水曜日の手紙

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041073162

感想・レビュー・書評

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  •  井村直美の空想
    毒ばかり吐いている自分と比べて、優雅な伊織への嫉妬心。後の章で伊織の苦悩もわかるのだけれど。
    人生は心掛け一つで良い方に転がって行く…なんてそんな簡単な訳じゃないだろうけど、ぐずぐず考えている時間があったら楽しい事を考えて。小さな幸せに気付き笑顔を心掛けたら、好きな自分になれるかも。

     今井洋輝の灯台
    稀に抜群の才能を感じる人はいるが、大抵の人はそんなものを持ち合わせてはいない。
    天が与えるのは溢れる才能や夢?それとも自分を信じて才能を発揮させる、夢を叶えようとする意志や力?あるいは何も与えてはくれず才能も夢も自分次第という現実?

    光井健二郎の蛇足

    震災の津波で犠牲になった妻、母を想い寄り添うように生きて来た父娘。触れる事を避けてしまう傷は互いを思いやる心に。ぽっかりと空いてしまった穴を塞ぐ事も忘れる事も出来ないけれど、少しずつ癒えて行きますように。
    人間関係がどんどん希薄になっている世の中で、家族くらい重たくてもいいじゃない。


    井村直美の食パン

    井村直美の空想の続編。
    水曜日郵便局の局員、光井健二郎が意図的に届けた今井洋輝からの手紙で前向きになれた直美。
    想いを素直に言葉にすると、人と人は心が通い合い毒など溜まらなくなる。そして相手も自分も好きになれる。

    今井洋輝の遺書

    今井洋輝の灯台から3年後。
    一度は諦めたものの井村直美から幸せな成功者として届いた手紙に心を揺さぶられ、自分が書いた手紙の宣言通りイラストレーターの道を歩き出していた。
    笑顔の連鎖、楽しい気分はハッピーエンドのバトンを繋ぐ物語。自然とそうなれたら。

    それぞれの物語の主人公は決して会う事はなく手紙だけで繋がっている。その手紙が互いの人生に影響を与え、良い方へ向かわせるきっかけに。

    誰の元に届き、どんな人が読んでくれるのかわからないから、書ける事もあるのだろうな。

    三つの法則
     ・自分の心に嘘をつかない。
     ・よかれと思うことはどんどんやる。
     ・他人を喜ばせて自分も喜ぶ。 
    中々に難しそうだ。

  • いつも森沢明夫氏の著書は読み易い。一気によみました。奇跡が起きる。素晴らしい。

  • 背表紙が好みで手に取った本。すごく前向きないい話なんだと思うけど、すさみきった私には少しキラキラすぎて「いやいやそうは言ってもね」って言いたくなってしまう。幸せそうに見えて苦労もあった登場人物の友達の女の子の生活や本音の方が気になって仕方なかった。彼女が教えてくれた『三つの言葉』こんな言葉を素直に受け止められる人間になりたいなぁ。無理だぁ。

  • 久々に泣けました。

  • 温かい。
    妬む気持ちがよくわかってしまう自分。どの道を選んでも一長一短なのにね。「きみがわらうと」笑顔の連鎖。そうであってほしい。
    ポジティブに考えるだけでもポジティブになれる。水曜日の手紙は嘘であってもいい。それで自分の気持ちを引き上げ、またそれを読んだ人の気持ちも引き上げられる。それでいいのでは?
    さらさらとした朝の澄んだ風、レモン色の朝、キリリとひきしまった三日月。色や感触や形を想像して楽しい。

  • 誰かの水曜日の出来事と、自分の水曜日の出来事を書いた手紙がランダムに交換されて届くというのはロマンがあるなぁと思った。

    自分にとっての普通は、誰かにとっては非日常だというのが面白さを感じる。

  • この本は、個人宛に感想を書きたくなってしまう

    私も、日記を書いています
    自分の中に溜めがちで、辛いとか弱音とか簡単に言えなくて。自分の気持ちを整理したくて書き始めてもう5年。
    読み返すとですね
    このときの自分は楽しそうだなぁ
    こんなに何に怒ってたんだろ?
    あぁ、めっちゃ病んでる
    ちょっと楽しいです。書いてて良かったと思います。自分を、振り返ることができるから

    今日という日は明日はこないかもしれない
    だから、楽しいことを、やりたいことをやろう
    躓いても、転んでも、動けなくなっても
    一緒に笑ってくれる人がいれば
    そして
    夢が叶えば、辛かったことも笑い合えるようになる

  •  2013年6月、熊本県津奈木町の「つなぎ美術館」を主体に、閉校となった旧赤崎小学校校舎にて「赤崎水曜日郵便局」なるものが開局したという。
     その後、発案者の一人が次の開催地としたのが、奥松島と呼ばれ、東日本大震災の被害にも遭った宮城県東松島市宮戸島で、2017年12月、旧鮫ヶ浦漁港にて1年限定で「鮫ヶ浦水曜日郵便局」が開局した。(現在は閉局)
     水曜日に起きた出来事や想いを手紙に綴り、水曜日だけ開局する郵便局宛てに投函すると、暫くして、他の誰かの水曜日の物語が記された手紙が送られてくる。
     後者の「鮫ヶ浦水曜日郵便局」をモチーフに書かれたのが本書である。
     連作形式で、手紙を送った者、送られた者、運営側の事情と、三つの視点で描かれている。
     手紙の書き手は、ささやかな夢を胸の奥に抱きつつも、忙しない日常生活と煩瑣な人間関係、他人への羨望に絡めとられ、流されるままに生きてきた主婦とサラリーマン。
     二人は、何気なく手紙を送り、受け取ることで、半ば諦めていた己の人生に、もう一度向き合う勇気を持つ。
     漠然とした空想が、手紙に刺激され、励まされ、決意に繋がり、理想通りではなくとも、理想の光が照らす道へと一歩を踏み出してゆく。
     手紙によって結びつけられ、見知らぬ他人の想いと自分の人生が交差する、不思議な縁をテーマとしたハートウォーミングストーリー。
     未来は常に、現実の先にあり、現実とは、自分の選択によって変わり得るものなのだと、改めて感じさせられる作品である。
       https://samegaura-wed-post.p3.org/

  • 他の小説に出てくる人物や場所も登場するので、あれこの人どこかで…?となるのが面白い。
    ムズムズする部分もあるけど、文章が柔らかくて気分があまり乗らないときにぴったり。

  • 知らない誰かからの手紙…欲しくはないかな。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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