- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022508195
作品紹介・あらすじ
腰痛、アトピー性皮膚炎、ナゾの微熱、冷え性、むくみ…著者がずっと付きあってきた「病気といえない病気」の数々。ところが、癒治療の副作用を和らげるために始めたヨガがきっかけで、すっかり体質が変化し、嗜好まで変わってしまった。不思議に仕事も舞い込むようになり、いまさらながら化粧の楽しさに目覚めてしまう。そして乳腺全摘出を決断。乳房再建手術の過程で日頃考えたこともなかった自分の「女性性」に向き合わざるを得なくなり-。ベストセラー『世界屠畜紀行』の著者が、オンナのカラダとココロの不条理を綴った新境地エッセイ。
感想・レビュー・書評
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2022/09/22
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身体
病気 -
単純なので私もヨガを始めたくなった。このとしになるとあちこち痛いし。
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内澤旬子さん「身体のいいなり」、2010.12発行、43歳の時の作品です。闘病記やエッセイではなく哲学書のような気がします。2005年、38歳で乳癌に罹患した後、いかに生きるかの覚悟のようなものが伝わってきます。ご本人の持病の歴史をイントロに、入院・検査・手術、副作用のすごさ、乳腺全摘出・乳房再建に至るまで。途中ヨガの話もあります。この方の腹の括り方は、たくましいというのは勿論ですが、なぜか小気味よい感じがします。この後、本を捨て、夫を捨て、東京を捨てて小豆島に行かれます。
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作者のことは知らなかったけれど装丁画とタイトルで興味を持って図書室から借りてきました。人づきあいが苦手でアトピー持ちで、配偶者は居るけれど完全独立採算性をとっていて、会社勤めが性に合わずイラストと製本と海外ルポのフリーランスをしている著者。乳癌にかかり何度も手術をしながらも、すぐ死ぬ訳じゃないから仕事もしないと~、と悲観も楽観もせずに淡々と事実を受け止めて弱々しいのか強いのかわからない独特の感じで生きていく様を綴ったエッセイ。前書きからして面白かったです。
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時々考える。
もし、自分が癌にかかったら、とか、もし自分に収入がなくなるとしたら、とか、パートナーが死んでしまったら、などなど。あれこれ状況を考えたり、備えたり、覚悟したりして生活してみても、自分の心の動きなんて、実際にそうなってみないとわからない、ということはよくわかっている。
この本を読んで、細かな状況と、状況によって心の変化が次々と起こってくることがよくわかる。
こうなったらこんな気持ちになった、とか、こう状況が変わったらこんな悩みが出てきた、とか。
やっぱり、将来を心配するより、何より今の状況をじっくり観察していくしか、生きる道はないのかな、と実感した。
行き当たりばったりで生きていくしかないのかな。 -
アトピー、冷え性、腰痛、遺産過多、など病気といえない不調の塊だった著者が40手前にして乳がんが見つかり、ヨガなどをしているうちになんか前より健康になって元気になってしまった、という自叙伝。
闘病記というには本人がごまかさなすぎて感動を煽らない。というかそもそもそういった趣旨のものを毛嫌いしている。
常につきまとう金銭の問題、癌患者どうしのやりとり、ここまで遠いと思ってた自信の女性性と向き合うところなど、生生しくて、正直で甘え下手な人だなあという印象。
自分だったらどうするだろうか。
当事者はなってみないとわからないものだなあ。
癌だからといってすぐ死ぬわけではない、働けないとお金が稼げない、生活できない、という末期がんとは別の、でも本当の怖さ。 -
闘病記だけど、面白く前向きに読む。
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内澤旬子さんの本は初めて。
乳がんのことも知っておきたかったので、まるで適時に手に取るべくしてとったよう。
さほどボリュームがあるわけではないのに、時間をかけてじっくり読んだ。腰痛やアトピー、そして乳がん。ずっとこれまで不健康だった著者が、乳がんに罹患したことを機に始めたヨガのおかげで体質が改善されたのか、なぜか以前よりも元気になってしまうとか、苦しい体験談であるはずなのに変な悲壮感や重さが漂っていなくて、清々しいとさえ思えてしまうところがこの本の凄いところだと思う。
とりあえず、何が何でもヨガをはじめよう!