奇子(上) (角川文庫 ん 11-29)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041851296

感想・レビュー・書評

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  • 田舎の閉塞感・戦後の混沌とした日本・近親相姦などなど。
    果てしなく暗い。えぐい。えろい。
    人間の「負」の部分を余すことなく描ききっています。
    そんな中で外の世界も知らずに閉じ込められて育った奇子は、
    傷ひとつなく美しく育つのだけどその常識・概念はひどく歪んでいた。
    もちろん周りの人間も。
    ・・・みたいなおはなし。

    手塚のこーいう暗いおはなしが大好きなわたしにはスマッシュヒットな作品でした。
    無知だからこその淫婦。奇子えろすぎる。

  • 何とも気がそがれる作品…わかっていたけれども…

  • 『#奇子(上)』

    ほぼ日書評 Day620

    手塚治虫の問題作、Kindle Unlimitedにて。

    1972年の作。迷宮入りとなった、戦後の国鉄総裁失踪・轢死も題材としながら、地方の名家におけるタブーに切り込む。

    下巻は、意外な結末が待っているそうなので、これも楽しみだ。

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  • 久々読みだが、鮮やかに人間と時代を描き出していて、本当に見事。手塚作品でも、一番好きな作品の一つ。歴史ものに終始しないのがすごいよね。

  • 手塚治虫さんの漫画なので
    一応読んではみたけれど
    暗いなぁ。人殺しの描写も普通に出てくるし
    何ともいえない悲しい気持ち。

  • こんなこともあったんだろうなあ、と昭和を感じる。

  • もう完全にドロドロさせることそれ自体を目的に描いているとしか。。これが日本の田舎であり、田舎はこの国の象徴。下巻で救いがあるのかしら。

  • かなり大人向けのマンガです。
    戦後の田舎の旧家が舞台なんだけど、いばりくさった戸主が長男の奥さんに生ませた娘さんがいちおう主人公の奇子(あやこ)ちゃん。
    死んだことにされて土蔵で育てられるの。
    で、彼女が外に出ることによって一族に不幸が訪れる…と。

    なんだか山岸涼子さんの『日出処の天子』の番外編『馬屋古王女』ってコレがネタ元なんじゃないかなぁ?
    実の兄弟間で妹を争って、結局最後は一族滅亡ちっくなところがそ~っくり!

  • GHQとスパイ活動、下山事件、ヤクザと政治家との癒着などのいかがわしい題材と、強烈な家父長制の下で汚物溜のように生きる狂気に満ちた天外一族の物語とが交錯する怪作。歴史の暗黒部と人間の暗黒部とが重なり合うのだから、当然不気味な作風にならざるを得ない。終盤に出てくる「こういう異常な状態にまともな論理が通用すると思うなら君は狂っている」という台詞は、むしろ作品全体を象徴するフレーズに思えてくる。期せずして一族への復讐を終え、作右衛門の血脈が滅びたあとに、一族との楔を断ち切った奇子が手に入れたものは自由だったのか、それとも…。

  • とあることから知った手塚作品だけど、まだ読めていないのではやく購入して読みたいです。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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