小説 言の葉の庭 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041026151

感想・レビュー・書評

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  • 色んな登場人物の視点から書かれる系半端なく好きです。

  • 先ず映画が最高
    46分であのクオリティは名作と言わず何と表すのか

    しかし書き切れていないのか、敢えて削ったのか、曖昧な部分も多かった
    だから小説はその補足資料、というところなのかな

    登場人物、一人一人が人間であり、物語の奥行き感じれました
    この作品を公開当初に映画館で観れた事は幸運だった

  • 期待に違わず、素晴らしい本だった。
    映画の中の映像も美しかったけれど、文字に表した雨の情景や繊細な心の動きが、音が聞こえてきそうなほどにリアルで綺麗。
    大人になろうと背伸びするけれど、どうしようもなく幼く繊細な心を持った孝雄と、子供のように脆くて傷つきやすい大人の雪乃。生徒と教師、子どもと大人、男と女、希望と失望、雨と晴れ。様々な対比が、苦しいくらいに胸に迫ってくる。
    孝雄の作った靴は、雪乃にどんな未来を歩かせるのかな。

  • だいぶ周回遅れで観た「君の名は。」にいたく感動して、新海さんのサイトで昔のPVなどを懐かしく眺めていたら、「あれ、この作品観てない!」と今更気付いて小説版を手に取ってみました。物凄く乱暴に印象をまとめてしまうと、

    「ハッピーエンドを迎えるノルウェイの森」

    …ほうぼうから怒られそうな感想ですね。読書量の少なさ浅さを露見させているようなものです。

    「どうせ人間なんて、みんなどっかちょっとずつおかしいんやけん」-回想でしか出てこないこのセリフが登場人物たちの全てを表しているような気がします。誰もが少しずつずれていて、誰も悪くないのに噛みあってはいけない歯車が偶然かみ合ったかのように人生は狂っていく。もがき、悩み、泣いて、乗り越える。その先の-いや、暗中模索のさなかでさえも、世界はなんて美しいのか。

    うん、こんな話、大好きです。読後に残る清涼な感傷を、いましばし胸に留めておきたい。そんな素敵な作品でした。

    小説版も新海監督ご本人の筆によるものですが、あとがきもなかなかに興味深いものがありました。映像には映像の、文章には文章の得手不得手があって、そこに快感を覚えたり苦闘しておられる監督の姿が微笑ましかったです。加えて言うならば、本書を読んでいる最中に映画の主題歌が秦基博「Rain」(原曲は大江千里。もっとも、自分が聴き馴染みがあるのは槇原敬之のカヴァー版ですが)であると偶然知ってびっくり。似合う、この曲は絶対似合うに決まっている!どこかで映画版借りて来ようかしらん。

  • 好きな人のこと、
    「食べるのがヘタな人」
    と言っていたのが印象に残った。

  • #読了 私には合わない小説だった。風景の描写などは美しいけれど、登場人物のことごとくに腹が立ってイライラしてしょうがなかった。登場人物に共感できない小説は多いけど、これはまた別種の感情だったなぁ。

  • 映画を観てからかなり年月が経っていましたが、どちらかというと爽やかな映画だった印象があったのですが。。
    小説は雪野先生と孝雄の周りを取り巻く人物にも視点が当てられていて、結構生々しいシーンもありこんなにドロドロしているとは想像していませんでした(笑)
    それぞれの人物の過去や家族構成や生い立ち、抱えているものが丁寧に描かれていたので、どの人物の心情にも共感できる部分があったのは良かったです。また、雨の音や土の香りや緑、野鳥等の情景描写は、映像に負けないくらい小説も味があって美しかったです。

    もう一度映画を観てみたいです!

  • 雨の日に読みたくなる本だな

  • 新海誠ファンで、映画も既に見ていて大好きなこの作品。
    いやこれめっちゃいいな。
    映画では描かれていなかったそれぞれの登場人物の出来事や思いがここで知ることができる。それもただのノベライズや番外編じゃなくて、描写がとてもいい。そしてそれぞれの章の終わりに万葉集の歌の引用が載せていることで、人物の気持ちをより表している。
    そもそも万葉集と現代の恋を結びつけて描くあたり新海誠はすごい。し、作家としての新海誠の才能もよく感じられた1冊だった。他にも小説書いてほしいなぁ。

  • きれいなきれいなお話。映像美が想像できる、清らかな空気が、この物語のキモとさえ思える。
    それなりの厚さのある本だが、さらさら読める。情景描写が巧みで、登場人物の心や感情の機微が丁寧で分かりやすく、素直に入ってくるから(安易という意味ではない)。

    「君の名は。」よりもずっと静かな空気を纏う作品で、どんな年代でも読みやすいと思うけど、ちょっと大人向けかなと思う。
    15歳の少年の大人になろうと足掻く不器用さ、27歳の大人なのに周囲や自分が求める大人になれない息苦しさ、自分の心を追い詰め追い詰められ歩けなくなる不自由さ、子供の方が自分を追い越してオトナになっていってしまう様なもどかしさ、そういった物が詰まっていて、みんなどこか不器用で、大人はみな自分の経験と重ねて、ちょっと心がキュウとなるのでは。
    万葉集が使われてるあたりも、切なさを醸す一助かな。
    アニメ未鑑でも頭の中に映像がくっきりと表現されるのは、映像がお仕事の方がおこした文章だからなのか。

    いつ人物の心が動いたのか、あの人はどうなったのか、など、いつ気持ちが変わったのか?など、所々気になるところはあったから、また読み直したい。

    ところで、君の名は。で万葉集を教える古典のゆきちゃん先生って…
    とか、
    勅使河原とサヤチン、ここにも出てきた、パラレルワールド??
    とか
    君の名はで瀧くんがバイト先の店名が、イタリア版の「言の葉の庭」のタイトル
    だとか、色々芸が細かいぞ、新海ワールド。
    楽しみ方が色々あって良い。

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著者プロフィール

1973年生まれ、長野県出身。
2002年、ほとんど個人で制作した短編作品『ほしのこえ』でデビュー。
2016年『君の名は。』、2019年『天気の子』、2022年『すずめの戸締まり』公開、監督として国内外で高い評価と支持を受けている。

「2023年 『すずめの戸締まり(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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