芙蓉千里 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 554
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041005323

作品紹介・あらすじ

「大陸一の売れっ子女郎になる」夢を抱いて哈爾濱にやってきた少女フミ。妓楼・酔芙蓉の下働きとなった彼女は、天性の愛嬌と舞の才能を買われ、芸妓の道を歩むことになった。夢を共有する美少女タエ、妖艶な千代や薄幸の蘭花ら各々の業を抱えた姉女郎達、そして運命の男・大陸浪人の山村と華族出身の実業家黒谷…煌めく星々のような出会いは、彼女を何処へ導くのか!?…女が惚れ、男は眩む、大河女子道小説ここに開幕。

感想・レビュー・書評

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  • 大陸一の女郎を目指してハルビンにやってきたフミが舞の才能を見出されて芸妓として成長していく物語

    活発な跳ねっ返り娘が型破りながらも麗しい舞姫として育っていく中に、同じ日本からやってきた友達との友情やら人一倍の努力やらが忍ばせてあって、これは文字で読むタイプのジャンプだなぁと思った。

    かなり悲惨な背景にも関わらず、目端の利く主人公のさっぱりした性格および情景描写であまりしんどくならずに読み通すことができた。それとも、過酷な背景に映えるシスターフッドが、意外とわたしの好物だったのかもしれない。
    不勉強なもので近代史があまり良くわからず「そういうもんなのか」でいろいろを済ませてしまった。もうちょっと勉強してからもう一度読み返したい。

  • 単行本のほうを読みました。実際に存在していた"からゆきさん"たちに通じるお話でした。
    心苦しい気持ちになるところもありますが、苦界に生きる女たちの強さを伝えてくれます。

  • 日本から大陸に渡った少女の成長物語。
    彼女たちは生きていくために、自分自身を商売道具としている。
    フミとタエ。まったく違うタイプの2人が支え合って、時に嫉妬し合い、強く成長する姿には力をもらった。
    フミの芸妓らしからぬ強い物言いはスカッとする。

  • 腹括った人は強い!

  • 実に惹き込まれる話だった。過酷な状況にあっても、幼い頃から生きることに貪欲で、ギラギラしていて、人によってはみっともなく、けれど嵌る人には目を離せなくなるフミ。その背景にある女郎屋、極寒のハルピン。タエへの嫉妬が混じった複雑な友情、他の女郎達のどろどろした感情、好きな男を想う恋情、全部がフミの舞に昇華されていく。ここで終わってもそれなりにすっきりする話だが、続きがあるのね。読まねば。小編の「桜の夢を見ている」もとても良かった。辛辣で真理をつくフミ、小気味良い。タエも芯が強くて好き。

  • シリーズ1~4巻全てを読んでの感想。相変わらずこの作者の書く女性像は格好良い。波乱万丈で、時代的背景も含めて壮大な物語だが、ちょくちょく乙女心を刺激する面白さもある。フミは誰と一緒になるのか、と気になっていたがそこは須賀さん。そんな単純な話ではなかった。え、そうなるの!?と思いつつ1巻のシーンを思い出すと感慨深くなったり。


  • 芸妓とか遊郭とか聞いたことはあっても、実際その中がどうなってるのか知らなかったから女郎たちのあまりの人権のなさにびっくり。

    続きも読みたい。

  • 面白かった!
    最近何かとこの時代の朝鮮に触れることが多い気がする

    歴史の勉強にもなるなぁ
    髪型とかいちいち調べたりして…

    このおフミが千里をかけるお話。これから先どんなことが彼女をまっているのだろう。
    続きが楽しみ

  • 展開が早くてテンポがいい。キャラクターや設定も魅力的でさくさく読み進められました。

  • 二十世紀初頭のハルビンにある遊郭を舞台にしたお話
    一巻部分は上製版からの再読
    改めて読むと『帝冠の恋』を思い出させる急展開
    必要なところは十分に描かれているのではあるが
    一切脇に逸れなさすぎで恐ろしい
    出来過ぎ感をもちろん感じるが
    強引に力技でねじ伏せる
    『アンゲルゼ』はゆっくり過ぎたのかいや違うな
    これでも成り立っているのが奇形的

    内容には関係ないが解説が酷く本としての価値を大いに損ねている

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著者プロフィール

『惑星童話』にて94年コバルト読者大賞を受賞しデビュー。『流血女神伝』など数々のヒットシリーズを持ち、魅力的な人物造詣とリアルで血の通った歴史観で、近年一般小説ジャンルでも熱い支持を集めている。2016年『革命前夜』で大藪春彦賞、17年『また、桜の国で』で直木賞候補。その他の著書に『芙蓉千里』『神の棘』『夏空白花』など。

「2022年 『荒城に白百合ありて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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