水曜日の手紙

著者 :
  • KADOKAWA
3.69
  • (73)
  • (165)
  • (153)
  • (18)
  • (4)
本棚登録 : 1431
感想 : 133
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041073162

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 初読みの作家さんではあるが、たまたまもう1冊同時に図書館から借りている本がある。
    まずはこちらから。

    登場人物の直美も洋輝も、受け取った手紙のお陰で自分が踏み出せたと思っているし、手紙が自分を変えてくれたと思っているけれど、本当は手紙を読んだ自分達がどう受け取るか、そして彼らは自分自身で変わろうとした。
    そんな話。

    この本に頻出の単語「脳裏」「胸裏」「レモン色の朝日」。
    「胸裏」という言葉は、今までに読んできた1000冊以上の本の中に見た覚えがないなぁ。
    もちろん読めるし、意味も普通に想像できる通りの単語だけれど、私は初めて見た単語。
    たぶんこれらはこの作家さんの癖であり嗜好であるのだろう。
    もう1冊の方にも出てくるかな?

  • 毎週水曜日しか開局しない水曜日郵便局。
    その郵便局では、公式の便箋を使って、水曜日郵便局宛に送ると、その送られた全国の手紙を郵便局員がシャッフルして見知らぬ誰かに送ってくれるサービスがある。そのサービスを利用した、2人の見知らぬ男女と、その郵便局で働く局員の5つの物語だった。
    サービスを利用した女性は、現実を隠したくて理想の自分をあたかも現在実現しているように書いた手紙。男性は酔っ払いながらも、心からの本音を つらつらと書いた手紙。
    まさか、その2人の手紙がお互いの未来や人生を変えるきっかけになるとは思わなかった。
    どの物語を読んでも後味がさっぱりしており、爽やかな気分になった。
    続編があればいいなぁと思った。

  • 自分のまわりの人を羨ましく思うことがあるけれど、いつも「隣の芝生は青くみえるだけで、人それぞれ、何かしら悩みや不安がある」と思いながら生きています。でも、いい聞かせているだけで、そう思えない時もあるのが現実でした。
    そんな中、森沢さんのこの「水曜日の手紙」に出会い、やっぱりそうなんだ!と、人それぞれ、何かしらあると思い、自分は自分で、頑張って行こうと思いました。
    そして、文中の、
    「人生をいちいち深刻に考えている奴は深刻な人生を送ることになるわけだし、人生なんて遊びだと思って楽しく考えていたら、人生そのものが遊びになる」
    「ようするに、せっかく生まれたからには遊ばなきゃ損-。」
    「人間って生き物は、ちょっと賢すぎるから、ついつい頭で損得ばかりを考えて行動しちゃって、その結果、後悔することが多い」
    「大切なのは、頭じゃなくて、心に従って行動すること。そうしていれば、物事が上手くいっても失敗しても、後悔することはない」
    「自分の心に耳を傾けて、その感情に素直に従って生きてさえいれば、死ぬときも、きっと晴れやかな気持ちでいられるよ」
    っていう言葉の数々が、ぐっと胸にきました。

    心に従って、生きてみようと思います。

  • ロールキャベツを読んだ後に森沢さんの作品を読みたくなって手に取りました。
    誰かが書いた手紙が水曜日に届く。どんな手紙が届くかドキドキですね。それで今までとは違った事に挑戦してみるってとっても素敵な事だと思います。

    水曜日の手紙は実際にやっていたんですね。現在は閉局しているようですが、読んだ人が前に進むきっかけになっているこを願います。

    とっても素敵なお話でした。

  • 水曜日郵便局に手紙を送ると別の人から手紙が届く。手紙を書いた人、もらった人、郵便局局員のそれぞれの好転する生き方にほっこり、癒される物語。
    最終章が、「ーーーーの遺書」とあったのでどんな悲劇が待っているのかと思って読んでいくと、なるほどと納得の好転する運命を予感させる最終章でした。
    印象に残った文章
    ⒈ 小さなふつうの人生
    ⒉ レディーバグ
    ⒊ 他人を喜ばせて自分も喜ぶ。

  • 誰かの水曜日の手紙が知らない誰かに届き、その内容に励まされて人生の新たな扉を開くという内容。

    重たいこころの動きとか、他人と比較して妬む気持ちとか読んでいて、うん! そうそう!と共感しまくりで物語に引き込まれた。

    他の作品の登場人物も出たり??して頭の中が混乱したが、森沢作品定番の?レモン色?とか鳶の鳴き声とかあり、ふーっと力が抜けて心地良くゆったりした気持ちになれる。

    知らない誰かの手紙だから素直に受け止められたのかな?

