里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041105122

感想・レビュー・書評

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  • 私の地元が、まさに山里資本主義的な行動を着々と起こしていっています。
    なんにもない田舎ですが、その何にもないというのは、都会にあるような商業施設や娯楽施設、充実した医療施設などがないという意味であって、豊かな自然や小規模だからこそ充実した公共サービスなど、よそさまへ誇れるものはたくさんあります。
    有り余るきれいな水や澄んだ空気、活用されきっていない木材や田畑といった資産。
    一流企業で立派な肩書きを、だとか、がんがん稼いで億万長者に、といった夢を実現するには不向きな土地ですが、この本に書かれてあることを実践するには、もってこいの土地です。
    収入が低くてもなんとか暮らせていける環境。人との繋がりや、自然を活用して豊かに暮らせる環境の土台はあります。
    地元が好きで、都会に出て行くことなくとどまり続けていますが、その選択に自信をもらえた一冊。

  • お金より、人とのつながり、自然とのつながり。
    消費の仕方。
    都会に住んでても地元の顔が見えるものを買ったり、週末農業したりで里山的暮らしはできる。

  • 藻谷さんの講演を聞きました。
    その前に購入したんだけど、読み終わったのは
    講演を聞いた後^_^;

    読みやすかったし、お話を聞いた後だったのですっと理解できました。具体例も多くて参考になりました。

    だって私も過疎地が本拠地だからさ(笑)

  • 共感の嵐です。うちは田舎と都会の狭間のような状態で現在でもマッチョな開発が前線で活動しているような場所で、田舎からの脱却中の中途半端な感じがプンプンします。そんな中で田舎的な感じを馬鹿にしつつ、マネー資本主義にもなれない大人たちに違和感を感じていましたがこの本を読み、自分はは違っていないと確信が持てました。
    しかもこの里山資本主義は主流ではなく、それを補うものであり皆が出来るところをすれば良い。ただそれだけなんです。自分の立ち位置で考えられる。それが良い。特に都会に出ているがこれから田舎との関係も継続していかないといけないような人には読んで欲しい。
    本書の中ではちょっと小難しい経済の話も出てくるが、里山資本主義を実践し楽しんでるいる人がいっぱい出てきます。その人達と本の中で出会うだけでも人生にはプラスでは!
    仕方なしに管理している田畑、荒れ放題の竹林、行ったことない相続した土地、そんなところの利用法。旅行先での風景、道の駅でのパンフ、そんな出会いが笑顔の仕事を!
    この本を読んで内容を頭の片隅に入れとくだけでも、人生得だと思いますよ(笑)
    っと相変わらずな文章ですみません(笑)

  • いろいろ考えさせられた。考え方が変わった。たくさんの人が読んでくれるといいなと思う。

    2015.5.25

  • マネーゲームに嫌悪感を感じる私には、面白い本でした。


    県や地方単位でお金の出入りを調べるというのが斬新に見えました。
    いかに、田舎という単位でお金を回すか、それによって、田舎=お金が大変なところという常識(思い込み?)をなくしていく取り組みを紹介しています。
    ただ、やはり子育てをする(進学をする)には、外に出て行くお金が必要となってくるので、農業は大変というのが現状なのではないかと感じました。いかに、パラダイムシフトが出来、それが成功するか?にかかってきてしまっているように感じます。

  • 憧れの田舎暮らし、と言うとではなく現実に裏打ちされた生活が過ごせる様な自信が湧いた。
    いつかは生きていることそのものを味わいながら日々暮らせる生活をおくることが出来ればと思う。

  • <目次>
    はじめに ~「里山資本主義」のススメ
    第1章  世界経済の最先端、中国山地~原価ゼロ円からの経済再生、地域復活
    第2章  二一世紀先進国はオーストリア~ユーロ危機と無縁だった国の秘密
    中間総括  「里山資本主義」の極意~マネーに依存しないサブシステム
    第3章  グローバル経済からの奴隷解放~費用と人手をかけた田舎の商売の成功
    第4章  “無縁社会”の克服~福祉先進国も学ぶ“過疎の町”の知恵
    第5章  「マッチョな二〇世紀」から「しなやかな二一世紀」へ~課題先進国を救う里山モデル
    最終総括 「里山資本主義」で不安・不満・不信に訣別を~日本の本当の危機・少子化への解決策
    おわりに  ~里山資本主義の爽やかな風が吹き抜ける、二〇六〇年の日本

    <内容>
    「里山資本主義」。NHK広島放送局のプロデューサーの造語だそうだ。これは20世紀までの(そして今も多くの日本人が信奉している)「マネー資本主義」は日本のみならず欧米でも、新興国でも限界が見えている。それに対抗するための施策で、生活のすべてではなく、目くじら立てて「エコ」とか「節約」とかも言わず、エネルギーや食材など、目に見える範囲を自給していくことで(したがって、通販やショッピングモールや飛行機や車を使うことも否定しない)、人々のつながりを戻し、売り上げなどを倍々ゲームで増やすことにあくせくすることはなく、単純再生産レベルの経済で生きていこう、という考え方(上手くまとまっていないような…)。今後高齢化から人口が減っていく日本は、もう世界を相手に競争などしないでも(したい企業、したい人を否定せず、ただし国としてはそちらばかりを後押しせず)十分にやっていける。そのためには「里山資本主義」を経済のベースにすべきだという論は、首肯できる。かといって、自分が手をつけられるところは少ないのだが、こうした意見を生徒たちに広めていくことが自分にできる最大の仕事かな、と思う。

  • 日本の今の社会モデルの限界を明快に指摘したなかで、里山資本主義という新たな考え方を提唱しているスケールの大きな内容。
    面白く読んだ。
    事例としての可能性を示唆しているが、これを日本全体に当てはめていくには、作り上げなければならない数々のピースが必要。
    でも、そんな未知なるものにチャレンジしていくのも面白いと思わずにはいられない熱さを感じる本でした。

  • 読み終わって爽快さが残る本である。
    有史以来、生活するために人間に必要なアイテムを使いこなして来た気の遠くなるような時の経過があったにもかかわらず、産業革命後、人類の歴史は少々狂い始めた。
    道具に使われるという事態が発生し、不幸になってしまっている。
    余りにも道具のボリュームが大きくなりすぎて、それを稼働させるためのエネルギーを人類が制御不能な原子力に手を出してしまった(涙)。
    また、必要なものと必要なものを交換する手段であった「貨幣」が独り歩きし始めて暴走してしまっている。
    気の遠くなるような人類の歴史からすれば、産業革命以後の時間の経過など、「点」にもならないくらいの微小なものだ。
    この本は、元々人類が営々と積み重ねてきた本来の姿に戻るための方法論を示している。
    マネー資本主義に毒されたマスゴミとは異なる視点で、ホノボノする人たちの生き方がさり気なく紹介されている。
    生きていてよかったと感じられるすばらしい本でした。

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著者プロフィール

1964年、山口県生まれ。㈱日本総合研究所調査部主席研究員。1988年東京大学法学部卒、同年日本開発銀行 (現、㈱日本政策投資銀行)入行。米国コロンビア大学ビジネススクール留学、日本経済研究所出向などを経ながら、2000年頃より地域振興の各分野で精力的に研究・著作・講演を行う。2012年度より現職。政府関係の公職多数。主な著書に『実測!ニッポンの地域力』(日本経済新聞出版社)、『デフレの正体』(角川oneテーマ21)。

「2012年 『藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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