- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004314745
作品紹介・あらすじ
歴史上の人物の行動には、病気と医学が深く関わっている。病気持ちの大統領や独裁者、王たちは歴史をどう変えたか。ツタンカーメンやロマノフ家の家系の真実とは。最近の遺伝子鑑定や歴史医学研究、歴史記録の解読を通じて、その真相に迫る。二・二六事件や第二次大戦末期の反乱事件、医学の革新者たちの逸話も紹介。
感想・レビュー・書評
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歴史上の有名人にも
いろいろな身体の悩みがあった。
腰痛持ちのケネディ大統領
ヒトラーが隠したかったパーキンソン病。
あるいはまた
新しい治療や発見から見る歴史の分岐点…。
お医者さんの目線で歴史をみると
思ってもみないことがわかったりしますね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者は神経内科学を専門とする医師で、病院院長でもある。
本書は歴史的事件を医学的見地から見たときの、ちょっと興味深いエピソードをあれこれ挙げている。
第I部:二十世紀世界史の舞台裏
第II部:近代日本史の曲がり角
第III部:医学を変えた人々
第IV部:王と医師たち
第V部:いにしえの病を推理する
落ち着いた筆致で読みやすく、短い章立てなので切れ切れの読書にも向いている。
第I部で取り上げられているのは、ケネディ、レーガン、ヒトラー、スターリンといった人物。
第II部では、明治天皇、二・二六事件、三島由紀夫、昭和天皇のエピソード。
第III部では、パーキンソン、ナイチンゲール、パスツール、キュリー夫人など。
第IV部は、英国王室やフランス王室、ロシア皇帝一家。
第V部では、ツタンカーメン、倭建命、源頼朝、ジャンヌダルク、ハプスブルク王朝の病について。
個人的におもしろかったエピソードをいくつか挙げる。
・手の震えなどがあり、パーキンソン病を患っていたと思われるヒトラーは、あるとき、爆発の衝撃を受けた後、症状の軽快を示している。こういった大事件をきっかけにパーキンソン病患者の症状が軽快する現象は医学的にも知られているのだそうである。
・パーキンソンは、パーキンソン病だけでなく、恐竜の名付け親でもある。彼は化石の発掘にのめり込んでおり、恐竜に最初に「○○サウルス」とつけたのはパーキンソンだった。
・ヴィクトリア女王は英王室で初めて無痛分娩を経験した。小柄な女王はそれまでに7回の妊娠・出産を経ていたが、負担が大きく、側近の反対を押し切って、ついに8回目に無痛分娩に踏み切った。この際、使用されたのはクロロフォルムであり、麻酔を取り仕切ったのはジョン・スノウである。スノウは疫学の父とも呼ばれる医師である。(『医学探偵ジョン・スノウ』)
・ヴィクトリア女王の孫たちはヨーロッパ各国の君主となり、第一次大戦は従兄弟たちの戦争とも呼ばれた。ハプスブルグ家はスペイン国王や神聖ローマ帝国皇帝を輩出したが、近親婚を繰り返し、おそらく遺伝性疾患のために障害を持ったり早世したりする例が相次いだ。
*参考
・『病が語る日本史』
・『化石の分子生物学』-
面白そう!こういうトリビアっぽい話、実は結構好きです(^_^)
しかも医学的見地からなんて、興味をひきます!
読んでみます~面白そう!こういうトリビアっぽい話、実は結構好きです(^_^)
しかも医学的見地からなんて、興味をひきます!
読んでみます~2014/05/12 -
bokemaruさん
コメントありがとうございます(^^)。
比較的気軽に読めるので、よろしければ(^^)~。
おもしろい話があれ...bokemaruさん
コメントありがとうございます(^^)。
比較的気軽に読めるので、よろしければ(^^)~。
おもしろい話があれこれでした。2014/05/12
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文字通り、歴史上の人物などの病気について扱った一冊。
割と知られてる話もあったが、知らない話もあって、非常に勉強になった。 -
歴史上の有名人について残された記録から病気や怪我を読み解く歴史エッセイ。面白く読んだ。二作目が出ているのも納得。
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医学
歴史 -
図書館の書架で見かけて。
一つ一つの話が短めでそれほど掘り下げされていないし、
エジプト王家の近親婚や、
ハプスブルク家やヴィクトリア女王からの遺伝の話は知っていたので、
ちょっと本のタイトルが大げさすぎる気がした。
「世界史・日本史の医学こぼれ話」ぐらいが適当かな。
ナチス政権がユダヤ人虐殺に先立って、
精神障害、難治性テンカン、認知症老人、パーキンソン病の患者たちの安楽死を実行していたのは知らなかった。
そのヒトラーがパーキンソン病を疑われているのは皮肉だ。
イギリスの植民地軍がアメリカ先住民に、疫病患者の使った毛布を送るバイオテロの話や、
筆者の叔父が宮内庁次長だったことから書かれた昭和天皇の話が面白かった。 -
2が出てるので面白いはず、と借りてきましたが。
後書きからすると、どうやら最初の方は日本医事新報社の雑誌の(何かは書いてないけど『日本医事新報』しかないわな。でもいつのだ)連載だったらしい。
古今東西の歴史上の人物たちを襲った病気やら死因やらを推測してみたり紹介してみたりしている軽いコラム集。
……なんだろう物足りない?
ジョン・ハンターやらジョン・スノゥやら1冊ずつ濃いの読んじゃってるから、当たり障りのない奴はもううけつけないのか私(^_^;)
※追記
日本医事新報社HPの記事検索からすると、「歴史逍遥―医学の眼」というエッセイシリーズがNo.4495(2010年6月19日発行)から現在まであり、それをいくつか採用・順番を変えて収録しているようです。 -
星3.5
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世界史と日本史のどちらに入れるか迷った作品。
医学の観点から、有名人物の死因や晩年を描いたエッセイ集だが面白い。
ヤマトタケルがダニに噛まれたことによる熱病というのは興味深い。 -
歴史と人を医学の観点から切り取る.時間軸で見れば一瞬の医学的出来事が,将来を大きく返ることになる.まさに歴史のカオスを読ませる筆致で詳らかにする.まるでミステリィを読むが如くで,面白い.