もの食う人びと (角川文庫 へ 3-1)

著者 :
  • KADOKAWA
3.95
  • (518)
  • (444)
  • (509)
  • (30)
  • (10)
本棚登録 : 4598
感想 : 494
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043417018

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 旅行をするたびに思う。
    そこへ住むように旅をしたいと。
    同じ者を同じように食べる事は、旅行者としての何よりの楽しみだと思う。
    そして彼らの背景を考える。

    コンビニだらけの、そして24時間食べ物が売られている日本で暮らす私。食べる事は何か。日々自分に問いかけながら暮らそうと思った。

  • 本編と同じくらい(個人的にはそれ以上に)あとがきが素晴らしくないですか?

    なんというか、
    わたしは「すべてのことに意味をつける必要なんてない」ということに勇気付けられました。
    どんなことでも言語化して、意味をつけて、上やら下やら並べ替えようとする。比較でしか物事や自己を認識できない自分やみんなにつかれていたから。

    「それっぽい解釈を押しつけて上手に説明できる人がエラい」みたいなこのゲームから、早く一抜けしたいものです。
    言葉にはできない感動や違和感を恥ずかしがって捨てることなく、大切にしていきたいと思いまふ。

  • 日本人なら読んでおくべき、読まなければならない本だと思った。
    食うとは生きること。
    人は辛くても死にたくても、食わずにはいられないんだなぁ。

    自分がいかに「飽食」というぬるま湯に浸りきっているか、
    そしてその事実に麻痺しているかを思い知らされた。

    「菩提樹の香る村」が特に印象に残った。

  • 食べる行動から、世界を伝えるノンフィクション作品。

    現状をそのまま羅列して悲惨な現実を伝えるより、食を通して描かれる現実の方がよりこころに入ってきたかも。

    あとがきでの著者のインタビュー「ミクロを通してマクロを知る」ことの面白さ、わかりやすさは本著でも体感できたし、自分も心掛けたい。

  • 少し読むのに時間がかかってしまったが、読み終わった後よくわからない涙が出た。世界中どんなところでも人間は食べているんだなぁと思った。そして私たちは「食べる」ということが当たり前にできすぎて「食べる」ということに関する研ぎ澄まされた感覚を完全に失ってしまっているのだと再認識した。あとがきに一番共感する部分が多くてよかった。
    私にはこれほどのバイタリティーはないなぁ…などと思ったが、「世界を回る、実際に見る、臭う、味わう、話す、触る、過ごす……」ということはいろいろなことを知るのに本当に大事だと感じた。私も外国に行きたい。知りたいことを知りに、調べに、この目で確かめに行かなきゃなぁと思った。日本にあってその国にないもの。その国にあって日本にないもの。見習うべきもの、捨てるべきもの。そういうものを見ることができたら、私もこの作者のように、それを伝えていきたいと思った。

  • 初めて読んだときは、衝撃的やったな。

  • 今読んでも、状況があまり変わっていないような気がするのが、怖い。

  • 確か一人暮らしをする時に実家の書架から拝借し、引っ越しを繰り返しながらもいつも棚の後ろのほうに隠れていたので、今まで手に取らなかった一冊でもある。
    今年度の蔵書整理により当校図書館より廃棄処分になったものを引き取り。今回は「別荘」にある単行本ではなくこちらを一読した。

    もしかしたら単行本のほうは読んでいたのかもしれないが、内容はまったく覚えていない。が、このタイミングで読んだのはなぜ?と思ってしまうくらい、私自身のタイミングがハマり過ぎた。

    チェルノブイリ原発事故の汚染地域での食事。

    人間は食べなければ生きてい行けないのであり。
    うちの近所でも農作物に基準値(何をもって基準とするかはこの際置いておいて)以上のセシウムが検出されているが、御年88歳になる婆さんが「オラはおっかねぇから食わねぇ」と言う。確かにそれ以外に食べられるものはあるから笑い話にできる(笑い飛ばすしかない、とも言う)状況だが、さて、コレが世界的な食糧難になり自国の農家が作ったもの以外食べられなくなったら?とか考えないのだろうか、この国の人たちは。それもそうなったら「想定外」の一言で済ます?食えなくなったらその人は死ねということ?

    車やコンピューターを作って売るのもいいですが、鉄は食べれませんからね。。。

    ヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」新版を読んでいたので、ドイツの囚人食の項も興味津々で読んだ。

    辺見氏は石巻の出身。彼はこの震災をどう書き表すのだろうか。

  • 食べる。いつも、あたりまえに 食卓に 座り 頂く。しかし、世界中には 生きるために 食べる。その、直面した 人々の 生活力に 圧倒されます。飽食の今‼ 是非 一読の価値あります。

  • 臭いが、味が漂ってくる、「食」のルポルタージュ。チェルノブイリの話が、今になるとリアリティをもって胸に迫る。福島もこうなるのだろうか。是非読んでほしい。

全494件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

小説家、ジャーナリスト、詩人。元共同通信記者。宮城県石巻市出身。宮城県石巻高等学校を卒業後、早稲田大学第二文学部社会専修へ進学。同学を卒業後、共同通信社に入社し、北京、ハノイなどで特派員を務めた。北京特派員として派遣されていた1979年には『近代化を進める中国に関する報道』で新聞協会賞を受賞。1991年、外信部次長を務めながら書き上げた『自動起床装置』を発表し第105回芥川賞を受賞。

「2022年 『女声合唱とピアノのための 風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辺見庸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×