くるぐる使い (角川文庫 お 18-5)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 93
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041847053

感想・レビュー・書評

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  • 大槻ケンヂのお話はどれも迫ってくるのがいい。
    「憑かれたな」など、設定としては星新一のカウンセラーのお話その他でみる類型なのだけれども、より身近でイメージしやすい印象。
    正常である状態と気狂いとなる境がなめらかなので、自分は大丈夫かな?という錯覚を安全な娯楽として味わえるのもいい感じ。

  • ドグラマグラ的な奇書の類いかな、というのが最初の感想だったけれどその考えはキラキラと輝くものを読んで一変した。それぞれの話の中の少年少女は確かに狂っていて、描写にもグロいものがあったりするけれど、読むうちそれが普通、身近なことのように思わされて、次には自分の中に共感が生まれて、最後には切なくなるこの感じは一体なんだ、すごく面白い。話は荒唐無稽なように見えてきちんと作られていて、中毒性がある。大槻ケンヂ恐るべしと改めて思った作品でした。

  • 青春時代のバイブル。
    今読むとどう思うのか。

  • すっごい、おもしろかった・・・!!なんていうんだろ、ロックでいかれてる話ばっかりなのに、全部悲しくて、いやな気分になって目もそむけたくなっちゃうのに、結局見ちゃう、みたいな。
    やっぱり表題作が最高です。「泣き死ぬ」って、いい表現だなぁ。ほぼ造語でここまでキャッチーな言葉もないと思います。
    全部どこかしら心理的要素がからんできて面白かったです。逆に言うと心理で説明できるものでここまで怪奇的に話を作れるのはすごい。加えてときおり出てくる“説明できないもの”の怖さが引き立つ。
    「憑かれたな」はすごく舞台でやりたいですね!最後の笑いまでググッとやりたい。
    そんなこと言ってわたしは「キラキラと輝くもの」が好きなんですけどね。
    若い人に読んでほしいなぁ。この本はこれからの糧になりました。糸井さんとの会談もおもしろかったー!

  • 自分の想像をはるかに超えた世界。衝撃的なシーンが脳裏に焼きつきこびりついた。人の悲哀というものが心を静かに流れた。ロッカーでありエッセイストであり、小説家でもある。凄すぎる。

  • 人生一度は
    精神病に
    なりたいな。

    酔う。
    この凄絶な
    この壮絶な
    物語に。

    せっかく今生きているのだから、
    大槻ケンヂにあってみたいな。
    よっこの天才といってみたい。
    智恵子抄の如く、くるぐる

    くるぐる…………―――

  • 久しぶりに読み返したら、中学から高校ぐらいの鬱屈した気持ちをほじくり返されて泣きたい

  • むかーしに読んだのだけど。話の内容をあまり覚えていないのでもっかい読みたい

  • どれを取ってもハズレなしの短編集。

    中でも「憑かれたな」は、京極夏彦の原形なんじゃないかと勝手に邪推してます(笑)

  • オーケンさんの小説で一番大好きな作品たちです。
    どうしようもないろくでなしの男が
    立場の弱い、(しかしけして頭がわるいわけでない)純粋な
    女の子をだまして自分の都合のいい狂人にしたてあげて
    しまおう・・・というなんとも残酷なお話。
    高橋先生のとても印象に残る表紙で一目ぼれして買いました。
    他2つの短編もとてもいい味してると思います。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。82年ロックバンド「筋肉少女帯」ボーカルとしてデビュー。その後もロックバンド「特撮」でも活動。その特異なキャラクターは音楽だけにとどまらず、映画、テレビ、小説やエッセイなど多岐にわたる分野で人気を集める。著作「くるぐる使い」「のの子の復讐ジグジグ」は2年連続で星雲賞を受賞。また『グミ・チョコレート・パイン』シリーズのほか『ロッキン・ホース・バレリーナ』『縫製人間ヌイグルマー』『いつか春の日のどっかの町へ』など著書多数。

「2022年 『夜の夢こそまこと 人間椅子小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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