- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022643599
感想・レビュー・書評
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090713
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とても感動した!最後は涙が溢れて止まらなかった。
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自分を試す小説だった。
「実際に殺人者と出会ったなら、自分は相手にどういう態度で接するのだろうか?」と。
刑務所から戻ってきた人間にとっては、世界は偏見と悪意に満ちているのだろう。
人を殺めた廉で少年院に送致され、6年の刑期を務めて社会復帰した青年が主人公。
「自分だけが悪いんじゃない」と「謝罪したい」という心の葛藤の渦の中、ぐいぐいと彼に共感を覚えてしまう。
綿密な取材の成果が伺われる。
加害者、被害者、傍観者たちの心の動きが丁寧に描かれていく。
彼らの社会復帰の道は限りなく険しいものだが、自分は応援できるだろうか。 -
前科者が服役してからのお話。
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人は一人で生きる事は出来ない。
周りの助けがあってこそ、
生きてゆく事が出来る。
1歩1歩、ゆっくり、大切に生きてゆきたい。 -
この人の文体はやっぱかっこいいわ。男臭くて。いい意味で汗の匂いがする。
そのせいで粗暴な犯罪者であるはずの主人公もなんかかっこ良く見えてしまう。笑
冷静に見れば短絡的で大人に成りきれてないんだけど、確かに。
でもその主人公の人格設定の絶妙なバランスがこの小説のリアル感を一段階引き上げてると思う。
読者を感情移入させる程度には善良・真面目で、犯した罪との整合性を持たせる程度に単純・粗暴。
このあたりのさじ加減が主人公の葛藤に説得力を与えている。根が真面目じゃなきゃ葛藤しないし、あまりにいい人過ぎたら主人公がいくら自分を責めても「あの時は何かの拍子で頭のねじが狂ってました」で読者視点では片付いちゃうし。 -
好きな女にちょっかいをかけてきた男に警告したところ、殴られ、ついカッとなってしまって持っていたナイフで刺して相手を殺してしまった中道隆太。先に手を出したのは相手の男だったが、ナイフを持ち歩いていたことから殺意があったとみなされ、懲役6年の実刑に受けた。真面目に服役し、仮釈放となって出てきた中道だったが、心を入れ替えて新しい生活を踏み出そうとするも、過去を暴露した中傷ビラが近所や職場にまかれてしまう。
「奇跡の人」を読んだ時にも似たような感想を持った気がするのだが、主人公が全てにおいていきすぎ、関わりすぎ、我慢しなさすぎなのが気になるし、それによって招く結果がどうしても自業自得に思えてしまう。妹の元カレに会いに行く必要がどこにあるの?中傷ビラの犯人探しはあなたの仕事なの?1人で被害者宅へ行くことがどれだけ重大なことなのかなぜわからないの?その状況で、昔自分に不利な証言をした目撃者に会いに行くことがどれだけ危険なことか理解できないの? 彼は刑務所を出てから、とても良い保護司に出会い、就職先や同僚にも恵まれ、本気で心配してくれる友達や母親もいるのにどうしてそういう行動に出るのか、理解に苦しむこと多々。そういう人だから、刑務所に入ることになったんでしょと言われてしまえばそれまでなのだけど。なんだかなぁ。一度犯罪を犯した人間に対する理不尽な扱いにはたしかに同情する部分も多かったが、主人公が全然好きになれずにイラついてしょうがなかった。テーマは興味深かったし、確かに読み進んだけれど。 -
/?day=20060220