八つ墓村 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304013

感想・レビュー・書評

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  • 初、横溝正史作品。誰かも言ってたけど読みやすい文章だと感じた。
    金田一耕助の存在感はそんなに大きくなかったなぁ
    、今後に期待したい。

  • 映像としては見たことあった作品でしたが、本で読んだのはこれが初めてです。絶対、本のほうが最後までスピードを落とすことなく読むことができます。人物関係がちょっと複雑に感じる部分もありますが、金田一シリーズの中でもめちゃくちゃ面白いものだと感じました。サスペンスではありますが、地域の慣習や祟り、住民の人間関係や社会性なども含まれていて、事件の真相に絡んでくるこれらの要素が興味深いです。

  • やっぱり原作は面白い!

    映画もドラマも大好きだけど、
    本筋がその都度変わっているので、
    久しぶりにそうだった~っと、
    省かれていた重要人物やエピソードの1つ1つに
    懐かしくなったり、金田一耕助の原点に帰る
    ハラハラドキドキの楽しい陰惨の旅[笑]

    おどろおどろしい事件が進行しつつ、
    鍾乳洞の宝の地図や、
    崖一面から発せられる夜光苔の幻想的な景色、
    天真爛漫な典子ちゃんの恋にわくわく。

    八つ墓村の原作ではほとんど金田一さんの
    活躍がないところもまた面白い。
    モジャモジャ頭で風采の上がらない
    愛すべき人物・金田一さん。
    新しい物語が読めないのがすごく残念だけど
    何度も大切に読んでいこう。

  • まず、八つ墓村って、村の名前が怖すぎ。自分の出身地が八つ墓村だったらなかなか友達に紹介しづらいかも

  • ★★★★☆☆ 4.0
    とにかく不気味な雰囲気が個人的な好みには合いました。ミステリーやサスペンスはこうでなくてはならないと思っているタイプなので、とても面白かったです。やや分厚い本だけあってストーリーの充実度も満足がいくし、トリックも構成も筆者が思うように書いたのでしょう。シリーズ物だということも楽しみになるポイントかもしれません。

  • ☆4.0

    戦国のころ、三千両を持って落ち延びた八人の武士が村にやってきた。
    村人たちは欲に負け、金を奪おうと武士たちを惨殺。
    しかしそれ以来怪異が相次いて起こり、恐怖した村人たちは八人を祀ることでその怪異をおさめようとした。
    以降その村は八つ墓村と呼ばれるようになる。

    時は流れ大正時代、武士たちを襲った首謀者の末裔、田治見要蔵が突如発狂し三十二人の村人を惨殺した。
    要蔵は山に逃げ込みそのまま行方不明に。
    事件は解決しないまま二十数年後、田治見家の新しい当主候補として、自らの出自を知らなかった辰弥が八つ墓村を訪れたことから新たな惨劇の幕が上がる。


    形式が"すべて終わった後振り返る形で記述している"もの。
    今作は金田一さんの活躍が少ないこともあって、探偵小説というより冒険小説っぽさの方が強く感じた。

    前半は少しの恐怖とそれを上回る好奇心の洞窟探検だったのに、後半での洞窟での怒涛の展開と言ったら。
    ものすごいギャップ。
    洞窟の中の逃亡描写なんてえらい怖い。
    血走った目の奴に武器片手に追いかけられたらもう怖い。
    田舎の閉鎖性や村人の疑心暗鬼、人間の妬み嫉みの嫌な所が不穏さをより強めている。
    これだけ閉鎖的だと過去に囚われ続けてしまうのもままあることで。
    そこから増殖した憎悪というものは大変に恐ろしいものだった。


    そんな中の清涼剤、典ちゃんが可愛くて癒し。
    自分も知らない自らの出自に振り回されている時に、典ちゃんみたいな人に「お兄さん、あなたに会いたかったのよ」なんて健気に言われた日にはそりゃイチコロですわな。
    うん、可愛い。

  • 八人の落武者を欲に目が眩んだ村人が惨殺したことに由来する八つ墓村。その後に起きた32人の村人虐殺事件。凄惨な事件が相次いだこの村を、新たな連続殺人事件が襲う。伝説の再来か、その謎を金田一耕助は解けるのか。

    ぼくが『犬神家の一族』に続いて読んだ横溝正史作品。これで2作目。次々と発生する殺人によって、村という閉鎖的な環境が次第に狂っていく描写がすごい。領主の跡継ぎとして呼ばれた辰弥の手記で事件は語られる。影すら掴めない犯人によって追い詰められていく流れは間近で見ているかのような臨場感だった。

    「むろん、迷信ですよ。しかし迷信だからいっそう怖い。理屈では説き伏せられない頑冥さですからね」
    犯行だけじゃなく、迷信に染まった村人を巧みに誘導する犯人の手際が恐ろしかった。金田一ですら犯人の手中。というか、ラストは鮮やかな推理だったけど、もうちょい活躍してよ!って思ってしまった(笑)

    財宝探しの洞窟探検も浪漫があって最高だった。サスペンスの緊張感と、宝探しのワクワク感が同時に味わえる一粒で二度おいしい作品。村人に追い込まれ、疑心暗鬼の闇で見つけ出した愛情の光もよかった。どろどろした部分と冒険譚や人間ドラマの塩梅が絶妙。文章も古くなく、描写の密度はあるものの読みやすくていい。

  • やっぱり横溝正史面白いなあ。
    閉鎖的な村での連続殺人。
    後半は洞窟内の冒険章にかわります。

    複雑な関係性と人物の多さに混乱する所もありますが、終始おどろおどろしい雰囲気と半世紀前に書かれたとは思えない読みやすさで、ページをめくる手が止まりませんでした。

    金田一がほぼ出てこないのも意外。

  • 有名な作品だけど、今まで本はもちろん、映像でもみたことがなかったので、純粋に楽しめた。

    しかし、これは推理を楽しむというより、ある意味ホラー小説の比率が高いかもしれない。

    推理小説としては、
    ・金田一耕助の活躍の場が少ない
    ・犯人の判明の方法が原始的
    ・典子覚醒しすぎ

    という点からイマイチという印象。

    しかし、展開がどうなっていくのだろうと気になり、飽きずに読み終えることができた。


  • 1.おすすめする人
    →探偵小説が好き、日本文学を感じたい、
     ハラハラしたい

    2.内容
    →八つ墓村が自分の故郷と知らされ帰郷した男性。
     男性の周りで起こる怪事件と恋模様が
     人間味溢れる登場人物により、
     臨場感満載で描かれている。
     読み終わる頃には大きな満足感と
     少しの疲労感を抱く作品。
     金田一耕助に出会える、事後報告の探偵小説。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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