花を旅する (岩波新書 新赤版 722)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004307228

作品紹介・あらすじ

桜、藤、あやめ、百合、蓮、萩、菊、紅葉、梅…「花」の魅力は奥深い。私たちの生活や文化にとけこみ、移り行く季節を感じさせ、時に強い思い出を刻む。一年十二カ月の「花」を一章ごとにとりあげ、花の名所への旅、そして文学、芸能、伝承にわけいり、時空を超えた花との出逢いから、花に託された日本人の心をさぐる。

感想・レビュー・書評

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  • 栗田さんの他の本を読んだことがあるが、哲学的というか思索的というか、読むのになかなか手強かった。しかし、この本は肩の力が抜けていて、とても読みやすい。もともとはラジオの話が元になっているからだろう。4月から3月まで、桜に始まってひと月ごとに一つ花が選ばれ、それにまつわる旅、文芸、伝承について語られる。お約束の話もあるが、とても興味深く滋味溢れる話であり、教養が高まる思いがした。でもまあ、私の歳になるとすぐ忘れてしまうことも多いのだが、とにかく楽しい読書であった。

  • 4月から3月まで花を一つずつテーマに定めて、日本人の古代からの心とあわせて、語っていく作品。

    花(木)は4月から、桜、藤、あやめ、百合、蓮、萩、菊、紅葉、松、梅、椿の11種。12月は「花祭り」と題して、「花」に対する著者の思いを綴っている。

    僕は花に詳しくないので、スマホ片手に、花の画像を見ながら読んだ。

    蓮のところで出てくる象鼻酒(葉に穴をあけ酒を注ぎ、長い茎の先から出てくるのを飲む)やってみたいと思った。

    花吹雪(桜)もずっとテレビの演出だと思っていたが、満開の後、ある時に一斉に散る様子なんだ、というのを初めて知った。

    梅のところでは、菅原道真が太宰府に流された話を、さだまさしの「飛梅」をYouTubeで流しながら読んだ。

    今の僕にはこれが精一杯。

    万葉集、源氏物語、枕草子、古今和歌集や漢文、短歌などなど古典の一節がふんだんに出てくるので、花が好きな人、育てている人や古典が好きな人は存分に楽しめると思います。

    最近、フォロワーになっていただいたgoya626さん、本棚には僕の知らない著者、作品がずらり。

    どれか一冊をと思い、身近にあるのにずっと通り過ぎてきた「花」のことを考えてみるのもいいかと、手に取りました。

    ありがとうございました。思った以上の精神世界が広がっていました。これからも本棚、参考にさせていただきます。

    再読するときには、今よりも多く受けとめられるといいなと思っています。

    • goya626さん
      栗田勇さんもこういう分かりやすい本をもっと書いてほしいですよ。哲学的な難しい本が多くて。
      栗田勇さんもこういう分かりやすい本をもっと書いてほしいですよ。哲学的な難しい本が多くて。
      2021/10/10
    • shukawabestさん
      コメントありがとうございます。僕にはこの本さえギリギリ感一杯なので、哲学となれば尚更です。野の花に触れる機会があればちょっとだけ足を止めても...
      コメントありがとうございます。僕にはこの本さえギリギリ感一杯なので、哲学となれば尚更です。野の花に触れる機会があればちょっとだけ足を止めてもいいかな、と感じています。
      2021/10/10
  • 2015年度後期の記録

    (1)どんな本か
     日本の風景を彩る季節の花を1年12か月で一章ごとにとりあげ、花の名所への旅や文学、芸能、伝承などについても書かれており、時空を超えた花との出逢いから、花に託された日本人の心をさぐっています。

    (2)特に注目するところ
     とことんまで咲ききって、ある時期が来たら一瞬にして、一瞬にして、一斉に思い切って散っていく。こうした生ききって身を捨てるという散り際のよさが、日本人にはこたえられないのではないでしょうか。「死に花を咲かす」ということばさえあります。(P.11)
     日本人は年中行事の生活の象徴として、和歌を中心とする生活文化として、あるいは神聖なものを懼れる心、男と女の奥深い愛を表現する手がかりとして、季節の花が重要なカギになっていることに、改めて驚きをおぼえます。(P.67)
     節季、自然の折り目節目を大事にしながら、自然の移り変わりと共に生きていくという気持ちが、日本人にはあります。いわゆる年中行事です。(P.155)
     ただ咲いているように見える花も、じっくり見るとそれぞれの花にそれぞれの魅力や歴史が詰まっており、とても奥深いものです。また、その季節にしか咲かない花もあるので、その時々に咲いているそのときかぎりの花を楽しみ、花の奥ゆかしさを味わうことをおすすめします。

    (3)感想、意見
     1年12か月それぞれ季節の花が存在し、それぞれの花に長い歴史が存在するということを知り、ただ咲いているだけに見えた花々におもしろさを感じました。この本を読んでいくと、『源氏物語』や『枕草子』など、古い時代の小説に関連した歴史を持つ花が多くあり、小説と照らし合わせながら花について知ることができます。日常生活の中でも季節の花にもっと目を向けてみようと思いました。

  • [ 内容 ]
    桜、藤、あやめ、百合、蓮、萩、菊、紅葉、梅…「花」の魅力は奥深い。
    私たちの生活や文化にとけこみ、移り行く季節を感じさせ、時に強い思い出を刻む。
    一年十二カ月の「花」を一章ごとにとりあげ、花の名所への旅、そして文学、芸能、伝承にわけいり、時空を超えた花との出逢いから、花に託された日本人の心をさぐる。

    [ 目次 ]
    四月 桜
    五月 藤
    六月 あやめ
    七月 百合
    八月 蓮
    九月 萩
    十月 菊
    十一月 紅葉
    十二月 花祭り
    一月 松
    二月 梅
    三月 椿

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    [ おすすめ度 ]

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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 一年十二ヶ月の花を旅する。
    和歌、詩歌を通じて日本の歴史、文化を形づくる草花に触れる。

    ・花を巡って心を遊ばせる
    ・旅先で出会う先人、西行、一遍、芭蕉と柳田国男
    ・「旅」とは新しい知識をふやすことではなく、自分を捨てつづけて裸の自分に近いてゆくという行為

  • 配置場所:摂枚新書
    請求記号:470||K
    資料ID:95010022

  • 早く読んだって、なんか感想がない

  • 購入するもちらと読んだだけ,読まねば

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