この闇と光 (角川文庫 は 10-4)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 858
感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041785041

感想・レビュー・書評

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  • 失脚し幽閉されている父王と盲目の姫君。ファンタジーかと思いきや、次章からまさかの展開に。
    何を書いてもネタバレになってしまうので、レビューが難しいけれど…盲目のレイアが、目に頼らず、手で触れ音や香りから世界を感じ、語る言葉がとても美しい。幻想的な雰囲気と現実的な世界が共存し、どちらも楽しめる作品。

  • 同人小説を読んだ心持ち。厨二くさいのかな。

  • 国を奪われて失脚した父王と一緒に幽閉された盲目のレイア姫。
    意地悪な侍女のダフネに怯えつつも小さな別荘で美しい物語に触れて成長するが、実は秘められたとんでもない出生があった。

    驚いた。
    小さな国の美しい姫君の悲しい話だと思って読み進めていたら、まさかの信州とは。レイア姫…

  • 最高にすき

  • 銅版画家という作者ならではの、耽美に満ち溢れた、神話的で独特な世界です。前半は、盲目の少女の一人称で展開するので、聴覚、触覚、嗅覚を中心に描かれ、薄気味の悪い外国のおとぎ話という感じです。
    後半は、物語の地盤ががらっと変わり、本当に驚かされます。見えるようになった主人公が見たものは何か。見えてしまった世界はどんな場所だったか。
    目が見えなかった頃は、美しい想像の中で愛に満たされ、楽しく暮らせました。彼女にとっての世の中というのは、自分で触れる身の回りと、父が話してくれる物語や文学、音楽だけで構成されていました。見えなかったからこそ、闇の中だったからこそ、見えたものがあったのです。
    前半は、冗長で退屈で、何度も投げ出してしまおうと思いました。でも、ここをガマンして読み進むと、後半はドキドキの展開となります。さらに、終わり方は含みがあり、もどかしさもあり。
    他には無いタイプの本ですから、たくさんの本を読んできた人にも新鮮だと思います。

  • 甘く美しい文章に惹かれるままページを捲る。
    うーん。大好きな一冊だけれど、結末が呆気ないというか。
    「お父さま」は何故認めなかったのだろう。

    再読したい一冊。

  • ミステリーとしては最高峰!! 脱帽です。
    限りなく星5つに近いですが、話の内容で星4つとしました。

    何を書いてもネタバレになりそうなので内容にはふれませんが、10年以上の前の作品、なぜ今まで出会ってなかったのか不思議です。
    (図書館)

  • こんなに美しい本を読んだことがない。芸術的。

  • 結局謎は解けないまま終わってしまった。まぁ、その方がよかったのかな。それよりも「光の中の闇」、「闇の中の光」を表現しているところが矛盾するようだけど納得できる…

  • 光は闇。きれいはきたない。反転する世界。
    神が世界を創造し、物語が世界を構築する。

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著者プロフィール

1948年生まれ。版画家。日仏現代美術展でビブリオティック・デ・ザール賞受賞。『時のアラベスク』で横溝正史賞を受賞しデビュー。著書に『この闇と光』、『一八八八 切り裂きジャック』(角川文庫)など。

「2019年 『最後の楽園 服部まゆみ全短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

服部まゆみの作品

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