  • 見知らぬ誰かの水曜日が届く「水曜日郵便局」。
    登場人物たちそれそれの道があって、考えが違う人生。
    特に2章は今の私にグッと刺さる台詞がたくさんあり、これからの人生で悩んだ時に読み返したいそう思えるものばかりであったといえる。
    人生について、これからの未来について頭で考えていることはあっても行動に移せず「ああすれば良かった」と後悔することの多い私にとって喝を入れてもらった一冊だ。

  • 森沢明夫作品。4作品目。

    「誰かの言葉があなたを変える」「あなたの言葉も誰かを変える」最後まで、心に響きます。

    水曜日郵便局では、手紙を送ると、誰かから手紙が届くという。手紙によって、目に見えないものを分け合うように。

    「目に見えるモノを誰かと分け合えば、自分の分は減ってしまう。でも、目に見えないモノ——例えば、優しさや倖せは、誰かに分ければ分けるほど増えていき、しかも、自分の分は減らない。いや、むしろ増えさえする」と、語る。そして、誰かの人生を変える物語が始まる。

    身近な友人が邁進している姿を羨んだり、憧れの仕事に挑戦しきれない主人公。彼らの背中を押したのは、きっと、同じ想いを持った見ず知らずの他人だった。あたかも夢が連鎖してゆくように、囚われてゆく。結局、人って欲張りですね。生活のためだけの生き方に我慢できなくなる。誰かのために夢を捨てる、犠牲になる、そんな生き方は、耐えられない。きっかけがあれば、成功する・しないは別として、ジャンプできる。その契機が、挑戦を促す・駆り立て、運命を読み込むのかもしれない。

    「あなたと、あなたの周りの人たちの未来が最高にきらきらしたものでありますように。いつも笑顔でいられますように。あなたが、あなたらしくいられますように。」この手紙に、涙が止まりません。折角、生まれてきたんだから…。

  • 宮城県の鮫ケ浦という海沿いの町に
    小さな郵便局があるという。
    そこの郵便局宛に水曜日の出来事を書いて送ると
    他の誰かの書いた水曜日の手紙が届くのだそうだ。

    この物語を読みながら、私だったら何を書くだろうかとずっと考えていた。
    辛いことをそのまま書いたら、きっと読む人を辛くさせてしまうだろうから一生懸命楽しいことを書こうとするかな。
    でもやっぱり、誰かに聞いてほしくて誰にも言えない辛いことを書いちゃうかな。

    なりたかった自分の姿を書いた主婦も
    諦めきれない思いに区切りをつけようと手紙を書いたサラリーマンも、届いた手紙に勇気をもらい
    一歩を踏み出す。

    私も誰かに手紙を出したくて読み終わってすぐに調べてみたのだけれど
    『鮫ケ浦水曜日郵便局』は閉局してしまっていました。
    書きたかったなぁ・・・水曜日の手紙。

  • 心が温かくなった。
    誰かが誰かの励みになる。
    森沢明夫さんの本はとってもいい。

    『遊び心』
    人生をいちいち深刻に考えている奴は深刻な人生を送ることになるし、人生なんて遊びだと思って楽しく考えていたら、人生そのものが遊びになる。

    心に残った言葉
    ・自分の心に嘘をつかない。
    ・よかれと思うことはどんどんやる。
    ・他人を喜ばせて自分も喜ぶ。

    確かにそうだなと思って、実践したら良いことがあった。大事なことに気づかせてもらえるから、読書はいいし、有難い。本を読まない人はもったいないと思う。

全133件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森沢明夫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村田 沙耶香
東野 圭吾
島本 理生
瀬尾 まいこ
凪良 ゆう
三浦 しをん
辻村 深月
恩田 陸
森見 登美彦
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×