嘆きの美女

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.77
  • (112)
  • (272)
  • (163)
  • (32)
  • (6)
本棚登録 : 1415
感想 : 234
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022508935

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 柚木さんの物語には幅があるなぁ。
    当初、今の自分の心の状態で耶居子みたいな荒らしのお話を読めるか心配だったけど、何とか読めた。荒らしをする人、ましてやストーカーなんて問題外だけど、の気持ちはわからないけど、それぞれに悩みはあるし、それぞれに悩みに向かっていくしかないんだな。乗り越えられるのは自分だけ。

  • 普段、人がどれほど心のうちを秘めて、隠して、接しているのか…。

    この本を読みながら、相席スタートの山崎ケイさんが、
    「性格の悪い美人は小悪魔と言われるけれど、
    性格の悪いブスは性格の悪いブスと言われる」
    と言っていたことを思い出した…。

  • もうこれは少女マンガ。外見も性格もブサイクな女の子、耶居子が、ひょんなことから美女だらけの豪邸にシェアハウスし成長する話。荒唐無稽でわちゃわちゃしてるけど、なんか楽しめた。この耶居子、趣味はネット荒らしと陰険なニートだが、岡田あーみんが好きだったり、私と同じ獅子座で負けん気が強い所につい共感してしまい、だんだん好きになる。(やはり著者も獅子座だった)美人は憧れるけど、イコール幸せと思うのは安易。人を惹きつけるのは、自分を持っていてブレない人なのだという話。それとジャンクフードやおやつがわんさか出てくる話。

  • 「やっぱり世の中は美人に都合よくできてやがる!」
    (池田耶居子)

    はじまりから引き込まれる内容。登場する女性はどれも鼻につく感じだったが途中からそれぞれ良いキャラしてた。
    夢があるゼリーのプールや洗面器大のエンゼルパイで物語を締めるのが良かった。
    書き下ろしの「耶居子のごはん日記」であの人が登場した時は少しテンション上がった!

  • あー、まだまだ読んでいたかった。
    最初は読み進められるか不安だったけど途中からページをめくる手が止まらなかった。女の子が成長してどんどん魅力的になっていく姿は読んでいてワクワク、元気になる。
    耶居子のごはん日記は途中アレっ、何の本読んでいるんだっけと錯覚してしまった。あー、おもしろかった‼︎

    2018.10.23再読。

  • kamosigiさんが読まれていたのに加え、
    見逃してしまったがちょうどドラマで放映されていたようだったので、
    このタイミングで読んでみた。

    ちょっと想像していたのとは違って、
    結果一気にさっくりと読めた感じ。

    ドラマの主要なキャストを知っていたので、
    最初はそのイメージで読み進めていたんだけど、
    耶居子もユリエも途中から違うイメージで読んでしまった。
    ドラマはドラマでおもしろく観られたのかもしれないけど。

    きれいごとばかりではない、そういう意味でのあけすけなせりふや感情を露にするあたりは、ある種の爽快感があって、決して嫌な感じではなく、むしろあれこれを経てそれぞれが成長し、また関係を深めていくあたりは読了後も後味さっぱり。あんなに耶居子が嫌な奴から始まるのに、着地点が全く違った場所に落ち着くあたりに救われる。
    ちょっと極端だけどね。

  • これは、美女とブスの友情・成長小説と言うべきか。
    それとも思わず食べたくなるもの満載のグルメ小説と言うべきか…

    どちらをとっても「これは良かった!」と満足できるお話でした。

    図らずも美女に囲まれて暮らすことになった性格も顔も「残念」な主人公は、彼女らと過ごすうちに外側も内側も自分らしく磨かれてゆく。
    同時に、美女たちも主人公と過ごすうちに自分の弱さに気づき、やがて新たな一歩を踏み出す。


    まあけっこううまいこといきすぎな感じもしたけど、小説だし読んでてスカッとして楽しめました!
    Amazonの『KAGEROU』レビューのところは噴きました。
    そして、出てくる食べ物が実に美味しそうにかかれているのが素敵。
    薬膳でも豪華料理でもジャンクフードでも、とにかく食べてみたくなる。

    柚子さんは『終点のあの子』で女子の心理をえがくのがうまいなと思っていたけど、こっちのお話もすごく良かった。
    他のも読みたい。

  • 美女限定のお悩みサイト“嘆きの美女”を荒らすことに生きがいを感じていた耶居子。
    オフ会を隠し撮りしてさらに陥れてやろうと目論むけれど
    そこで事故に遭い、あろうことか美女たちと同居するはめに。
    “嘆きの美女”の管理人ユリエは耶居子の小学校時代の同級生だった。
    奇しくも耶居子はユリエに付きまとうストーカーを撃退した形で怪我を負ったのだった。そこにはサイトの常連である女性たちも同居していた。
    美女たちと引きこもりで荒らし趣味でいわゆる不美人の耶居子。
    全くの対極に立ち、接点がないような人間との同居という設定が面白くサクサク読んだけど 
    なんだかだんだんと話が出来過ぎのように感じ始めた。
    ストーカーとの事件のところで終わっといたらまだ良かったのに 最後の耶居子のごはん日記は必要かなー?
    耶居子の初恋を淡く描いた形になっているからほのぼのとしてしまう感はあるんだけど うーん。。。ちょっと辛口でしょうか?^^;
    でも美人ならではのお悩みにもなるほど!と思ったし
    女子たちの心模様はとても良く描かれていたと思う。
    柚木さんお初だったけど読みやすい。

  • ちょっとご都合主義なところもあるかもしれないけど、気持ちの良い話だった。
    幾つになっても、人は変われるのだと思う。
    きっかけと、本人の気持ち次第で。
    どんどん変わって、理想の自分に近づいていけばいい。
    それに必要なのは、くだらない思い込みを捨てること。
    思い切って、素直になって飛び込んでみれば、結構な割合でうまくいくものだ。

    • kuroayameさん
      『くだらない思い込みを捨てること』。
      私は職場の体制が変わり、何かと悪い方へと考え気味で、一人でため息をついていたりしていたのですが、前向き...
      『くだらない思い込みを捨てること』。
      私は職場の体制が変わり、何かと悪い方へと考え気味で、一人でため息をついていたりしていたのですが、前向きに物事を考えて、自分らしくをもっとうに過ごせるように心がけていたら、面白い発見があったりと、まさしくレビューに記載されていた通りだと嬉しくなりました♪───O(≧∇≦)O────♪。
      いつも素敵なレビューを拝見させていただきありがとうございます\(^o^)/。
      2012/11/07
  • 耶居子と自分が重なる…
    卑屈にもなりますし、美人=幸せという方程式だと思います

    その人の芯となっているものは不変で、でも、様々な感情が芯を覆ってしまう
    自分に対して不満があるから、腐るんだろうなー、はけ口がほしいんだよなー

    耶居子の頑なな殻が少しずつはがされて彼女本来の部分が見えてくるのが、読むのを夢中にさせた
    また読みたい本です

全234件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×