平成猿蟹合戦図 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647382

感想・レビュー・書評

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  • え、なにこれ、なんなん?ん?んんん?という間に作品に引き付けられていた。何が面白いかといわれると難しく、話が分かりやすいかというとそうでもない。けど、不思議と先の気になる作品。

    そして忘れていた、「さるかにがっせん」をネットで検索して見返してしまった。まさに、平成猿蟹合戦図なのかもしれない。

  • 今までの吉田修一作品には無い作風。登場人物が多く、まさかのコメディータッチ。登場人物それぞれが成長していく様が爽快で、応援したくなる内容。

  • 現実味が薄く都合のいい展開ではあったけど、まとまりのある内容だった。
    普通にサラッと読める。

  • 歌舞伎町で働くバーテンダの純平は、轢き逃げ事件を目撃するが、出頭してきた男は別の男だと気がつき、真犯人を脅迫しようとするが。

    吉田氏の本は悪人のイメージが強く、この本も暗く悲しい本かなと思いましたが、そんなことはなく、前半の展開と後半の展開のギャップが面白いです。最初は、対立しながらも、いつの間にか、次々と仲間に巻き込んでいく、純平の飄々としたキャラが楽しい。

    復讐のお話でありながら、どこか人の優しさを感じてしまう。それは、方言やなまりのせいでしょうか。
    優しい人たちが

  • 帯に「底抜けに明るい復讐劇!」とありますが、底抜けはちょっと言い過ぎ。確かにエンタメ系で上手くくすぐり、にやりと笑える所も随所にあるのですが、全体にはスカッというより、やや重めの印象があります。
    いきなり歌舞伎町とか、登場人物もバーテンダー、ホスト、ホステス、ヤクザ、ついでに政治家と胡散臭い職業ばかり。もっとも人物は軽かったり明るかったりグータラだったり、さほどどす黒くは無いのですが。どうも私はこうした環境(水商売系)が苦手のようで、乗り切れませんでした。
    それと、頼りなく無責任で刹那的と見えた二人に若者が、妙に真面目になって行くところも少々無理を感じるし。ただ、90過ぎのサワ婆さんの存在感はさすが吉田さんでした。

  • 2014.3.17読了。

  • あの傑作『悪人』のような物語かと思いきや、コメディタッチの描写もあり、登場人物が不思議な縁で繋がっていく先の読めぬ展開もあり、どう評価しようか非常に迷う作品だった。

    評価に迷ったのは、一体、誰が主人公なのか、サスペンスなのか、コメディなのか、サクセスストーリーなのか、混沌とした作品であるからだろう。

    騙された感が残る読後。

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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