小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041102527
感想・レビュー・書評
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文章の良し悪しを具体的に説明する事が出来なかった為に、読んでみました。
あくまで「小説の作り方」についてなので、文章の良し悪しはあまり詳細にはわかりませんでした。
解説はありましたが、メインは先読みの出来ない物語の展開の仕方、アイデアの生かし方、書きたいテーマにどう貪欲に頭をひねるかという事です。
受講生のあらすじの物語や一文を元に、大沢先生が解説していくのが、面白かったです。
文章に対して敏感になることは勿論ですが、基盤として文章の表現力・展開・アイデアを作る事以上にもっと根本的に経験を重ね、感性を研ぎすませる事が結局は重要との事でした。
あまり小説を書くことに関わる事がなくっても、良い本だと思います。
言葉を使う人間として、どう思っている事や考えている事を表現するかということは、日常生活にも必要なので、トーク力に当てはまる事も出来る気がしました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これまで沢山のシナリオの入門書などを読んできたが、これは読み物としてもとても面白かった。
そもそもエンタメ小説のトップ作家が、入門書を出すこと自体、めったにないことだがこの本はあらゆる人が読んでも楽しめる良書だろう。 -
2015年5月27日読了。大沢在昌が雑誌上で連載した小説講座の書籍化、12人の生徒たちの課題作品を講評し、小説の細かい技術はもとより「この世界で生き残っていく」ための心構えや覚悟について伝える。一番大切なこと、「オリジナリティを持つ」「アイデアが枯渇してもとにかく書く」などのことは結局誰にも教えられないことなのだろうが、推敲の重要性や視点の統一などの技法の解説は参考になるし、各文学賞の位置づけや編集者との付き合い方など「小説を書いた」「デビューした」先を見据えた講座内容には、なんというか大沢氏の誠実さのようなものを感じる。「元・野球選手などはいても、元・作家はいない」というコメントは重い。そういう仕事なのだろう…。
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実用性のある小説指南本です。
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面白ッ、参考になる。厳しさがいい。「天・地・人・動・植」参考にします(P198)
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小説を書くための技術が一冊の本に凝縮できるのならば小説家の仕事はそうたいしたものではないと考えるか、この内容をもってしても本来売れる小説家になるためには足りず+αは自分の才能だと思えるか。まあどちらに関してもそう考えていたら売れるレベルには到達しないだろう。
それよりも大沢在昌という小説家の存在技術をこの生徒たちが証明したのかどうか知りたい。デビューできた人たちがいるのかいないのか?
一人称の書き方
強いキャラクターのつくり方
会話文の秘密
プロットのつくり方
小説には「トゲ」が必要
文章と描写を磨け
強い感情を描く
課題
一人称で書く 原稿用紙30
ラストで「ひっくり返す」物語を書く 原稿用紙40
自分の書きたい世界を書く 原稿用紙50
テーマ競作 「バラ」と「古い建物」を入れた物語を書く 原稿用紙40
テーマ競作 「恐怖」の感情を書く -
そんなに全てを明らかにはしていないような…普通にたくさん小説を読んでいる人ならわかりそうなことばかり。確かによくまとまっているとは思うけど…そこは別にいいんじゃないだろうか。読者をなめてるんだろうか、それともプロの作家というのはたいしたことないのだろうか。
才能は教えられないと書いてあったけど、この本を手に取った人が一番知りたいのはその部分で、彼の中にあるその才能の部分をできる限り語ってほしかった。それは言葉で説明できないかもしれないけど、出来る限り試みてほしかった、全部語ると言うのなら。もうなんかアイデアの出し方的なものでもいいから。ひらめいたときのこととか。
まぁタイトルが全技術だからね、小説の大事なものって技術じゃないんだろうなぁ。
ただ、エンタメ小説が何を考えて、何を目指して書いているか、少しわかった気がした。分からなかった人に分からせる本って、すごいことなんじゃないだろうか。というわけて、 -
小説を書きたい人だけではなく、物書きを目指す人なら読むべき本。このクラスの作家と容易に話す機会などあるはずもなく、疑問に思っていることや疑問にすら思わないことを知る良いきっかけになる。
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新宿鮫でお馴染みの作者、大沢在昌氏の小説創作指南。
具体的かつ、分かりやすく、しかもこのような本にありがちな「退屈さ」を感じさせない秀逸な内容。
氏のエンターテイメントに対する意識の高さが講座自体にも滲み出ている。 -
小説を書くに当たって心得ておきたいことや、陥りやすい落とし穴などが書かれていてとても勉強になった。
出版業界の縮小に伴い激化していく作家社会でどうやって生き残るか。結局はインプットとアウトプット(特にインプット)、そして無から有を悩んで悩んでひねり出す努力というところに尽きるようだ。
ただ作家になるのではなく、「生き残る」作家に私もなりたい。