思想とは違う
    前向きに歩んでいくための思考法
    ではいったいどうやって回帰思想を受け入れることができるようになるのか?
    それは条件でニヒリズムを克服すること
    不安恐怖失望を自らかみ殺し肯定的にとらえ直せば、永遠の肯定ループが生まれる
    この回帰思想を「およそ到達しうる限りの最高の定式」

    〇運命愛とは、自分の運命をすべて受け入れ肯定し、愛する心の態度のこと
    生きているうちにたった一度でも喜びを味わったのならその人生は生きるに値する

  • ニーチェの断定口調がクセになる。好き。
    哲学書と思うとテンポが良くて読みやすい。ほぼ小説。

  • 正直難しい。
    自分に当てはめて捉えると、今の自分がニヒリズムにあり、末人であり、超人を目指すべきということかな?
    具体的に何を伝えたいのか…今の私には難解だった。

  • 実に素晴らしい。元気の出る本だ。希望の持てる本だ。以前は文学作品としか思っていなかったが、文学作品とは毛色が違う、真の哲学書だ。

  • ニーチェの化身であるツァラトゥストラが自身の思想を語る口調で説く本だった。聖書の文体をあえて真似しているが、内容はキリスト教からの脱却が含まれていて皮肉的だった。最後の解説にもあった通り、テーマは永遠回帰と超人だ。超人とは価値創造を行うものであり、究極は善と悪を自分の中で定めることができる人物である。勇気を持って自分の心と対話し意志してこそであり、他人の軸で決められた宗教や社会通念的なものであったり、自然の中をただ見つめて決めるものではない。精神は身体の道具でしかないため、永遠であることはできない。

  • 3.57/2451
    『晩年のニーチェ(1844―1900)がその根本思想を体系的に展開した第一歩というべき著作.有名な「神は死んだ」という言葉で表わされたニヒリズムの確認からはじめて,さらにニーチェは,神による価値づけ・目的づけを剥ぎとられた在るがままの人間存在はその意味を何によって見出すべきかと問い,それに答えようとする.』(「岩波書店」サイトより▽)
    https://www.iwanami.co.jp/book/b246790.html

    原書名:『Also sprach Zarathustra』(英語版『Thus Spoke Zarathustra』)
    著者:フリードリヒ・ニーチェ (Friedrich Nietzsche)
    訳者:氷上 英廣
    出版社 ‏: ‎岩波書店
    文庫 ‏: ‎275ページ(上巻)

    メモ:
    松岡正剛の千夜千冊 1023夜

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著者プロフィール

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche)
1844年10月15日 - 1900年8月25日
ドイツの哲学者、古典文献学者。近代がはらむ問題を一新に受け止め、古代以来の哲学との対決に挑み、実存主義の先駆者、生の哲学の哲学者として知られる。その思想は20世紀に続く様々な思想に衝撃と影響を与えた。
代表作に『悲劇の誕生』『道徳の系譜』『ツァラトゥストラはこう言った』『善悪の彼岸』など。

ニーチェの作品

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