キッチン (角川文庫 よ 11-8)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041800089

感想・レビュー・書評

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  • creoleさんの、本棚を見て、図書館で、再読しようと思いました。

    • りまのさん
      日本
      各地でも、花火師さんからの、エールの花火、あったようです。
      日本
      各地でも、花火師さんからの、エールの花火、あったようです。
      2020/08/25
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      コロナ禍で皆が塞いだ気分だから、綺麗なモノを見て少しでも元気が湧くと良いね!
      りまのさん
      コロナ禍で皆が塞いだ気分だから、綺麗なモノを見て少しでも元気が湧くと良いね!
      2020/08/25
    • りまのさん
      ありがとうございます!
      ありがとうございます!
      2020/08/25
  • いわゆる名作と呼ばれる本書、
    1度は読んでおきたいと思って手に取りました。

    ただただ日常が繰り広げられていくだけで、冒険や大きな事件が起こる訳でも無いのに、じんわりと心に染み入る言葉たちが、既に愛しいです。

    大切な人を亡くした「悲しみ」。そして未来へ進もうとする心。言葉では言い尽くせない所を、しみじみと普通の会話で表しているように感じました。

    キッチンの後の、ムーンライト・シャドウもよかったなぁあ。どちらも、大事な人と当たり前に一緒に居られることの有り難さを改めて感じました。

    今の私で感じたこと、未来の私で感じること。
    違ってくると思うから、手元に置いてまた読み返したいとおもいます。

  • 生きることと愛すること,食べることと,失うこと.

    初めて読んだのは高校一年生の時,学校の推薦図書に指定されていたからだった気がする.その時もすっかり気に入ってしまって,最初は図書室で借りていたけれども,すぐ本屋さんに走った.大学生になって塾講師のアルバイトをしていたとき,たくさんの生徒に読んでもらいたくて塾に寄贈した.
    そして最近,もう一度買うか迷って,電子書籍を買った.ハイライトが引けるのはいいものですよね.便利な時代になったもんだ.

    こうやって振り返ると,やっぱりこの本は私の原点というか,根幹に近いものなんだなあとすごく思う.こんなに長い年月を経て,繰り返し読む本は,この本以外には存在しない.だいたいのストーリーはもう頭に入っているのに,それでもこの本を開くのは,この文体に込められた空気を,とても愛おしく思うからだと思う.

    幸い親戚もまだ皆元気だし,近しい友人や恋人を亡くした経験は私にはないけれど.だからこの本の真価が分かるのも,当分先なのかもしれない.それでも,みかげの考え方ひいては著者の感受性がとても好きだ.みかげや雄一の誠実さ,こんなに人間臭いのに空虚なところが,相手のことを考えて突発的に行動してしまうところも,本当に大好きだ.

    好きな本は?と聞かれたとき,すぐにこの本が浮かぶけれども,いざ説明しようとするとどうしてもうまく伝えることが出来ない.
    文体が好き?雰囲気が好き?空気が好き?ってなんなんだよってなる.
    でも空気を見つめることが出来ないように,私はこの本への愛をもしや一生,言い表すことが出来ないのかもしれない.

  • うっとりするほどの、余韻、、、、。

    速読できない、
    私の小説を読むなら私のテンポ感で読みなさいと
    吉本ばななが、自分を矯正しているような、不思議な感覚

    日本語が1番輝く瞬間を知っているのは、この人なんじゃないか、

    人と深く関わることの良さを改めて知れる、胸が破裂しそうなほど良い

  • 大切な人を失うこと。そこから元の生活に戻っていくこと。その困難さとやるせなさと、それでも生きねばならぬこと。それを凄くリアルに、だけどもファンタジーも交えて書いていたと思う。本編のキッチンのお話し。とっても良かった。えりこさんの女性としての素晴らしさや、パートナーに対する、深い、それはもう深い愛を感じた。パートナーだけじゃなく、関わった人にも。

    今、自分が大好きな人と一緒にいれることは当たり前じゃない。それはこういった小説を読むたびに思うことであるけど、この小説はそういった大切な人を亡くした時に、深く響くのかもしれない。そんな時、正直来ないで欲しい。それでも僕が生き続ける限り、あるのだろう。その時、この本を読み返したら、少しだけ前を向ける気がする。

    作中に出てきた言葉をひとつ、引用したい。
    "愛する人はみんな死んでゆく。それでも生きてゆかなくてはいけない"

    悲しくも、生きるとはそういう事なのだろう。だからこそ、今生きている人たちと過ごせるひと時を、大事にして生きていこうと思う。

  • 僕が中学生位の頃、クラスの子に薦められた記憶を思い出し、このたび数十年の時を経て #読了

    今思えば、もし当時読んでいたら、今よりも少し豊かな(物質的にではなく)人生を送れていたのかもしれない。少しだけ思慮深く。

    ※ 勧めてくれた子は誰だっただろう…

    おじさんを、、名乗るものとしては、些かブランドイメージにそぐわないのでは無いか?とか勝手に感じる本の読了感想を上げているようで、モジモジしてしまいますが…

    素直に感銘を受けておりまして。
    鈴が鳴ったら泣きそうです。

  • 初ばなな。

    読み終わって1番最初に思ったことは
    今一緒にいられる家族や恋人との時間
    全てを大切にしたいと思いました。
    触れられること、他愛もない話をできることが幸せ。

    読んでいる途中も、そんな一人一人の顔が
    頭から離れなくなりました。

  • 中学生のときに出会って、今の私を作った本。この本をはじめて手に取ったときのことは今もはっきり覚えています。底まで沈み込んだときに、差し込んできた光みたいな本で、あの世にいくときに棺に入れてもらおうと思っているくらい、好きな本です。

  • 死 をとりまくお話が、2編。
    はじめて読んだか、中学生以来に読みました。(あまりおぼえていない)
    「ムーンライト・シャドウ」で泣いてしまった・・・
    とても、とてもつらいこともあるけれど、しっかりと前を向いて生きていこうとする登場人物たちの強さが、伝わってきました。
    吉本ばななは、切り取って部屋に飾っておきたい文章ばかり書くなあ。

  • 素直に、ぽつりぽつりと落とされる言葉に心がしんとする。心によりそってくれる本ってこういうことかなと思う。

    以下引用

    なぜ人はこんなにも選べないのか。
    虫ケラのように負けまくっても、ごはんを作って食べて眠る。愛する人はみんな死んでゆく。それでも行きてゆかなくてはいけない。
    とことん滅入った重い眠りを、それぞれが戦う夜。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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