- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784005007721
作品紹介・あらすじ
おしゃれに恋バナ、占いや進路…。平安時代の女子たちも、私たちと同じように、楽しみ、悩みながら生きていました。この本では、そんな彼女たちの日々をのぞきつつ、古典を読むのに必要な、インテリア&ファッション用語、恋のお作法の基本が学べます。
感想・レビュー・書評
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平安時代の連絡手段は、手紙✉️今の時代よりももっと教養が試される時代だったのだなあ。和歌をすらすら書けたら、どんなに素晴らしいだろう。「国語」の時間にもっと和歌を勉強したかった。
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たぶんコロナ前に見つけて買ってた本。途中まで読んでなんとなーくそのままにしてたのを、この機を逃しては…と最初から改めて読んでみた。
大河『光る君へ』のおかげもあるだろうな、紹介される平安の人々がにわかに生き生きとしてる姿が思い浮かんで、一気に読んでしまった。多少の時代(年齢)のズレはあるかもしれないけど、これまで見てきた俳優さんたちがイメージされた。
現代の言葉を多用して、若者に語りかけているから、もしかしてそういうのに馴染めない方々には不評かもしれないけど、私は好きだな。学生さんに教わったとのことだけど、流行りモノに敏感な先生のお人柄が偲ばれる。
蜻蛉日記や和泉式部日記、更級日記、もちろん源氏物語や古今和歌集から引用してあるけど、全部現代語訳で、原文はなし。まぁ、後で探し良いように注(参考文献)とかつけててもらっても良いかな…とは思ったけど、おかげで普段あまり関心のない人には抵抗が少ないのかも⁇そうなのよね、原文に当たることは大事ではあるけど、古典を学ぶ…というか知るということは、そこに生きた人たちの生き様や思いを受け取ることだから、第一段階としてはこだわらなくても良いんじゃないかな⁇
若者だけでなく、若者をとうに過ぎた年代の私にも胸に響いた先生の言葉があって、ちょっと贔屓したとこはあるけど、最高評価とさせてもらいました。 -
2024年の大河ドラマ『光る君へ』の予習として購入したが、放送開始に間に合わず読了…。
ジュニア新書なので易しく読みやすいが、ティーン向けに書かれているのでターゲットの若さを否めない。言葉のチョイスが恥ずかしくも感じる。
家屋、着物、流行、文通を利用した恋愛・結婚、宮仕えなど、平安時代の女性の生活を現代に寄り添いながら紹介してくれる。歴史上の人物のエピソードもあり、それぞれの関係性を垣間見られて良い。その中で時々、蜻蛉日記や源氏物語、和歌などが差し込まれるが、現代語訳(しかもティーン向け)なのがもったいない。おそらくあえて避けたのだとは思うが、原文も載せて欲しかったと感じてしまった。
240124読了。 -
平安時代の女性のファッションや美人の条件、恋愛、文のやり取りを現代風に置き換えて説明している。当時の美人の条件である足下まで引きずる長さの髪の毛や。そのお手入れ、化粧についてなど女子学生が興味を持ちそうな内容。
読み手に語りかけるような文章なので、とっつきやすい。
寝殿造や間取り、当時の貴族のファッションのイケてる着こなし例などの図解がわかりやすい。
当時の人々の考え方を蜻蛉日記、源氏物語、枕草子、更科日記などから引用して読み解いている。
昔、蜻蛉日記は夫が振り向いてくれない女性のじめしめした心情を書いたものと習ったが子供の晴れ舞台に感激したりなど、当時の習慣や考え方を窺い知れたりと、意外と面白いのかもしれないと感じた。
特に、興味深かったのは、
当時の理想の妻とは
夫の良き相談相手、
ファッションのカラーコーディネート、オーダーメイドが上手いこと
貴族女性のサクセスストーリーは
天皇の妻になることか、玉の輿に乗って女子を産み、その子が妃になること。だから女子が生まれると妃候補として育てた。
こういう背景を知っていると源氏物語に出てくる女性たちの振る舞いも理解しやすいと感じた。
和歌のやりとりをメールやラインに例え、基本即レス、女性は強気のそっけない返信が定型だが和泉式部は、女性のいじらしさを付け加えていただとか、現代女性でも応用できそうな話も平安時代の女性の生活が身近なものに感じられそうな内容が多く、意外に面白かった。 -
平安時代の女性たちの日常が分かりやすく説明されています。女性と男性の服装アレコレや、なぜ和歌ばかり送りあっていたのかとか。即レス厳守だったのは驚きました。現在の習慣も例にあげられているので、それが当時はこうだったのか!と楽しく読めました。
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平安時代の女性の生活を『蜻蛉日記』『更級日記』『源氏物語』などを中心に、現代の言葉遣いで生き生きと描き出している。
ちょうど大河ドラマで『光る君へ』を放送しているので興味深く読み進めることができた。 -
記録
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2023.10.27 購入・読書開始
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平安貴族の女性たちに関する古典常識を優しく解説した入門書。住居と服装に始まり、当時の美人観、恋愛の手順、宮中で働く女性の仕事について、日記や和歌、物語を引用しながら、わかりやすく説明してくれるので、平安時代の女性に関する古典常識の入門としてはとてもよかった。
恋愛のプロセスに関する部分。男性の間に広まる噂話と垣間見から始まり、和歌のやり取り、三日間の共寝によって結婚という当時の恋愛プロセスが面白かった。
特に、和歌のやり取りでは、男性からのアプローチに対して、女性の方からまずは反論、そしてかわいいつけたしをする、といった表現で、ウィットの利いた和歌を作れることが大事であるのと同時に、そのやり取りには定型的な部分があったことよく分かった。平安時代に必要とされるセンスがよく分かる。
また、当時の宮仕えに対する考え方も勉強になった。宮中に働きに出る女房というと、清少納言や紫式部のようなイメージで、何となく華やかで憧れもありそうなものだと思っていた。だからこそ、『更級日記』などを引用しながら、宮仕えに対する当時の感覚を説明しているところは新鮮だった。
いくつか気になったこととして、読者のターゲットになっている若者観がやや古い印象を受けた。
平安時代の恋愛を説明する章では、和歌のやりとりをメールのやり取りに例えて説明していて、それはそれで分かりやすいのだが、今の10代くらいだと、メールは使わないのではないかと思う。いたるところで使われるカタカナワードも、一昔前の若者言葉、という印象をどうしても受けてしまった。
また、古典世界の女の子たちの感覚を、現代女子の感覚で説明するのは、分かりやすい一方で、そんなに例えられるほど感覚が同じだったのか、とちょっと違和感を感じる部分もあった。
とはいえ、女性目線で平安時代に生きた貴族の世界観、美的感覚、生活感を知りたい人におすすめの一冊。
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ジュニア新書なので平易でかつ現代に置き換えた表現で書かれているので読み易い。
平安時代の建物のつくり、服装など今まで今ひとつピンとこなかった部分がスッキリ分かりました。
大人が手っ取り早く平安女子について知るために読むのにもお勧めです。
ちょいちょい引用されている『蜻蛉日記』、タイトルだけは知ってましたが道綱母の恋物語だったのですね。こちらも現代語訳の簡単な本があれば読んでみたいです。
文付枝に手紙をつけて恋文を送り合うって、ロマンチックです。