新編 日本の面影 (角川ソフィア文庫)

制作 : Lafcadio Hearn 
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042120049

感想・レビュー・書評

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  • ラフカディオ・ハーンの日本到着直後の感想から
    日本の研究の記録、エッセイ、日記。

    描写が美しい。
    時代もあるのだろうけれど、
    この本を読むと
    日本とはなんと素晴らしい純粋な国なんだろう、
    と思う。
    心が洗われます。
    日本に魅せられるのも道理。
    日本も今とは違うですね。
    多分それは惚れすぎた故の過大評価もあるのだと思うけれど。
    最後の「日本人の微笑」での日本人への理解なんて
    素晴らしすぎる。
    西洋人に読んで欲しいな。

  • ●2007年読了
    日本のことをこんなに愛してくれている他国の方がいらっしゃるなんてとても嬉しいですw
    でも、ハーンが愛した日本のよさがだんだんと失われていっているような気がしてなりません。。。

  • ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が、当時の日本という国を書いた本。いくつかの章を組み合わせた本なので、時系列で並んでいるわけではありませんが、彼が彼という人間そのままの『眼』と『心』で感じた日本が書かれています。

    読んでいるこちらが萎縮するくらい、彼は日本を賛美しています。
    初めは、ヨーロッパに生まれ、アメリカから来日してきた人の、単なる無いもの強請りのように感じましたが、彼の日本に対する感受性は、それだけには留まりません。
    単純に東京や横浜などの都市部を回るだけでなく、山間部など、本当に日本の『日常』が息づくところを回っているのです。
    もし都市部だけであれば、きっと彼の感想は「日本は西洋の文化を取り入れつつある、近代化が進んでいる国である」とだけに留まっていたでしょう。
    けれど、彼の探究心はそこではなく、『本来の日本の姿』にある。だから、見た目の景色や文化に留まらず、自然環境や日本人の礼儀作法、更には今も息づく伝説に至るまで、事細かに観察しては記しています。

    もし彼が、『今の』日本に来たならば、どんな感想を持ったでしょうか?


    この本を、日本人に強く勧めるならば、かつて日本に栄華した文化や環境以上に、日本人の『心』に注目すべきではないかと考えます。
    単に環境や文化を、過去の通りに見繕っても、決してそれは『日本らしい』とは言えないでしょう。ただの模倣に過ぎません。
    『日本人』が『日本人』であるが故の『心』、もう一度、見つめなおしてみませんか?

  • 5月6日読了。
    K先生のゴールデンウィーク課題のため。
    正直、この内容で読書感想文は書けない気がする・・・・。

  • 日本に初めてやってきた喜びと驚きが、率直に書かれていて、読んでるこっちが誇らしい気持ちになります。また、日本人にとって当たり前のことが改めて日本的なのだ、と気づいたりもします。でも、やっぱり、今の日本には見られなくなってしまった、人びとの生活の形や、素朴な信仰には目を見開かれます。

  • いま、「日本の面影」という本を読んでいる。
    さすが角川の本だけあって17版めにしてまだ誤植がありますが、中身はスゴク面白い。

    日本についてすぐ、やとった車夫の名は「チャ」。
    ホンマに日本人か?!と思いますがとりあえず読み進めていくと。

    盆踊りは、昔は静寂の中でしていたそうで。
    今は、「東京音頭」とか(東京だけかもしらんが)すごい音量でかけてますが。

    音もなく揺れうごき織るように進むあの優美な姿は、今夜白い燈籠をつけて迎えられた冥土の人々ではないのだ。ふいに、小鳥の呼び声のように美しくて朗らかな顫律にみちた一曲の歌が、娘らしい口からさっと流れだしてくる。すると、五十人の優しい声がその歌に和した。

    揃うた 揃いました 踊り子が揃うた
    揃い着てきた 晴れ浴衣

    またもや蟋蟀のすだく声、足のシュウシュウいう音、かるく手をうつ響だけになった。
    というような踊りだったのですね。いまでもどこかでこういう踊りをやっているのでしょうか。

    そして、出雲にある子供の霊の洞窟の話。
    その洞窟には、小さい石塔が一面に積んであって、それは子供の霊が積むんだそうな。
    洞窟の奥の砂地のところには、子供のはだしの足跡があって、人々がかわいそうに思って草鞋を供えるんだけど、足跡はいつもはだしなんだそうな。
    ひどいあらしの時には、大きな波が荒れ狂う鬼のように洞窟のなかへなだれこんできて、小さな石の塔をみんな押し流して小石にし、地蔵の像も岩にたたきつけてしまう。しかし、いつでも、あらしのあとの最初の静かな夜には、石の塔はもと通りにされるのである。
    「仏が心配して、泣き泣き積み直します」
    行ってみたい〜!!

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著者プロフィール

原作:ラフカディオ・ハーン
一八五〇年、ギリシャ生まれの英国人。アメリカで新聞記者として活動したのち、一八九〇年、日本文化への憧れから、島根県の松江中学に英語教師として赴任。松江出身の小泉セツと結婚ののち帰化し、小泉八雲を名乗る。熊本五高・東京帝国大学などで教鞭をとりつつ、日本研究を海外に向け紹介した。著書に『知られぬ日本の面影』『心』『怪談』など。

「2019年 『BL古典セレクション③ 怪談 奇談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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