槍弾正の逆襲 (角川文庫 な 26-8)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 32
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041906088

作品紹介・あらすじ

天正年間、戦乱の続くなか、出陣中の嫡男の留守を狙い、老将保科正俊の守る高遠城に、小笠原・上杉軍が攻め寄せる。かつて武田信玄の下で槍弾正の異名をとった正俊も、すでに齢七十五の隠居の身。だが、圧倒的に不利な状況下、城を棄てる意見を一喝し、正俊は奇策を練る-表題作「槍弾正の逆襲」をはじめ、関ケ原合戦における小早川秀秋の"楯裏の裏切り"に抗した武将を描いた「松野主馬は動かず」など、独自の気概をもって生きた人間像を、あざやかに描く傑作歴史小説集。

感想・レビュー・書評

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  • この本は短編集で、
    ・槍弾正の逆襲
    ・袖の火種
    ・松野主馬は動かず
    ・加納殿の復讐
    ・醜女の敵討
    が収められています。

    槍弾正とは武田信玄に仕えた三人の弾正忠の一人である保科正俊のことです。
    この保科正俊が高遠城で、小笠原貞慶とその援軍である上杉軍5000の兵をわずか400の兵で撃退した話があります。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-2863.html

  • 4041906083 237p 1999・9・25 初版

  • 短編集です。表題の槍弾正の逆襲は武田家臣保科正俊の晩年の活躍を描いています。他には関ヶ原の戦いで小早川秀秋の裏切りをよしとせず、戦線を離脱した松野重元の物語も興味深かったですね。短編は5つですが、どれもさらっと読めます。

    読了日 2010年11月

  • 保科正俊と鉾持桟道の戦い、宇喜多直家の命で三村家親を狙撃した遠藤兄弟、松野主馬、釣天井事件、鏡山仇討事件の計5編の短編。表題の話は武田家で弾正忠を名乗った三弾正の一人で槍弾正と言われた正俊さんの最後の戦の話です。ちなみに「名君の碑」で正近が幸松少年(後の正之)に語った場面に出てきます。合わせて読むと二度美味しい感じです。単品で読んでも面白い話だと思います。遠藤兄弟のは直家の戦の動機がね。うん。これは読んでみてください。松野主馬は小早川秀秋に仕えて関ヶ原の折には返り忠に従わなかった人。彼が伴団左衛門(塙団右衛門の子)に秀秋の死因等を調べさせます。従わなかった彼がどう動いたのかってのが分かります。聞いてきた死因がどれもメッソリな感じなのは切ない感じ。釣天井は従来の話に+暗躍した忍や加納殿の最後(私は読んだことがなかったです)。

  • 天正年間、戦乱の続くなか、出陣中の嫡男の留守を狙い、老将保科正俊の守る高遠城に、小笠原・上杉軍が攻め寄せる。かつて武田信玄の下で槍弾正の異名をとった正俊も、すでに齢七十五の隠居の身。だが、圧倒的に不利な状況下、城を棄てる意見を一喝し、正俊は奇策を練る―表題作「槍弾正の逆襲」をはじめ、関ケ原合戦における小早川秀秋の“楯裏の裏切り”に抗した武将を描いた「松野主馬は動かず」など、独自の気概をもって生きた人間像を、あざやかに描く傑作歴史小説集。

    2009.3.6読了!

  • 5編からなる短編集。
    マイナーな話ばかりだがどれもそれなりに楽しめます。
    おすすめは、表題作の「槍弾正の逆襲」と「松野主馬は動かず」。
    「松野主馬は動かず」にまさか塙団右衛門の息子が出ているとは…。

  • 表題作の「槍弾正の逆襲」を含む5編からなる短編集。槍弾正こと保科正俊や関ヶ原で小早川秀秋の寝返りに抵抗した松野主馬など、きらりと光るマイナー武将を主人公にした短編がお勧め。
     そのほか、宇喜多直家の下克上を助けた遠藤兄弟や築山殿の娘・加納殿の母に負けない鼻っ柱の強さなどが楽しめる。

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著者プロフィール

中村彰彦

1949年、栃木県栃木市生まれ。東北大学文学部卒業後、文藝春秋に勤務。87年に『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞を受賞。91年より執筆活動に専念し、93年に『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年に『二つの山河』で第111回直木賞、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞。また2015年には第4回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。小説に『鬼官兵衛烈風録』『名君の碑』『戦国はるかなれど』『疾風に折れぬ花あり』、評伝・歴史エッセイに『保科正之』『なぜ会津は希代の雄藩になったか』など多数。

「2020年 『その日なぜ信長は本能寺に泊まっていたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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