鈴木さんにも分かるネットの未来 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004315513

感想・レビュー・書評

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  • KADOKAWA・DWANGOの代表取締役会長である川上量生氏がネットの未来について自身の所見を書いた一冊。

    ネットの世界やコンテンツとプラットフォームについて、コンテンツのオープンとクローズドの問題などネット業界に精通する氏ならではの視点での指摘が満載で読み応えのある一冊でした。

    ネットの世界についてのことが理解でき、また電子書籍やネットとテレビの関係の話やビットコインは非常に興味深いものでした。
    また氏の手がけるニコニコ動画の話なども面白かったです。

    本書を読んで、業界の第一人者が語るネットの業界のワンランク上の知識の得ることのできた有用な一冊だと感じました。

  • ネットの世界について、その将来も含めてわかりやすく、かつ刺激的に解説していてとても面白かった。
    日本にネット住民が多いのは、そこそこ豊かなニートが多いからだそうだ。
    それにしても、ネット世論て何なんだろう。ソーシャルメディアが口コミだ、というのが分かるが、それがなぜネトウヨを生み、自民党支持が圧倒的なのか。不思議だ。
    あと、筆者は、ビットコインには懐疑的。本書が出てから2年になるが、ビットコインはまだまだ元気ですね。さて、どうなりますか。

  • プラットフォーマーがなぜ強いのかということや、コンテンツ提供側の今後など、ネットについての過去と未来が忌憚なく書かれている。
    とくにビットコインについては、世間で騒がれている部分も含め、客観的にかつ俯瞰的に述べられていて非常に面白かった。少し難しいけれど、ネットに関わる人なら読んでおきたい。

  • 川上量生。筆者のネット観や住民の生態、バズワードの解説が、わかりやすく述べられている。例によってどこまで本音かよくわからないが、筆者は実際にネットビジネスの開拓者であり、その背景にある考え方の一部だと思う。

  • 良い本。後輩にも進めよう。ネットのビジネスで、何か成し遂げたいなぁと思いながら読み進めた。

  • ネット世論は水増し・工作される。プラットフォームはコンテンツを買い叩く。任天堂とiモードが成功モデル。インターネットに国境を作るなら中途半端が一番悪い。紙の本は電子書籍に置き換わる。プロモーションの手法として書店は残るかもしれない。集合知はバカになる(衆愚)

  • ニュース提供側はポータルに掲載されるニュースに選んでもらえるように得意分野を決めて専門性を高めていった方が有利になる。資本力が既存の大手新聞社ほどないこともあって、必然的にネット発のニュースサイトは専門分野を絞り込む方向に進化した。どうせ自分のところのニュースサイトへのアクセスなんて微々たるものだから、ニュースを提供しているポータルで話題になることの方が重要なんです。

  • 現在の興味関心や理解度から、都市計画・まちづくりの文脈に置き換えて参考になる文章がいくつかあった。

    ・コンテンツは無料になるのか
    ・オープンからクローズドへ
    ・グローバルプラットフォームと国家
    ・機械知性と集合知
    ・ネットが生み出すコンテンツ

  • 著者の本は初めて読んだが、冒頭はその冷静かつ論理的な説明でネット界隈のあらゆる事柄がとてもわかりやすく解説されてあり、とてつもなく頭の良い人だなぁと感じた。

    特にネットコンテンツの無料化の話やネットビジネスの部分に興味があって読んだが、巷で妄信的に「コンテンツやビジネスはこうなる!」って煽りまくってる胡散臭そうな輩を徹底的に叩き潰すような、冷静かつドライな分析・主張は非常に説得力がありわかりやすく、勉強になった。

    ただ中盤からネットのグローバル化や仮想通貨の話に及ぶ章では、かなり専門的な言葉も飛び交いわかりにくい部分も。そもそもこの本の中で語られる領域が広すぎるため、若干ついていくのが大変なところもあった。

  • この世の中を侵食してきている、ITビジネスの構造について分かりやすく説明されている。
    最初は、ネットの世界について、”住人”という概念を用いて、その成り立ちから紹介。

    apple, goole, amazonの恐ろしさを知る。
    彼らが構築しているのはインフラであり、システムが構築され、人々がこれに乗っかっている限り、半永久的に利益が生まれる。

    それとITビジネスの利益は、国家が回収できない構造になっていること。基本的にサーバがある国の法律が適応されるため、サービスに対する対価をはらった国民にその利益が税金として回収できないようになっている。そこでタックスヘイブンなどの、税金の優遇策を取る国にサーバが置かれるという構造になっている。
    つまり、IT企業に利益が蓄積しやすい状況になっている。IT企業とその他の企業で、利益の内の取り分がまったく異なるため、その経営指針が異なってくると予想されます。

    そして、IT企業に国が規制をかけることが、海外企業の保護政策というような状況になりえること。規制をしたとしても、海外企業に対して国は働きかけるのが難しい。

    ITビジネスの採算についても多く言及されていましたが、私は消費者なのであまり引っかかりませんでした。

    それとdwangoのサービスがコンプライアンスを遵守していることに驚きました。日本発のサービスなのでそうなってくるんでしょうね。
    また、川上量生さんが、サービスの設計についても、計画的に行われている印象を受けました。
    dwangoの一つ一つのサービスの牌は増えていないのかもしれけど、サービスを増やし、それをインフラ化することでビジネスが大きくなっていくのでしょう。

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著者プロフィール

かわかみ・のぶお 1968年愛媛県生まれ。91年京都大学工学部卒業。97年8月ドワンゴを設立。株式会社KADOKAWA・DWANGO代表取締役会長を経て、現在はKADOKAWA取締役、ドワンゴ顧問、学校法人角川ドワンゴ学園理事などを務める。

「2021年 『人と数学のあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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