- Amazon.co.jp ・本 (600ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022646385
作品紹介・あらすじ
地方都市に住む幼児が、ある事故に巻き込まれる。原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった。決して法では裁けない「殺人」に、残された家族は沈黙するしかないのか?第63回日本推理作家協会賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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ちょっとしたマナー違反位に思い犯している罪。それが時に誰かの命を奪うかも知れないなんて。人生を大きく変貌させるかも知れないなんて。誰もが加害者になり被害者にもなり得る小さな罪の多さに怖くなる。例え小さなマナー、ルールでも社会生活を安心安全、円滑に営むという大きな役割があるのだと思わせられた。子供を亡くした親の無念さが伝わり涙無くして読めない。何より他者をも思いやる心を持って生きたいものだ。
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「ラッシュライフ」「ドミノ」が好きならこちらもどうぞ
とおすすめいただいた本
って、あらすじを読み、冒頭を読み
……重たい。上記二作が陽ならこちらは陰
ある一点(一つの事件)に対して
様々な年代、職種、性別、家族関係の違うは人々が登場し、ほんの少しの
「私だって」「何で俺が」
「少しくらいいいか」「これくらいして良い権利がある」「仕方がない」
と、自分にいいきかせつつ
悪いことをする。
その嫌な小さい積み重ねと、それぞれの登場人物が抱える不安、フラストレーションがドミノというより静かなゆっくりとした暗い爆発となって連鎖していく…
2011年の作品なのに、考え方の古さがチラチラ出てくるのもイライラポイント…
もう、ほんと読んでて嫌になる。
なのに、その事件を迎えてからラストまでは、ページを数行単位で貪り読んでいる様な感覚に加速し怒涛の勢いで読み終えてしまった……放心状態
話の予想はついたが、どこかで希望を感じさせる部分が出てこないかと探していた。ほんの少しだけしかも意外な形で見ることができた。
読んでて嫌になるのは、自分自身にも当てはまる「本当にどこにでもいる普通の人達」の負の連鎖に圧倒されてしまうから、これは起こり得ないとは言い切れない。
本当に気づかないほどささやかに起きていることだと感じた。 -
さすがにこれは鈍感な私でもちゃんと理解できましたよ。
貫井 徳郎先生の作品、慟哭、愚行録を読んで、イマイチピンと来てなかったところもありましたが、これは分かりやすく良かったです。
ネタバレなるのでなんも書けねえ!って感じなんですが、前半は個別の話だったのが、だんだんつながってきて、残り1/3くらいで一気に一本の線につながっていく感じです!
映像も見たいんだけど、配信やってないのよね。残念。。 -
まぁいいかと自己都合で考えてしまう私たちの想像力のなさと共に、強いエゴを感じました。
作中の登場人物を100%自分は違うと考え批判できないのが、この作品の苦しい部分です。
「法律ではなくモラルでは、罪ある人を糾弾することができないのだ」 -
❇︎
色々な人の些細なモラル違反が重なって
起きてしまった小さな子供の死。
起きた結果のワンピースだと指摘されても、
自分にそんなつもりはなかった、
自分だって仕方なかった、
自分には責任がない
と開き直って責任からの目を背ける人々。
一度だけと目を瞑る身勝手な行動から、
知らないうちに無自覚に加害者になり得る
怖さを教えてくれた物語でした。
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後半はノンストップで読んでしまった。終始少しだけ嫌な気分で読んでいる感じだった。
悪い行いにしろ良い行いにしろ、それ以降におこる出来事のプロローグになっているのだなあと感じた。
世の中に存在する事故と呼ばれる物全てがこんな感じなんだろうと思う。
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最高の嫌ミスでした!
誰にでも経験のあるような小さな悪事で、2歳の子の命が奪われてしまう。犯人を責めたいが、責めようがない。
この本は読んでください!めっちゃ楽しめました -
題名が気になり買った一冊。
いろんな所から始まる話が事件をきっかけに、すべてが絡んでいく話だった。
始めは個々の話が長く、いらつく内容もあったので、ちょっと読むのがダルくなった。
しかし最後まで読めば納得する話になった。
細かに個々の心情が書かれているから個々の話が長くなるし、それが必要な内容の話だっと思う。
最後の主人公のショックは自分自身の心にも突き刺さった。
一回ぐらいいいや、わからなければいいや、無責任な行動が最悪な事に繋がるかもしれない。
いろいろ衝撃をうけ、反省しなきゃならないなと感じた小説でした。
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ちょっとした出来心でやったそれぞれの行いが取り返しのつかない事になってしまう、読んでいてずっとモヤモヤしてしまう話だった。けれど、日常にはそんな事が溢れているようにも感じた。徳を積むではないけれど、自分も周りも気持ちよく過ごせるような行動をしていきたいとおもった。