- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022735829
感想・レビュー・書評
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表題には創価学会とされているが、公明党と平和主義としたほうがしっくりくるのではないかと思う。内容は確かに創価学会の宗教団体としての考え方についてだけれど、宗教団体が平和主義を標榜するのはある意味当たり前のことで(今は物騒な宗教団体も多いけれど)、公明党が今や完全に右翼となってしまった自民党の動きに歯止めを立てている、という事実こそ知る価値があると思うからだ。
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閣議決定の内容が「名ばかり集団的自衛権」であるか否かは今後の歴史が証明していくのだろう。浄土真宗の念仏→極楽浄土と違い、日蓮の教え(法華経)が現世での行いに根ざしており、結果、創価・公明は行動する宗教・政治団体であるとの指摘は妥当性があるように思う。
基本的に創価・公明に肯定的内容であり、これを鵜呑みにするのも問題はあるかと思う。著者の言うように、「真実はひとつではない」「物語は複数ある」。他の批判本もセットで読む必要はあるだろう。 -
今まで曖昧模糊だった存在が、比較的中立な視点で語られている。なんともいえない嫌悪感を持つことは、もったいないと感じる。
信じる、感じるだけでいいのかは気に留める必要があり、偏らない理解を続けること(読書など)が必要。 -
創価学会を客観的に冷静な目で見ることができて良かった。
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2015
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佐藤さん流石。
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公明党・創価学会と聞くだけで思考停止になるのではいけない。物語は1つでない。複数の視座を持つことが必要である。政権与党を担う公明党・創価学会の内在的論理を読み解くことで、その平和主義の真贋を知り、個人と国家の中間団体としての可能性を探る。
異なる視座を持つことで見える世界が違うことに改めて気づかされました。 -
創価学会に対して好意的に書かれており、珍しい。
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新・戦争論をきっかけに読んだ。
池田大作の平和志向は本物。
SGIになってカルトではなくなり、新時代の新宗教になった。 -
徹底解明!とか、恐るべき戦略!とか帯に書いてある内容とはほど遠いけど、サクッと読めた。考えてみればこれだけの政治力も備えた創価学会の歴史について、怖い物を避けるようにほとんど知らなかったのは、いただけない。
「彼岸性(あの世)を此岸性(この世)に包み込んでいるのが創価学会の特徴」と表現する。プロテスタントだからこそ、同じ宗教を信じる者として見えるものもあるのだろう。
オープンな情報から8割は仕入れられる、とあるが、本当に取材対象がオープンにしている情報を読み解いてばかりで、実際に登場する人も少なく、物足りなかった。特に、「池田大作という名前に真理が体現されている」とまで語る池田氏がどうしてそれほどのカリスマ性を得られたのか。そして、池田氏がいなくなった後については何も言及していない。
国際性について語る最終章はややうさんくさくなる。
・初代会長・牧口常三郎、二代会長・戸田城聖……創価学会の礎を築いた2人の指導者が獄中にあって信仰を守り抜き、1人は落命していたという事実は、創価学会の運動体としての精神を形成する上で核心を成している。
・題目を唱えることを極楽への「跳躍」としない。言い換えれば現在の生をあきらめない。……この「此岸性」が日蓮仏法の大きな特徴。
・国家諫暁(かんぎょう)
・身延山→大石寺
・憲法20条全体の趣旨は、あくまでも国家、つまり政治が宗教に介入することを禁じているのであって、宗教団体の政治活動を禁じているのではない
・「明治以降、宗門でも言われてきた国立戒壇論は、改めるべきであろう。そうしなければ、大聖人の仏法の真実を歪め、いたずらに社会の誤解を招くことになる」
・公明党は日蓮仏法の理念を現代社会に反映させ、反戦平和と大衆福祉の実現をめざす政党だと自らを規定し直すことで、党の輪郭が明確になり、……ある種のうさんくささが消える。