ブラックアウト 上 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041002551

作品紹介・あらすじ

電力送電線の異常によりイタリアとスウェーデンで突然発生した大停電は、瞬く間に冬のヨーロッパ全域へと拡大した。交通網をはじめ全ての社会インフラは麻痺し、街では食品の奪い合いや暴動が多発。原子力発電所でも異常が発生。完全に機能不全に陥った世界で、イタリア人の元ハッカー、ピエーロ・マンツァーノは、この前代未聞の事態が人為的に引き起こされた可能性に気づく。衝撃のリアリティでおくるサスペンス巨編。

感想・レビュー・書評

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  • それは交通事故からはじまった。トラックに下敷きになった乗用車、鳴りやまないクラクション、灯っていない信号機ー。
    火力・水力・原子力、あらゆる発電所が制御不能に陥り、ヨーロッパ中が停電に見舞われる。
    原因はなにかー。
    ハッカーのマンツァーノはいち早く異変に気付き・・・。

    というお話。
    考えたこともなかったですが、水道も電気でコントロールされてるんですか・・・?!?!
    電気がないよりも水が使えない(トイレの水が流れない)のは精神的なダメージがでかいです。居住区域を清潔に保てないのは辛いなぁ・・・。
    我々の通常の生活は、すべて電気がないとダメなんですねぇ。
    電話もアナログ回線しかダメだから、スマホはもとよりIP電話も使えない!ひゃー!こえぇえええ!
    早く下巻を読もうっと!コワイコワイ!

  • 「東日本大震災→福島第一原発事故」の惨事を、「ヨーロッパ大停電→原発事故」へと欧州全域に規模を拡大して再現した作品、といってもいいかも。

    大部なので登場人物は多い。加えて、登場する機関も多い。誰がどこに所属しているのか、最初はややこしくて混乱した。数ページで場面がぽんぽん変わるので、映像ドキュメンタリーを見ているような印象。"原発事故"がストーリーのハイライトでもあり、フクシマのことにも要所で触れられている。ヨーロッパの、あるいは世界の今後の電力供給、エネルギー政策に関する問題提起にまで踏み込んだ作品。

  • 福島第一原発の事故の記憶も生々しい現在、リアルに起こりそうな電源喪失テロ。ヨーロッパ全土に巡らされた送電網がほんのわずかな瑕疵によって恐ろしい破滅をもたらした。立ち向かうのはひとりの元ハッカー。キャラクター設定もストーリーのスピード感も爽快なパニック小説。上巻。

  •  阪神淡路大震災、東日本大震災。二度の震災を経験した。阪神淡路大震災ではど真ん中にいた。
     多少、犯罪めいたものはあったようだが、二つの震災の間でも秩序は守られていた。それは、被災地が限定されていたからだ。阪神淡路大震災では、神戸は壊滅的な被害を受けたが、大阪は機能していた。東日本大震災では、東京も計画停電などを強いられたが、機能していた。
     でも、この小説のように日本全土がブラック・アウトしたら。
     ボクは家族を守れるだろうか。
     まずは浄水器を買おうかな。

  • 下巻へ

  • 何だか某ダムを舞台にした織田裕二の映画を連想しそうだけど、その連想はあながち外れではないです。笑


    西ヨーロッパ全土が謎の停電に襲われる。
    その原因は、何者かの人為的な行為であると見抜いた元ハッカーを中心にした話が展開していく。スマートメーターやフクシマなどの用語からもわかるように、かなり新しい作品ですな。


    こういったパニック物の作品は個人的に非常に好きだけど、本作もなかなか悪くない。

    最初は平静を装っていた人々も、停電が長引くにつれ徐々に混乱していく様子はとても現実味があるので少し怖く感じたる。送電の仕組みなどもしっかり書かれているので、物語もしっかりと厚みがある。
    今作は上巻ということで、起承転結の起で終わっているけど、続きが気になってしゃあない。


    しかし、難点としては用語・人名・組織名がすんなり頭に入ってきません。
    西ヨーロッパから中央ヨーロッパの各国を舞台にしているけど、馴染みのない人間からすると違いを覚えるのに一苦労。この部分が結構本に没入させるのを妨げていたりする。ちょっとしたストレスを感じたり。
    えと…、これ誰やっけ?
    と思いながら何度も冒頭のページに戻って確認しないとついていけません。
    この辺りのストレス度合で作品を楽しめるかどうか評価を大きく分けるポイントかも。

  • イタリアとスウェーデンから始まった大規模停電が、他のヨーロッパの諸国にも広がった。
    上下水道もストップ。交通機関もストップ。病院も自家発電の燃料が底をつき、薬剤の補給もなく閉鎖。食糧の輸送もできず、店には商品が消えてゆく。
    各地の原発も核燃料を冷却できずにメルトダウンする原発がでてくる。
    元ハッカーのイタリア人マンツァーノは、偶然電気メーターに見慣れないコード番号が表示されていることに気づき、この大停電がテロによるものではないか?と行動を起こす。
    停電が十数日間に及んで暴動が起きるなか、元ハッカーであったことが災いしてテロの一見ではないか?と疑われ、逃避行を続けながらも、サイバーテロを見つけ出すマンツァーノ。

    前半は各地で起きる停電の状況を描き続け、登場人物が多すぎてうんざりしてくるが、途中から俄然面白くなる。
    電力が失われた恐怖と、マンツァーノの逃亡劇と、ハッカーとの攻防。

    原発事故にせよ、サイバーテロにしろ、全くあり得ない話ではないので、背筋が寒くなりながら読んだ。

  • 1

  • 読んだほうがいい。面白い。
    シャワーの有り難みがめちゃ共感できた。

  • ヨーロッパ全域を襲った未曾有の大規模停電。
    元ハッカーのマンツァーノをはじめ、
    各地(各国)の電力公社や国自身、そしてテロ対策部隊などがこの危機に向かっていく。

    人々ははじめこそ楽観視していたが、
    停電が長引くにつれ、不安や恐怖が肥大していき、食料や燃料を強奪するといった暴動も起き始めている。

    彼らは、この危機をどのように対処していくのか。
    そして、この停電をおこした犯人は誰で、何が目的なのか。

    というあらすじ。


    登場人物の多さ、視点の切り替わり、場所の移動といったことが注目するところかな。

    文章でよむとちょっと大変さがあるけど、
    映画にしたら面白そうな内容。

    後半に期待。

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著者プロフィール

1967年、ウィーンに生まれる。オーストリアの日刊紙デア・シュタンダードのコラムニストとして活躍し、現在はウィーンとハンブルクの広告会社で戦略コンサルタントおよびクリエイティブ・ディレクターを務める

「2015年 『ゼロ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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