奇子(上) (角川文庫 ん 11-29)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041851296

感想・レビュー・書評

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  • 戦後、地方、性、家父制度の暗黒面に狂わされる奇子の人生が不憫。

  • 奇子もかわいそうだけど
    お涼もかわいそう

  • 手塚治虫の作品の中でも
    ダークサイド中のダークサイド

  • 呪われた出生を背負い、運命にもてあそばれる奇子。地方旧家、天外家の人々を核に、激動の戦後史を背景に、哀しくもたくましい奇子の運命を描いた感動巨編!

  • 初手塚作品。
    絵が恐いけど、おもしろい。

    田舎にいけばいくほど犯罪は隠ぺいされ潜在化する、というホームズの言葉が聞こえてくる。

    出生を表沙汰にできない奇子を地下に閉じ込めるのだが、

  • 内容は重いですが、読んでいて楽しいです。
    当時のことを考えると、「こんなこともあるかもしれないな」と思えます。

  • 下山事件をネタにしていると聞いたので読んでみた。

  • けしからん色気です。
    恐ろしい女子。恐ろしい家族。恐ろしい手塚先生。

  • ちょっとアダルトな手塚センセイのマンガ。戦後の日本を背景に地方の旧家、天外家の人々を中心とした話。
     復員後、天外家の次男、仁朗が天外家に帰って来る。長男は財産目当てに自分の女房を父親に差し出し、父親は長男の嫁を妊娠させ、子を産ませる(その子が奇子)。仁朗は「この家は尋常じゃない。狂ってる」と思うが...。

     「...自分だけは例外だと思っているのか?...お前はスパイだったことを認めるか?マニラの収容所キャンプでお前は所長にこびを売るために何人日本人を裏切った?おまえは偽善者だ!....お前に一族を非難する権利があるのか?おまえはおやじよりあにきよりもっと愚劣で人間のクズだということを認めるか?」(一部省略)という心の声が聞こえる。おそらくこれがテーマのひとつでしょう。

     そして仁朗はGHQの秘密工作員として働く。ある日それを弟・伺朗に密告されるが兄・市朗に天外家の家名を守るため逃してもらう。そして秘密を知った奇子は地下牢に幽閉される。奇子は地下牢の中で美しく成長し、そして地下牢を出ていく。

     この作品といい、未完になった「ネオ・ファウスト」といい、戦後の事件を題材にしているのがけっこう多いですね。仁朗が関わった秘密工作はおそらく下山事件か松川事件(どっちがどんな事件か忘れたけれど^^;)をモデルにしているものだろうと思います。

     戦後史を見るという視点、「自分は偽善者でないといいきれるのか否か」ということを考えながら読む視点、奇子を中心としてみるなら、閉ざされた世界で成長するとどういう人間になるのかを見る視点、家制度の崩壊を見る(仁朗の母・いばが家に縛られた女性とすれば、奇子は家を捨てた---家から解放された女性と見ることもできそうだ)など、いろいろな視点から考えさせられるマンガだと思います。

  • 怖い、エロい、字多い。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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