不在

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 630
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041049105

感想・レビュー・書評

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  • 思っていた以上に良かった。
    もやもやした持て余す感情を文字に起こしてくれている。
    ちょっときれいすぎる表現だけどソコは今後に期待

  • 「愛は花だ。昔、きれいな花が咲いていた。それでいいんだ。」247ページ

    愛じゃなくて「忠誠」だというシーンで、わかるよ!と共感した。読んでて息苦しかった。親と子なのに相容れない。親と子、近すぎるから相容れない。団塊の世代と団塊Jrみたいだな…と思いながら読んだ。けど苦しかったな。一気読み一日で読了。ぐいぐいきた。けど苦しすぎて苦手。

  • 感情の高ぶるまま動いたり、支配することでつなぎとめようとしたり、人間らしい正直な小説だなと思った。

  • 不快感を抱かせることができる小説はすごいと思う。
    不快の理由はふたつある。単純に彼女がいやなやつだからだ。いるいる、こういう女。ヒステリックに、感情でものを言う。
    同時に、お前もそういう一面を持っているだろう、と突きつけられている気分になって、不快感が増す。
    上手に飼い慣らしてやり過ごしているものを、目の前に晒される気持ち悪さ。
    この小説に、ひとかけらも共感など出来ない自分でいたかった。
    まあ、ないものねだりなんですけどね。文章でこの不快感を引きずり出す、小説家っていうのは本当にすごい生きものだなあ。

  • 登場人物がみんな人間くさくて面白い作品でした。それぞれの想いがすれ違いあってて不器用で切ない。でも、主人公の考え方の変化が分かりやすくて読みやすかったと思います。自己中さがちょっと気持ち悪かったけど。笑
    私の名前も明日香です()。

  • ★4.0
    父親の遺品整理が進むにつれて、歪な関係になっていく明日香と冬馬。徐々に明日香が嫌な女性に見えてくると同時に、相手に大切に扱われることで愛を測る部分が、自分の中にも少なからずあることを知る。が、自分の望み通りのものが与えられる=愛、ではないと思う。そのギャップは恋人間でも親族間でも起こり、大きな嫌悪や後悔や苦痛を伴う時もある。ただ、そんな呪縛から解き放たれるような、全てを赦されたような優しさが本書にあった。欲する相手が傍に居なくても、相手との間に愛が存在しなくても、個としての自分と相手は存在する。

  • 帯につられて。

    遺品整理、自分探し?
    だけど思ったような謎はなく、イヤミスでもなく、
    さほど心惑わされなかった。

    文章の上手な作家さんだとは思う。
    超売れっ子の漫画家さんが主人公。

  • 漫画家で五歳下の恋人と暮らしている『明日香』。幼い頃に両親が離婚し、疎遠になった父が死んだと知らせが来る。遺言書には「明日香以外の親族は家に入ることを禁ずる」と書かれていた。その意味を測りかねながらも、明日香は二十数年ぶりに実家の洋館へ足を踏み入れる。

    厳格な祖父母の期待に支配する家には身の置き所がなかった子ども時代。力不足でありながら期待に応えようと家に縛られた父。ありのままの自分を受け入れてくれる愛を欲するあまり、恋人との関係も上手くいかなくなる。
    自分の形を押し付ける主人公に嫌気を感じ、金銭面で甘えながらも自由に振る舞いたがる恋人にイラッとする。男女間の複雑な愛憎はスッと入ってこず、読み終わるのに時間がかかってしまった。
    私は、『斑木アスカ』のマンガを読んでも、面白いと感じられない気がした。

  • 2019/06/30 読了。

    図書館から。

    初著者作品。

    読みやすかった。
    家族とか愛とか…?

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

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