通訳者のしごと (岩波ジュニア新書 623)

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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005006236

作品紹介・あらすじ

記者会見や会議などの通訳者は、どんな仕事をしているのだろう?通訳している時、頭の中はどうなっている?アメリカ国務省通訳者養成コースをスタートに、会議通訳者として第一線で活躍し、世界に通用する通訳者の指導にあたってきた著者が、英語の勉強法と、通訳のしくみ、現場での面白いエピソードを語ります。

感想・レビュー・書評

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  • 請求記号:SS/801.7/Ko73
    選書コメント:
    元本学経済学部教授。大学内での教育者であり、学内外での通訳と仕事をこなすマルチタレントな先生で、日本の大学院で最初の通訳者養成のカリキュラムを設置した第一人者。語学を学ぶ学生への刺激となる1冊である。分かりやすい文体であり「今勉強しないでいつ学ぶ」の気持ちで推薦する。
    (東松山図書課 参事)

  • 既読

  • 「通訳」という仕事の実態を知りたくて、手にとった一冊。生まれた年から計算したところ、筆者は現在71歳。筆者が通訳になった頃と今とでは時代がかなり違うと思われるが、それでもこの本を読むことができて良かった。

    とりわけ興味深く読めたのは次の3つ。

    ①[l]と[r]の発音の仕方(P70〜)
    [l]と[r]を間違えて発音したために、”rice”と”lice”を誤解してしまうという話を聞いたことがあったので、この違いには関心があった。一言で言えば「舌先が上につくorつかない」の違いであるが、本文には当然より具体的に説明されている。
    その他、”firstly”を”firstry”と発音しないようにする方法、いわゆる「抑揚」を付けた英文の読み方(”棒読み”では伝わらない)等、英語を話す上で大事なことが書かれている。

    ②ヨーロッパの旅(P92〜95)
    米国務省での16カ月間の仕事後、筆者はドイツ語の集中教育を受けに欧州へ。この話はたった3ページに収まっているが、欧州滞在への興味を掻き立ててくれるのでは…

    ③「意味の理論」(P151〜)
    セレスコヴィッチの有名な通訳理論。通訳時に頭の中で起こっていることを3段階に分けて説明。詳細は本書に譲るとして、印象に残ったのは「通訳者の頭の中に残るのは、発言の内容のみで、用いられた単語・表現は瞬時に消え去る」ということ。これは「個々の単語の置き換え」とは明確に区別される。ここに通訳という仕事の「難しさ」と「醍醐味」が隠れているように感じた。

  • 岩波のジュニア新書はあなどれません。通訳について、わかりやすく書かれていながら、単なる夢で終わらない重要な問題にも言及しています。

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著者プロフィール

1942年生まれ。国際基督教大学(ICU)教養学部社会科学科、同大学行政大学院を修了。大東文化大学勤務を経て、現在、大東文化大学名誉教授。この間、アメリカ合衆国国務省付通訳者、中央公論社書籍編集部勤務、また、通訳理論研究会発起人、日本通訳翻訳学会初代会長(1999~2003)、文部省教科書審査委員(英語)、ILO総会・PTTI会長(日本人)の専属通訳者、日米議員委員会などおよそ45年間、多くの国際会議、セミナーなどで会議通訳に携わる。Otsuka, Hisao, 1982, The Spirit of Capitalism (Tokyo: Iwanami Shoten)、『開発と自立の経済学――比較経済史的アプローチ』(同文館、1989)『通訳者のしごと』(岩波書店、岩波ジュニア新書、2009)、『通訳をめざす人へ』(共著、法学書院、2012)、ショーン・C・シア著『自殺リスクの理解と対応――「死にたい」気持ちにどう向き合うか』(共訳、金剛出版、2012)ほか、著書、訳書、論文多数。

「2013年 『オーストラリアを創った文人政治家 アルフレッド・ディーキン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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